2022-01-01から1年間の記事一覧

妊孕の火照りなるもの夏の月

(にんようの ほてりなるもの なつのつき) 角川俳句2022年11月号掲載句令和俳壇 雑詠 成田一子先生選 佳作 今年二回目の投句。来年は令和俳壇への投句も再開できればいいなと思います。

草の上に五月の新譜聴いてをり

(くさのうえに ごがつのしんぷ きいており) 『蒼海』17号 堀本裕樹主宰 選 句会で主宰特選をいただいた句でした。 17号は8句掲載でした。 春から初夏の句を掲載しましたが、風の一段と強い冬の朝です。ベランダの洗濯物が飛ばされるのではないかとはらはら…

ほろほろと花ひとひらのとこしなへ

(ほろほろと はなひとひらの とこしなえ) 『蒼海』17号 堀本裕樹主宰 選 俳句をはじめ詩歌で花といえば桜の花。 「とこしなえ」は、ながく変わらないさま。永久不変であるさま。いつまでも同じ状態で続くさま。永久。

閉園の夕日の色にしやぼん玉

(へいえんの ゆうひのいろに しゃぼんだま) 『蒼海』17号 堀本裕樹主宰 選 コロナ禍の影響を受け、完全閉園する遊園地があったので...。

砂浜に描く線路や鳥雲に

(すなはまに えがくせんろや とりくもに) 『蒼海』17号 堀本裕樹主宰 選 初案は下五を「卒業す」としていました。青春性。

雪解風小さき畑ある北校舎

(ゆきげかぜ ちさきはたある きたこうしゃ) 『蒼海』17号 堀本裕樹主宰 選 農業高校のイメージ。YouTube画像を観ながら作句しました。

天神の裏門暮れて田螺鳴く

(てんじんの うらもんくれて たしになく) 『蒼海』17号 堀本裕樹主宰 選 頭の中のイメージだけの作句。 「田螺鳴く」が季語ですが、実際には鳴きません。

白鍵の淡く黄ばみて雛祭

(はっけんの あわくきばみて ひなまつり) 『蒼海』17号 堀本裕樹主宰 選 母が結婚して父に買ってもらったオルガンがまだ我が家にあるのですが、音の出ない鍵盤があります。私としてはもう処分したいのですが、母の決心がつきません。

涅槃会の浅き傷ある果実かな

(ねはんえの あさききずある かじつかな) 『蒼海』17号 堀本裕樹主宰 選 結社有志の句会に投句した句です。先生に句会等でみていただく前の句をいきなり結社誌に投句するのは「没る」可能性が高いので心配でしたが、採ってもらえて嬉しさもひとしおです。

どん底を生き抜くための冷蔵庫

(どんぞこを いきぬくための れいぞうこ) ふらんす堂通信 173号花実集 兼題『冷蔵庫』 髙田正子先生 選 今号は5句中3句掲載でした。季節を後戻りしておりますが、ブログにアップするのをすっかり忘れておりました。しかも次号の花実集は投句すら忘れている…

薫風や言の葉紡ぐ青きペン

(くんぷうや ことのはつむぐ あおきペン) ふらんす堂通信 173号花実集 雑詠 髙田正子先生 選

麦ひと穂旅の手帖にさつと描き

(むぎひとほ たびのてちょうに さっとかき) ふらんす堂通信 173号花実集 雑詠 髙田正子先生 選

青嵐見たる防弾ガラスより

(あおあらしみたる ぼうだんガラスより) NHKラジオ 文芸選評 令和4年6月11日放送応募句 兼題:青嵐藤井あかりさん 選 憧れのあかりさんの放送回でした(嬉) 以下、放送中の選評の書き起こしです。 日本で防弾ガラスと言いますと要人を乗せる特別車両ですと…

地球儀の海の明るき子規忌かな

(ちきゅうぎの うみのあかるき しききかな) 第23回 NHK全国俳句大会宇多喜代子先選 秀作神野紗希先生選 佳作 昨年は応募せず、今回が三度目の全国大会挑戦で第21回に続く秀作入賞(宇多喜代子選)でした!同時に神野紗希選佳作もいただきましたので、前回…

