冬 動物

冠脱ぎし女王の肩へ冬の蝶

(かんぬぎし じょおうのかたへ ふゆのちょう) 句具ネプリ-2022冬至- エリザベス女王の逝去を受けて。

気に入りの絵本ひらけば雪蛍

(きにいりの えほんひらけば ゆきぼたる) NHK俳句 令和3年12月放送応募句兼題:綿虫片山由美子先生 選 佳作

寒鴉ゆく払暁の月追ふごとく

(かんあゆく ふつぎょうのつき おうごとく) 『蒼海』12号 堀本裕樹主宰 選 夜の明けきらない頃、なぜかゴミ捨てにゆくことがあるのですが、西の空に煌々と輝く月に向かって飛んでゆく烏の姿が幻想的でした。

狼の傷の癒えたる夜なりけり

(おおかみの きずのいえたる よなりけり) 角川俳句2021年5月号掲載句令和俳壇 雑詠 対馬康子先生選 秀逸 久しぶりの投句で秀逸に選んでいただいてとても嬉しいです!別の句会での『狼』の兼題で作り、投句しなかった句でした。そのとき投句した句は凡句で…

横顔の哲学者めく寒鴉

(よこがおの てつがくしゃめく かんがらす) ふらんす堂通信 167号花実集 雑詠 髙田正子先生 選 下五を添削していただいたようです。原句は「横顔の哲学者めく寒鴉(かんあ)かな」でした。ありがとうございました。

冬眠の蛇ゐる藪に青き日矢

(とうみんの へびいるやぶに あおきひや)NHK松山放送局 ラジオまどんな句会 2020.12.7(月)兼題:冬眠神野紗希さん選 作句にあたっての紗希先生からのメッセージは、「蛇やとかげ、栗鼠(りす)や熊など、それぞれの動物にフォーカスすることもできますし…

水鳥の一夢一夢をつなぎをり

(みずとりの いちむいちむを つなぎおり) 『蒼海』8号 堀本裕樹主宰 選【一夢(いちむ)】一度の夢。また、一度夢を見る間の短い時間。はかないさまをいう(精選版 日本国語大辞典より)

連写音はじけるごとく冬鷗

(れんしゃおん はじけるごとく ふゆかもめ) 『蒼海』8号 堀本裕樹主宰 選 市内の湖のある公園での一句でした。

左岸なる神社の森へ残り鷺

(さがんなる じんじゃのもりへ のこりさぎ) 『蒼海』4号 堀本裕樹主宰 選 句材を探しに市街地を流れる川沿いを散策。そこの船溜まりは小学生のときの写生大会のお約束の場所でした。課外授業は楽しかったけど船の絵を描くのは難しくて。散歩中実際に居たの…

白鳥の胸へ盬投ぐ告知の日

(はくちょうの むねへしおなぐ こくちのひ) 『蒼海』4号 堀本裕樹主宰 選 自分の経験から詠んだ句ではなく、亡き同級生のことを思い出して...。鹽は塩の旧字体、繁体字。

寒鮃しづかに今を濡れてをり

(かんびらめ しづかにいまを ぬれており)俳句ポスト365(第210回 2018年11月29日週の兼題:鮃)夏井いつき先生 選 人選 鮃の黒い背中をじっと見ながら(もちろんネットの画像)詠みました。自分でも気に入っている句ですが(「今を」のあたり)、拙句に素…

寒鮃捌くあはひの水の音

(かんびらめ さばくあわいの みずのおと)俳句ポスト365(第210回 2018年11月29日週の兼題:鮃)夏井いつき先生 選 人選 鮃を捌いている板前さんの手元を見ながら(もちろんネットの動画)詠みました。魚は食べるのは好きだけど詠むのは難しい。

長老のターニャてふ名の竃猫

(ちょうろうの ターニャちょうなの かまどねこ) 俳句界2017年12月号応募句雑詠角川春樹先生 選 秀逸稲畑廣太郎先生 選 佳作 友人の愛猫のお名前をお借りしました。竃猫とは、竃があったころ、暖まるために火の落ちた竃の中に入り灰だらけになった猫のこと…

鍋蓋のかたかた鳴つて冬の蠅

(なべぶたの かたかたなって ふゆのちょう)俳句界12月号応募句雑詠角川春樹先生 選 佳作辻桃子先生 選 佳作辻先生にとっていただけるとうれしい。

子規庵の表戸くぐる冬の蝶

(しきあんの おもてどくぐる ふゆのちょう)俳句界12月号応募句雑詠佐藤麻績先生 選 佳作去年の11月に根岸の子規庵を訪れました。「表戸くくる」で投句したのですが、「くぐる」に訂正されました。Super 日本語大辞典の古語辞典では「くくる(潜る)」、の…

笑ひ顔父似と言はれ冬かもめ

(わらいがお ちちにといわれ ふゆかもめ)伊吹嶺会 矢野孝子 先生【添削句】笑ひ顔父似と言はれおでん酒季語で、情景を鮮明にイメージできるとよい。笑い顔×笑ひ顔○

笹舟の遠ざかりけり浮寝鳥

(ささぶねの とおざかりけり うきねどり)NHK俳句 平成28年12月放送応募句兼題:水鳥堀本裕樹先生 選 佳作「浮寝鳥」は「水鳥」の傍題です。

熊眠り兎の跳ねて神の山

(くまねむり うさぎのはねて かみのやま)俳句ポスト365(第160回 2016年11月17日週の兼題:熊)夏井いつき先生 選 並選計4句を投句。忙しかったこともありいつもより投句数が少なく、今回は全没だと思っていました。特にこの句は、熊と兎で季重なりである…