秋 植物

研ぎ上げしペティナイフや曼珠沙華

(とぎあげし ペティナイフや まんじゅしゃげ) ふらんす堂通信 182号うづら集 雑詠 西村麒麟先生 選 今号は5句中3句掲載でした。年末にデータ整理をしたら、ブログに記録していない句がなんとたくさんあったこと!いや、ここ2~3ヵ月、わたくしもいろいろと…

病みてなほ赤き林檎を描きたる

(やみてなお あかきりんごを えがきたる) 『蒼海』23号 堀本裕樹主宰 選 赤き林檎の「赤」が重複的であるかダメ押しの表現として成功しているか。自分でも迷うところです。

ひとくちに寄贈の西瓜食らふ河馬

(ひとくちに きぞうのすいか くらうかば) 『蒼海』23号 堀本裕樹主宰 選 地元のボランティア団体が動物園に西瓜の差し入れをしたというニュース映像を見ました。飼育員さんに半玉のすいかを口に差し入れてもらい(飼育員さんの手を噛んでしまうのではない…

菊香る道を神馬の曳かれゆく

(きくかおる みちをしんめの ひかれゆく) ふらんす堂通信 178号うづら集 雑詠 西村麒麟先生 選 ずっと以前に作った句を作り直しました。リメイクその2

大南瓜転がす父の忌が近し

(おおかぼちゃころがす ちちのきがちかし) 『蒼海』19号 堀本裕樹主宰 選 父は農業を営んでいたわけではなく、私も南瓜を転がした経験はないのですが、父の命日が秋なので詠んでみました。

椎茸にちりりと醤油かけてやる

(しいたけに ちりりとしょうゆ かけてやる) 句具ネプリ-秋分- 既発表句で初めて参加させていただきました。

母のものたたみ一葉よ又一葉

(ははのもの たたみひとはよ またひとは) 『蒼海』15号 堀本裕樹主宰 選 一葉は桐の葉のこと。

青ふくべ雛置くごとならべけり

(あおふくべ ひいなおくごと ならべけり) NHK俳句 令和3年9月放送応募句兼題:瓢櫂未知子先生 選 佳作 雛は「ひいな」とふりがなをつけて投句しましたが、NHK俳句テキスト掲載時には「ひな」とルビが振ってありました。

夜半よりの雨に沈くや林檎園

(よわよりの あめにしずくや りんごえん) 『蒼海』11号 堀本裕樹主宰 選 前日から生憎の雨になりましたが、林檎狩りのお客も少なく、雨の林檎園には静謐な空気が漂っていました。個人的にとても気に入っている句です。

銀杏散るゲーテ詩集の一篇に

(いちょうちる ゲーテししゅうの いっぺんに) 『蒼海』11号 堀本裕樹主宰 選 ゲーテ詩集に「銀杏の葉」という詩があります。 「銀杏の葉」 東洋からはるばるとわたしの庭にうつされたイチョウの葉は賢い者のこころをよろこばせる深い意味をもっているこれ…

木の実落ち主日のミサの始まりぬ

(このみおち しゅじつのミサの はじまりぬ) 『蒼海』10号 堀本裕樹主宰 選 結社誌10号で始めて8句掲載していただきました。そんな亀の歩みの檸檬でございますが、来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。みなさまよいお年をお迎えくださいませ。

桃に触れ蘇州夜曲の夜気に触れ

(ももにふれ そしゅうやきょくの やきにふれ) あるふぁ俳壇2021年冬号掲載句予選通過句 蘇州夜曲は『水の蘇州の花散る春を惜しむか柳がすすり泣く』で春宵のイメージですが、澄んだ秋の夜にもよくあいます♪

葡萄食むデスクトップに真夜の海

(ぶどうはむ デスクトップに まよのうみ) NHKラジオ 文芸選評 令和2年9月12日放送応募句 兼題:葡萄神野紗希さん 選 今週のイチオシ作品 NHK文芸選評も以前ほど投句できていないのですが、紗希先生の放送回で読み上げてもらいました。 以下、放送中の選評…

手のひらに溢るる栗の光かな

(てのひらに あふるるくりの ひかりかな) NHK俳句さく咲く!令和2年10月放送応募句兼題:栗櫂未知子先生 選 佳作いやー。最近全然テキストに掲載されなくて(汗)困ったときの何かを「光らす」句です(汗)

コスモスの野辺に夕日を置いて来し

(コスモスの のべにゆうひを おいてきし) ふらんす堂通信 166号花実集 雑詠 髙田正子先生 選 以前に作った句のリメイクでした。

黒板の美しき数式青檸檬

(こくばんの はしきすうしき あおれもん)NHK松山放送局 ラジオまどんな句会 2020.11.2(月)兼題:檸檬神野紗希さん選 作句にあたっての紗希先生からのメッセージは、「甘ずっぱい青春のイメージの強いレモン。その共通認識を生かしてイメージを広げるか、…