猫の尻ぽんぽんしをる浴衣かな

(ねこのしり ぽんぽんしをる ゆかたかな) NHK俳句 令和4年5月放送応募句テーマ:ファッションまたは自由題堀本裕樹先生 選 佳作 「れっちも」のペンネームで掲載されました。夏の季語が指定されていたことを知らず、当初春の季語で作ってしまい、締切30分…

雪の夜の寄せ書に声宿りけり

(ゆきのよの よせがきにこえ やどりけり) 『蒼海』16号 堀本裕樹主宰 選 句会で主宰から「下五の『けり』がこの句の内容に対して強く感じるのでもう少し柔らかい表現にしてもよい」と言われましたが、最終的に初案のまま投句しました。 16号は7句掲載でし…

教室の冬日膨らむチェロの音に

(きょうしつの ふゆひふくらむ チェロのねに) 『蒼海』16号 堀本裕樹主宰 選

冬川の流れにたどる父の籍

(ふゆかわの ながれにたどる ちちのせき) 『蒼海』16号 堀本裕樹主宰 選 二十余年前、父が亡くなったあとの諸手続をした際、父が生まれた時点までの古い戸籍を辿っていったときのことを詠みました。

着ぶくれて車窓に続く海岸線

(きぶくれて しゃそうにつづく かいがんせん) 『蒼海』16号 堀本裕樹主宰 選 地元ローカル線の一風景。

空箱に猫の眠れる聖夜かな

(からばこに ねこのねむれる せいやかな) 『蒼海』16号 堀本裕樹主宰 選 「箱」または「函」または四角い入れ物というお題をいただいて作った句。

寒林の日暮や言葉こぼれくる

(かんりんの ひぐれやことば こぼれくる) 『蒼海』16号 堀本裕樹主宰 選 寒林という季語で句を作りたく、近所の公園のメタセコイア並木を寒林に見立てて詠んだ句です。樹間からこぼれる陽のひかりや鳥の鳴き声が美しい夕暮れ時でした。

冬帽の写生の子の目まつすぐに

(ふゆぼうの しゃせいのこのめ まっすぐに) 『蒼海』16号 堀本裕樹主宰 選

ハンガーの服くたびれて愛の羽根 

(ハンガーの ふくくたびれて あいのはね) 『蒼海』15号 堀本裕樹主宰 選 15号は8句掲載。そして、巻頭6席でした\(^o^)/

台風の匂ひ来る夜をカミュひらく 

(たいふうの においくるよを カミュひらく) 『蒼海』15号 堀本裕樹主宰 選

鳥渡る岬に小さき鉄工所 

(とりわたる みさきにちさき てっこうしょ) 『蒼海』15号 堀本裕樹主宰 選 結社誌15号の推薦三十句に入れていただき、主宰の選後評もいただきました(嬉)

紙皿の焼そばふたつ小鳥くる

(かみざらの やきそばふたつ ことりくる) 『蒼海』15号 堀本裕樹主宰 選

夕月やシュートの手首やはらかく

(ゆうづきや シュートのてくび やはらかく) 『蒼海』15号 堀本裕樹主宰 選 向かいの家の高校生が帰宅後、庭に設置されたバスケットゴールに向かって毎日シュート練習をしている姿を詠みました。

朝鵙や経典の字のくきやかに

(あさもずや きょうてんのじの くきやかに) 『蒼海』15号 堀本裕樹主宰 選

母のものたたみ一葉よ又一葉

(ははのもの たたみひとはよ またひとは) 『蒼海』15号 堀本裕樹主宰 選 一葉は桐の葉のこと。

新涼や風に目つむる盲導犬

(しんりょうや かぜにめつむる もうどうけん) 『蒼海』15号 堀本裕樹主宰 選母の通院に付き添った際、待合室で私のとなりにやってきた盲導犬。エアコンの効いた涼しい部屋でときおりうとうととする姿が愛らしく詠んでみた句です。