2020-01-01から1年間の記事一覧

木の実落ち主日のミサの始まりぬ

(このみおち しゅじつのミサの はじまりぬ) 『蒼海』10号 堀本裕樹主宰 選 結社誌10号で始めて8句掲載していただきました。そんな亀の歩みの檸檬でございますが、来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。みなさまよいお年をお迎えくださいませ。

蜜豆や走り書きして追悼句

(みつまめや はしりがきして ついとうく) 『蒼海』10号 堀本裕樹主宰 選

ホスチアをいただく列に日焼の子

(ホスチアを いただくれつに ひやけのこ) 『蒼海』10号 堀本裕樹主宰 選 学生時代の礼拝の時間を思い出して...。

船よぎる青き網戸となりにけり

(ふねよぎる あおきあみどと なりにけり) 『蒼海』10号 堀本裕樹主宰 選 俳句を始めた頃に作った句のリメイクでした。

夏蝶のとまり一木目覚めたる

(なつちょうのとまり いちぼくめざめたる) 『蒼海』10号 堀本裕樹主宰 選 思い出のお気に入り句のリメイクでした。

夏至の夜の白きソファーに白き猫

(げしのよの しろきソファーに しろきねこ) 『蒼海』10号 堀本裕樹主宰 選 藤田嗣治『白い猫』のイメージです。

五月来る賛美歌集をめくるとき

(ごがつくる さんびかしゅうを めくるとき) 『蒼海』10号 堀本裕樹主宰 選 学生時代を思い出して詠みました。

乾ききる食器真白き聖五月

(かわききる しょっきましろき せいごがつ) 『蒼海』10号 堀本裕樹主宰 選 初夏の季語。「聖五月」、「五月来る」がとくに好きです。

師の訃報遅れて聞きぬ冬隣

(しのふほう おくれてききぬ ふゆどなり) あるふぁ俳壇2021年冬号掲載句小川軽舟先生 佳作 初めての小川先生選。嬉しいです!もう少し別の表現もあったかな...と投句後に思いましたが、佳作にとっていただけてよかった。

桃に触れ蘇州夜曲の夜気に触れ

(ももにふれ そしゅうやきょくの やきにふれ) あるふぁ俳壇2021年冬号掲載句予選通過句 蘇州夜曲は『水の蘇州の花散る春を惜しむか柳がすすり泣く』で春宵のイメージですが、澄んだ秋の夜にもよくあいます♪

人参に土の匂ひや朝清し

(にんじんに つちのにおいや あさすがし) NHK俳句さく咲く!令和2年11月放送応募句兼題:人参櫂未知子先生 選 佳作 投句の際、句のふりがなを「あさきよし」としており、あわてて再投句しました。

罪かくすやうに手袋まるめけり

(つみかくすように てぶくろまるめけり) NHK俳句 令和2年11月放送応募句兼題:手袋対馬康子先生 選 佳作 破調・句またがりでも底辺に575のリズムが感じられると、響きが心地よく内容の詩情を高めるそう(と、どちらかで読みました)。

冬眠の蛇ゐる藪に青き日矢

(とうみんの へびいるやぶに あおきひや)NHK松山放送局 ラジオまどんな句会 2020.12.7(月)兼題:冬眠神野紗希さん選 作句にあたっての紗希先生からのメッセージは、「蛇やとかげ、栗鼠(りす)や熊など、それぞれの動物にフォーカスすることもできますし…

葡萄食むデスクトップに真夜の海

(ぶどうはむ デスクトップに まよのうみ) NHKラジオ 文芸選評 令和2年9月12日放送応募句 兼題:葡萄神野紗希さん 選 今週のイチオシ作品 NHK文芸選評も以前ほど投句できていないのですが、紗希先生の放送回で読み上げてもらいました。 以下、放送中の選評…

手のひらに溢るる栗の光かな

(てのひらに あふるるくりの ひかりかな) NHK俳句さく咲く!令和2年10月放送応募句兼題:栗櫂未知子先生 選 佳作いやー。最近全然テキストに掲載されなくて(汗)困ったときの何かを「光らす」句です(汗)

青梨をもぎ来しごとき月夜かな

(あおなしを もぎきしごとき つきよかな) ふらんす堂通信 166号花実集 雑詠 髙田正子先生 特選 特選をいただきました(涙)どちらへ投句しようか迷った句でしたが、花実集にしてよかったです。以下、髙田先生からいただいた選評です。ありがとうございました…

