冬 天文

雪の夜の寄せ書に声宿りけり

(ゆきのよの よせがきにこえ やどりけり) 『蒼海』16号 堀本裕樹主宰 選 句会で主宰から「下五の『けり』がこの句の内容に対して強く感じるのでもう少し柔らかい表現にしてもよい」と言われましたが、最終的に初案のまま投句しました。 16号は7句掲載でし…

渡船いま時雨の門司へ入りにけり

(とせんいま しぐれのもじへ いりにけり) 角川俳句2022年4月号掲載句令和俳壇 雑詠 櫂未知子先生選 佳作 最近は、令和俳壇へは、1年に1回、年末ジャンボ宝くじ的に投句しています。雨の門司の町並みに思い入れがあり、作った句でした。

屑鉄の山巨象めく冬日かな

(くずてつの やまきょぞうめく ふゆひかな) 『蒼海』12号 堀本裕樹主宰 選

木枯が窓を叩くや聖書閉づ

(こがらしが まどをたたくや せいしょとづ) 『蒼海』12号 堀本裕樹主宰 選

冬満月海へ手渡す紙の舟

(ふゆまんげつ うみへてわたす かみのふね) 『蒼海』7号 堀本裕樹主宰 選 7号は10句中6句掲載でした。6~7句をうろうろです(^^ゞでも結社誌に「海光集-六句欄以降推薦句」というコーナーがありまして、この句の鑑賞文をいただきました。物語性を汲み取っ…

オリオンの和音のやうな星の粒 

(オリオンの わおんのような ほしのつぶ) 『蒼海』4号 堀本裕樹主宰 選 可愛らしい句になったでしょうか♪ちなみに「和音のやうな」という比喩は以前に別の投句で使いましたが、そちらは没でした(涙)

やはらかき野花のかたち冬日向

(やはらかき のばなのかたち ふゆひなた) 俳句界2019年1月号応募句雑詠今瀬剛一先生 選 秀逸櫂未知子先生 選 佳作 去年のNHK俳句兼題「冬日」の選外句を作り替えたものでした。原句は「まぁまぁできているように思うけど、何かこう、あとひとつ物足りない…

冬天へ青銅の馬湖の鳥

(とうてんへ せいどうのうま うみのとり) 『蒼海』3号 堀本裕樹主宰 選 地元の動物園がある公園は野外彫刻と人工湖も有名です。そんな景から発展させた(つもりの)一句です。 結社誌3号も10句中7句掲載という成績でした。句材探しの散歩にも作句にも時間の…

爪ほどの小さき十字架冬の雷

爪ほどの小さき十字架冬の雷(つめほどの ちさきじゅうじか ふゆのらい) 『蒼海』3号 堀本裕樹主宰 選 高校生のとき、若いシスターが小さな小さな十字架を私にくださいました。いまも大切にしています。

細棹の三味線買うて初時雨

(ほそざおの しゃみせんこうて はつしぐれ) 『蒼海』3号 堀本裕樹主宰 選 初時雨。その冬、はじめて降る時雨である。「初」には華やぎがある。ことしも生きていて会うことができたという喜びが含まれている。「時雨」には閑寂味がある。伝統的に生きること…

雪晴の光に透けてガラスペン

(ゆきばれの ひかりにすけて ガラスペン) 俳句界2018年12月号応募句雑詠稲畑廣太郎先生 選 佳作櫂未知子先生 選 佳作山尾玉藻先生 選 佳作 「きれいなガラスペンが欲しいな...」と文具店のHPを見ていての作句です。

冬晴や鳥居くぐりて男坂

(ふゆばれや とりいくぐりて おとこざか) 俳句界2018年11月号応募句雑詠茨木和生先生 選 佳作今瀬剛一先生 選 佳作 去年の11月に東京で結社の句会&パーティに参加した際、日枝神社を参拝しました。そのときの句です。

子規庵の裏戸潜りて冬夕焼

(しきあんの うらどくくりて ふゆゆやけ)伊吹嶺会 矢野孝子 先生【添削句】子規庵の裏戸潜れば冬夕焼季語の夕焼けをもっと鮮明にさせること!

凍て月の密やかなるは音なき時

(いてづきの ひそやかなるは おとなきとき)

明の雪蜜をかけたらうまかろう

(あけのゆき みつをかけたら うまかろう)