2019-01-01から1年間の記事一覧

2019年を振り返って2020年へ

2016年元日を私の「俳句始め」とし、まる4年が経ちました。今年の投句数は908句。主な投句先は、俳句ポスト、NHK俳句、所属結社蒼海(いるか句会を含む)、俳句界、角川俳句、あるふぁ俳壇、ラジオまどんな、ふらんす堂通信花実集などでした。来年は少し投句…

失恋の四十九日の良夜かな

(しつれんの しじゅうくにちの りょうやかな) 『蒼海』6号 堀本裕樹主宰 選 私のなかで結社誌に恋の句を投句するのは珍しいことかもしれません。まぁ失恋供養の句ですが(汗) 『失恋』という直接的な表現がどうかな?と自信なさげの句でしたが、採ってもら…

かに玉を織部に盛つて秋はじめ

(かにたまを おりべにもって あきはじめ) 『蒼海』6号 堀本裕樹主宰 選 美しい暗緑色の織部焼の丸皿。蟹玉の黄をのせて秋らしく。

殿は向日葵抱いて野辺送

(しんがりは ひまわりだいて のべおくり) 『蒼海』6号 堀本裕樹主宰 選 向日葵の花が好きだった、向日葵の花のようだった人を偲んで...。

俯せの骸の鴉灼かれたり

(うつぶせの むくろのからす やかれたり) 『蒼海』6号 堀本裕樹主宰 選 実景です。炎天下、道端に動かぬ一羽の鴉が居て、近寄るとそれはすでに亡骸(なきがら)でした。その姿は両腕を広げた黒いキリストが真夏の太陽にじりじりと灼かれているかのようでし…

夕暮れの鉄棒くるり草かげろふ

(ゆうぐれの てつぼうくるり くさかげろう) 『蒼海』6号 堀本裕樹主宰 選 夏の朝、窓を開けると網戸に見たことのない虫がとまっていました。レース模様のような透き通る羽をもつ緑色の虫。調べると草蜻蛉のようでした。その姿は儚げですが、意外に悪臭を放…

新しい机を入れて貝風鈴

(あたらしい つくえをいれて かいふうりん) 『蒼海』6号 堀本裕樹主宰 選 退院後の母を迎え入れるために一部屋片付け、新しくしました。夏らしい貝風鈴の音色とともに。

薔薇の香の泡たて母の髪洗ふ

(ばらのかの あわたてははの かみあらう) 『蒼海』6号 堀本裕樹主宰 選 退院後しばらく母の髪を洗ってあげていました。病院のベッドの上で父の髪を洗い、そして今度は母の髪を洗い、そんな日が自分にも来るものなのですね。

椎茸にちりりと醤油かけてやる

(しいたけに ちりりとしょうゆ かけてやる) 角川俳句2020年1月号掲載句令和俳壇 雑詠 五十嵐秀彦先生選 佳作 小林貴子先生選 佳作 星野髙士先生選 佳作 三人選が嬉しいです。 椎茸は子供の頃から苦手な食べ物No.1でした。特に煮物やちらし寿司の上に乗って…

木も人も呼吸ととのへ秋の湖

(きもひとも こきゅうととのえ あきのうみ) 俳句界2019年9月号応募句雑詠櫂未知子先生 選 佳作 夏に母が退院し、体も気持ち的にも落ち着いてきたころの句ですね。去年と代わり映えのしない年であったように思えますが、振り返るといろいろとあった一年だっ…

父の忌の秋の葉山の夕日かな

(ちちのきの あきのはやまの ゆうひかな) 俳句界2019年9月号応募句兼題:「葉」名和未知男先生 選 佳作 俳句界3月号掲載予定分まで投句しておりますが、定期購読が終了することもあり、先月の投句分をもって本誌への投句をいったん終えることにしました。…

秋蝶の濃き影われに触れゆきし

(あきちょうの こきかげわれに ふれゆきし) あるふぁ俳壇2020年冬号掲載句高野ムツオ先生 佳作 初めての高野先生選が嬉しいです。 まだ夏の日差しが残る9月、一人、坂をのぼっていたときに出逢った蝶のことです。実際には蝶の影が私の脚の影をふわふわと横…

木の葉降る写真のなかの父へ降る

(このはふる しゃしんのなかの ちちへふる) NHK俳句さく咲く!令和元年11月放送応募句兼題:木の葉堀本裕樹先生 選 佳作 母のことを詠んだ句と亡き父を詠んだ句を一句ずつ投句しました。自分では出来は母句のほうがよいかなと思っておりましたが、結果は父…

手袋のうさぎがいないいないばあ

(てぶくろの うさぎが いないいないばあ)NHK松山放送局 ラジオまどんな句会 2019.12.2(月)兼題:手袋神野紗希さん選 作句にあたっての紗希先生からのメッセージは、「手袋は、私たちの冬の日々に欠かせない存在です。どんな色や素材の手袋か、誰のどこに…

シガレットを美しく吸ふ敗戦忌

(シガレットを うつくしくすう はいせんき) 角川俳句2019年12月号掲載句令和俳壇 雑詠 五十嵐秀彦先生選 推薦 星野髙士先生選 佳作 まさかまさかの本年2回目の『推薦』です。しかも星野先生の佳作まで!驚きましたが、この句をとっていただけてほんとうに…