コスモスの野辺に夕日を置いて来し

(コスモスの のべにゆうひを おいてきし) ふらんす堂通信 166号花実集 雑詠 髙田正子先生 選 以前に作った句のリメイクでした。

蹲の水面の空や小鳥来る 

(つくばいの みなものそらや ことりくる) ふらんす堂通信 166号花実集 兼題「小鳥」 髙田正子先生 選 玄関先にめだかを入れた大鉢を置いていらっしゃるお宅が近所にあり、鉢の水に空が映っていたところからの着想でした。

黒板の美しき数式青檸檬

(こくばんの はしきすうしき あおれもん)NHK松山放送局 ラジオまどんな句会 2020.11.2(月)兼題:檸檬神野紗希さん選 作句にあたっての紗希先生からのメッセージは、「甘ずっぱい青春のイメージの強いレモン。その共通認識を生かしてイメージを広げるか、…

あしらひの銀の鶴美し夏料理

(あしらいの ぎんのつるはし なつりょうり) あるふぁ俳壇2020年秋号掲載句予選通過句 ブログ更新をサボっていて(アップする句がなく)自分でも忘れていた句でした(汗)成績振るわず。

愛慕濃くチェロを抱きゐる白シャツよ

(あいぼこく チェロをだきいる しろシャツよ) 『蒼海』9号 堀本裕樹主宰 選 9号は10句中6句掲載でした。相変わらずの成績です(笑) 来世はチェロ弾きになりたい檸檬でございます。

母の日の黄ばみしレシピノートかな

(ははのひの きばみし レシピノートかな) 『蒼海』9号 堀本裕樹主宰 選 食器棚の引き出しから、母が結婚当初通っていた料理教室のレシピとメモ書きが出てきました。完全に色褪せ、紙の端もぼろぼろと朽ちていましたが、当時の母の初々しさを伝えてくれるも…

言ひさして女子校までの余花の道

(いいさして じょしこうまでの よかのみち) 『蒼海』9号 堀本裕樹主宰 選 自分のなんとなく不安定だった(?)女子高生時代を必死に思い出し、詠みました。余花は初夏の季語。五月病?

ピアス揺れ風に見上ぐる藤の花

(ピアスゆれ かぜにみあぐる ふじのはな) 『蒼海』9号 堀本裕樹主宰 選 実景です。いつも通りかかる道に昭和30年代?40年代?のお宅があります。もう誰も住んでおられないのかなと思いますが、手入れのされていない藤の木が大きく育っていて、風が吹くたび…

膝抱いて春昼の湯に胎児めく

(ひざだいて しゅんちゅうのゆに たいじめく) 『蒼海』9号 堀本裕樹主宰 選 昼間にお風呂に入ることも多い私。今年のコロナ禍の憂鬱さも少し表れているような...。

ヘリ轟音薄氷朝日ごと割るる

(ヘリごうおん うすらいあさひごと わるる) 『蒼海』9号 堀本裕樹主宰 選 十句投句中の一番初めの句。どうしても言葉が定まらず、提出直前まで投句用紙を何度も書き直した句でした。海光集(六句欄以降推薦句)で曲風彦さんに身に余る素敵な鑑賞文をいただ…

羽根よりも軽き光や芒原

(はねよりも かろきひかりや すすきはら)NHK松山放送局 ラジオまどんな句会 2020.9.7(月)兼題:芒神野紗希さん選 特選 作句にあたっての紗希先生からのメッセージは、「秋の七草のひとつで、お月見にも欠かせない芒。銀色の穂は、秋のさみしい日月の光を…

蘭鋳に餌遣る今朝の仮眠室

(らんちゅうに えさやるけさの かみんしつ)NHK松山放送局 ラジオまどんな句会 2020.8.24(月)兼題:朝神野紗希さん選 特選 作句にあたっての紗希先生からのメッセージは、「今回は、俳句甲子園の決勝戦の兼題に挑戦してみましょう。季語ではなく「朝」と…

満充電されぬ体や蛇の殻

(まんじゅうでん されぬからだや へびのから) 角川俳句2020年9月号掲載句令和俳壇 雑詠 五十嵐秀彦先生選 佳作 久しぶりに令和俳壇に投句しました。スポット(?)投句みたいなものです。1時間で5句作り、投句葉書を埋めて即投函してみました。一句のみ掲載(…

ソフトクリーム輝く思ひ出の中で

(ソフトクリームかがやく おもいでのなかで) NHK俳句さく咲く!令和2年7月放送応募句兼題:氷菓櫂未知子先生 選 佳作 前年度までのように多作して投句する余力のないなか、毎号一句でもテキストに掲載されると本当に嬉しいです(涙)