羽根よりも軽き光や芒原

(はねよりも かろきひかりや すすきはら)NHK松山放送局 ラジオまどんな句会 2020.9.7(月)兼題:芒神野紗希さん選 特選 作句にあたっての紗希先生からのメッセージは、「秋の七草のひとつで、お月見にも欠かせない芒。銀色の穂は、秋のさみしい日月の光を…

くつくつと林檎を煮つつ厨ごと 

(くつくつと にんごをにつつ くりやごと) 『蒼海』7号 堀本裕樹主宰 選

木の実降る獣の寝息やさしき夜

木の実降る獣の寝息やさしき夜(このみふる けもののねいき やさしきよ) 『蒼海』7号 堀本裕樹主宰 選

指先にほどけてしまふ秋明菊

(ゆびさきに ほどけてしまう しゅうめいぎく) ふらんす堂通信 163号花実集 雑詠 髙田正子先生 選 知り合いから分けてもらって玄関に植えた白い秋明菊が毎年よく咲いてくれます。でも、赤い花はいつの間にか絶えてしまいました。指先で触れただけでばらばら…

椎茸にちりりと醤油かけてやる

(しいたけに ちりりとしょうゆ かけてやる) 角川俳句2020年1月号掲載句令和俳壇 雑詠 五十嵐秀彦先生選 佳作 小林貴子先生選 佳作 星野髙士先生選 佳作 三人選が嬉しいです。 椎茸は子供の頃から苦手な食べ物No.1でした。特に煮物やちらし寿司の上に乗って…

桃を買ふ友を初めて見舞ふ日に

(ももをかう ともをはじめて みまうひに) 俳句界2019年8月号応募句兼題:「見」岸本マチ子先生 選 佳作 桃の句は蒼海結社誌への投句『年若の師を見舞ふ日よ水蜜桃』にもあります。なぜか桃→お見舞いの連想になってしまいます。

熟れ柿のぼたぼたしたる日暮かな

(うれがきの ぼたぼたしたる ひぐれかな) NHK俳句 令和元年10月放送応募句 兼題:柿宇多喜代子先生 選 特選・三席 『初芝居』以来のNHK俳句入選で放送で紹介されました。三席にも選んでいただいて驚いています。『柿』も類想になりがちな季語でしたが、気…

檸檬噛む十九二十に戻れぬ夜

(れもんかむ じゅうくはたちに もどれぬよ)俳句ポスト365(第228回 2019年9月19日週の兼題:檸檬)夏井いつき先生 選 並選 兼題が「檸檬」ということで第219回から久しぶりに投句しました。夏井先生、ありがとうございました。またしばらくお休みします。…

ちりちりとフィルムを巻いて夕芒

(ちりちりと フィルムをまいて ゆうすすき) NHK俳句さく咲く!令和元年9月放送応募句兼題:芒堀本裕樹先生 選 佳作 母の退院に備えて急遽一部屋整理しました。自分一人の手には負えなかったのであっさり業者に依頼しましたが...。そのときに父の古いカメラ…

林檎もて心室の孔塞がうか

(りんごもて しんしつのあな ふさごうか) 角川俳句2019年10月号掲載句令和俳壇 題詠「心」 夏井いつき先生選 特選 まさかまさかまさかの特選でした。しかも一席なのだそうです。こんなに素晴らしい鑑賞文をいただいて身に余る光栄です。6月末の応募句なの…

北行きの貨物列車や花芒 

(きたゆきの かもつれっしゃや はなすすき)俳句界2018年10月号応募句雑詠今瀬剛一先生 選 佳作 昔こんな風景を見たことがあったかなぁと思いつつ。

椿の実とうに爆ぜをり退院日

(つばきのみ とうにはぜおり たいいんび) 俳句界2018年9月号応募句雑詠夏石番矢先生 選 佳作 いろんな意味で全く詠めない月でしたので、なんとか一句採っていただけて有り難いです。 どうしても花に目が行きがちですが、今年は椿の実がなり、爆ぜるところ…

年若の師を見舞ふ日よ水蜜桃

(としわかの しをみまうひよ すいみつとう) 『蒼海』2号 堀本裕樹主宰 選。 季は秋になりました。

よそゆきの顔めくかぼす箱に詰む

(よそゆきの かおめくかぼす はこにつむ) 俳句界2018年8月号応募句俳句トーナメント堀本裕樹先生 選 1回戦敗退トーナメント選出。ありがとうございました。堀本瀬先生の講評の「・・・表情があるのか」の疑問形が気になりました(汗)(来月はまちがいなく…