春の街へ君のスカジャン借りて出づ

(はるのまちへ きみのスカジャン かりていづ) 俳句界2019年12月号 恋する俳句 掲載句編集部選 優秀作品 最終回の恋する俳句♡ ラスト2回に投句し、掲載していただきました。部屋の壁に貼っている小泉今日子先輩のポスターを見て思いついた句です。自分でも…

砂丘蹴るパラグライダー秋の海

(さきゅうける パラグライダー あきのうみ) 俳句界2019年8月号応募句雑詠辻桃子先生 選 佳作今瀬剛一先生 選 佳作 鳥取砂丘の景でした。気持ちいいでしょうね。ふわっとスカッとしたいです。

ビスケットの英字ならべて夜の長し

(ビスケットの えいじならべて よのながし) 俳句界2019年8月号応募句雑詠茨木和生先生 選 佳作櫂未知子先生 選 佳作 小川洋子さんの小説『人質の朗読会』から発想を広げました。小川さん大好きなのです。

桃を買ふ友を初めて見舞ふ日に

(ももをかう ともをはじめて みまうひに) 俳句界2019年8月号応募句兼題:「見」岸本マチ子先生 選 佳作 桃の句は蒼海結社誌への投句『年若の師を見舞ふ日よ水蜜桃』にもあります。なぜか桃→お見舞いの連想になってしまいます。

熟れ柿のぼたぼたしたる日暮かな

(うれがきの ぼたぼたしたる ひぐれかな) NHK俳句 令和元年10月放送応募句 兼題:柿宇多喜代子先生 選 特選・三席 『初芝居』以来のNHK俳句入選で放送で紹介されました。三席にも選んでいただいて驚いています。『柿』も類想になりがちな季語でしたが、気…

句会ライブと岸田劉生展

土曜日は山口市で開催された夏井いつきさんの句会ライブに参加してきました。夏井先生のブログに写真付きで記事がアップされておりましたのでお借りします(→こちら)。ステージ左側の階段のところに黒い頭がぼこっと写っているのが私かな。5月の周南句会ラ…

秋の浜鍵つ子が鍵埋めてをり

(あきのはま かぎっこが かぎうめており)『世界』岩波俳句2019年12月号掲載 兼題「鍵」池田澄子先生 選 佳作 初投句でした。兼題が「鍵」というツイートをみかけて、「鍵っ子!」と思いつき、作った句でした。たまたまですが、題字の「鍵」が二文字入って…

檸檬噛む十九二十に戻れぬ夜

(れもんかむ じゅうくはたちに もどれぬよ)俳句ポスト365(第228回 2019年9月19日週の兼題:檸檬)夏井いつき先生 選 並選 兼題が「檸檬」ということで第219回から久しぶりに投句しました。夏井先生、ありがとうございました。またしばらくお休みします。…

夜長より墨絵の龍の放たれり

(よながより すみえのりゅうの はなたれり)NHK松山放送局 ラジオまどんな句会 2019.11.5(火)兼題:夜長神野紗希さん選 作句にあたっての紗希先生からのメッセージは、「日が暮れるのが早くなり、長くなった夜の時間を、みなさんはどう過ごしていますか。…

「新豆腐できました」てふ女文字

(「しんどうふできました」ちょう おんなもじ) ふらんす堂通信 162号花実集 雑詠 髙田正子先生 選 初めて寄ったお店で豆腐を買って帰った日のこと。新豆腐以外のものでも成立する句ですね(汗) 162号は五句中二句掲載でした。三句掲載を目指します!

雨叩く葉に空蝉の揺れもせず

(あめたたく はにうつせみの ゆれもせず) ふらんす堂通信 162号花実集 雑詠 髙田正子先生 選 窓から夕立の庭を眺めていたときの景です。最初は「揺れてをり」としていたのですが、蝉の抜け殻がしかと葉裏についている感じを出したほうがよいかと逆の表現に…

元彼と小春のバッティングセンター

(もとかれと こはるの バッティングセンター) 俳句界2019年11月号 恋する俳句 掲載句編集部選 優秀作品 このコーナーの作品募集が10月で終了ということで投句してみました。こういうのも楽しいですね。

一杯の水飲み干して翌は秋

(いっぱいの みずのみほして あすはあき) 俳句界2019年7月号応募句ここを直せば入選有馬朗人先生 2回目の「ここを直せば入選」でした。 一杯の水飲み干して明日は秋(添削句) 「翌は」を「明日は」に直していただきました。拙句への直接のコメントはなく…

枝豆の湯切りの音や雨あがる

(えだまめの ゆきりのおとや あめあがる) 俳句界2019年7月号応募句雑詠鈴木しげを先生 選 佳作西池冬扇先生 選 佳作山尾玉藻先生 選 佳作 句材に困ったときに作る食べもの即興句でした(笑)複数選に入って嬉しいです。

一人みる花火の空の遠かりき

(ひとりみる はなみのそらの とおかりき) 俳句界2019年7月号応募句雑詠櫂未知子先生 選 秀逸今瀬剛一先生 選 佳作 海の日にちなんで地元の港で毎年花火大会が開催されます。早めに食事を済ませてビールやジュース、アイスやフルーツなどを銘々がもち、自宅…