研ぎ上げしペティナイフや曼珠沙華

(とぎあげし ペティナイフや まんじゅしゃげ)

ふらんす堂通信 182号
うづら集 雑詠 西村麒麟先生 選

今号は5句中3句掲載でした。
年末にデータ整理をしたら、ブログに記録していない句がなんとたくさんあったこと!いや、ここ2~3ヵ月、わたくしもいろいろとあったのです(汗) そして今日気づいたのですが、次号への投句を失念していました。2019年から欠詠なく投句してきたのでとても残念です。

庭木みな抜かれ何処ゆつくつくし

(にわきみな ゆかれいづこゆ つくつくし)

ふらんす堂通信 182号
うづら集 雑詠 西村麒麟先生 選

句会で無得点だった句を推敲。つくつくしは法師蝉の傍題。
何処ゆの「ゆ」は古語の格助詞の「ゆ」で、「・・・から。・・・を通って」の経由点を表します。
今夏、実際に、実家の庭の木をすべて抜根してもらいました。亡き父が家を建てた際に作った狭庭で、その感慨を詠みました。

回天の海と聞かされ秋の風

(かいてんの うみときかされ あきのかぜ)

ふらんす堂通信 182号
うづら集 兼題「海」 西村麒麟先生 選

うづら集では初めての題詠特選でした。
以下は麒麟さんの選評です。ありがとうございました。
「もしかしたら山口県の大津島でしょうか。人間魚雷と呼ばれた人道的には許されない兵器、回天の歴史を聞かされてから見る秋の海は深い悲しみを漂わせているような印象を受けたと想像出来ます。この句の秋風は慰めにも、嘆きにも感じられます。」

手花火や同級生といふ響き

(てはなびや どうきゅうせいという ひびき)

ふらんす堂通信 181号
うづら集 雑詠 西村麒麟先生 選

今号は5句中2句掲載でした。どちらも私には珍しく、恋の句でした。