2021-01-01から1年間の記事一覧

賽銭の硬き音して秋の暮

(さいせんの かたきおとして あきのくれ) NHK俳句 令和3年10月放送応募句兼題:秋の暮岸本尚毅先生 選 入選 本当に久しぶりのNHK俳句入選で、番組の放送にて紹介していただきました。 選者の講評を引用します。 賽銭箱に硬貨が落ちる音を「硬き音」と詠ん…

野遊やポテトサラダに干ぶだう

(のあそびや ポテトサラダに ほしぶどう) 『蒼海』13号 堀本裕樹主宰 選 野遊(のあそび)は今で言うピクニック? 8句掲載。そして初めて結社誌巻頭に掲載していただきました。四席です。また第二回蒼海賞の発表もあり、拙作品「家族かな」は予選通過とい…

街に雨ふれば水針魚のここちして

(まちにあめ ふればさよりの ここちして) 『蒼海』13号 堀本裕樹主宰 選 季語は水針魚(さより)ですが、比喩として使っているので水針魚の実体がなく、そういう点で自分の中では冒険した句でした。 家々や菜の花いろの灯をともし 木下夕爾 菜の花が季語で…

数Ⅰと表紙に書くやスイートピー

(すういちと ひょうしにかくや スイートピー) 『蒼海』13号 堀本裕樹主宰 選 これも昔を思い出して...。

アネモネの風に折れしを飾りたり

(アネモネの かぜにおれしを かざりたり) 『蒼海』13号 堀本裕樹主宰 選 自分でも気に入っている句です。

荷をほどきあとなにもせず花月夜

(にをほどき あとなにもせず はなづきよ) 『蒼海』13号 堀本裕樹主宰 選 花月夜。月と桜の花が美しい夜。 チチポポと鼓打たうよ花月夜 松本たかし

苗市や同級生と知りて買ふ

(なえいちや どうきゅうせいと しりてかう) 『蒼海』13号 堀本裕樹主宰 選 実際のエピソードを元に作りました。句会で主宰から講評をいただいた際、同級生とのやりとりをとても面白がられました。今号の推薦三十句、そしてセクト・ポクリットの「コンゲツ…

花種を配る少女や地球の日

(はなだねを くばるしょうじょや ちきゅうのひ) 『蒼海』13号 堀本裕樹主宰 選 ベースは子どもの頃によく観ていたテレビアニメの『花の子ルンルン』です。毎年4月22日のアースデイも連想させつつ。

球場は更地となりて鳥雲に

(きゅうじょうは さらちとなりて とりくもに) 『蒼海』13号 堀本裕樹主宰 選 旧広島市民球場跡地を偲んで。

宙に指止めて秋思のタイピスト

(ちゅうにゆび とめてしゅうしの タイピスト) ふらんす堂通信 170号花実集 雑詠 髙田正子先生 選 遠い昔の秘書時代の自分を詠んでみました。今号は5句中3句掲載でした。

夕暮の市民球場ばつた飛ぶ

(ゆうぐれの しみんきゅうじょう ばったとぶ) ふらんす堂通信 170号花実集 雑詠 髙田正子先生 選

虫の声胸に反戦缶バッジ

(むしのこえ むねにはんせん かんバッジ) ふらんす堂通信 170号花実集 兼題「虫」 髙田正子先生 選

金魚漂ふ待合室の片隅に

(きんぎょただよう まちあいしつの かたすみに) ふらんす堂通信 169号花実集 雑詠 髙田正子先生 選 備忘録へのUPを忘れていました。なので今頃夏の句(汗)

夕涼の大樹に父の匂ひせり

(ゆうすずの たいじゅにちちの においせり) ふらんす堂通信 169号花実集 兼題「涼し」 髙田正子先生 選

青ふくべ雛置くごとならべけり

(あおふくべ ひいなおくごと ならべけり) NHK俳句 令和3年9月放送応募句兼題:瓢櫂未知子先生 選 佳作 雛は「ひいな」とふりがなをつけて投句しましたが、NHK俳句テキスト掲載時には「ひな」とルビが振ってありました。

抱へゆく枝豆花束のごとく

(かかえゆく えだまめはなたばの ごとく) NHK俳句 令和3年8月放送応募句兼題:枝豆櫂未知子先生 選 佳作 枝豆も考えれば考えるほど類想になってしまいました(汗)

風鈴の音に始まる夕べかな

(ふうりんの おとにはじまる ゆうべかな) NHK俳句 令和3年7月放送応募句兼題:風鈴櫂未知子先生 選 佳作 風鈴は考えれば考えるほど類想になってしまいました。

シュプールの切れよき臨時教師かな

(シュプールの きれよき りんじきょうしかな) 『蒼海』12号 堀本裕樹主宰 選 中学時代、不祥事を起こした担任の代わりに赴任してきた若い先生のことを詠みました。お姉さん的な存在で仲良くしていただき、実際にはスケートに連れていってもらったのですが…

寒鴉ゆく払暁の月追ふごとく

(かんあゆく ふつぎょうのつき おうごとく) 『蒼海』12号 堀本裕樹主宰 選 夜の明けきらない頃、なぜかゴミ捨てにゆくことがあるのですが、西の空に煌々と輝く月に向かって飛んでゆく烏の姿が幻想的でした。

ぶかぶかのセーターの孤児よく笑ふ

(ぶかぶかの セーターのこじ よくわらう) 『蒼海』12号 堀本裕樹主宰 選

産月となりたる姪の賀状かな

(うみづきと なりたるめいの がじょうかな) 『蒼海』12号 堀本裕樹主宰 選 令和3年2月3日、立春に姪が第一子を出産しました。私は大叔母になりました。

病窓の初凪に向く椅子二脚

(びょうそうの はつなぎにむく いすにきゃく) 『蒼海』12号 堀本裕樹主宰 選 闘病の末、20年前に亡くなった父を偲んで。新年句会に投句した句です。

屑鉄の山巨象めく冬日かな

(くずてつの やまきょぞうめく ふゆひかな) 『蒼海』12号 堀本裕樹主宰 選

木枯が窓を叩くや聖書閉づ

(こがらしが まどをたたくや せいしょとづ) 『蒼海』12号 堀本裕樹主宰 選

寝返りて畳の端の蟻光る

(ねがえりて たたみのはしの ありひかる) NHK俳句 令和3年5月放送応募句兼題:蟻岸本尚毅先生 選 佳作 今年は虫の兼題が多く、なかなか難関です。

罌粟揺るるキリンが耳を澄ますとき

NHK俳句 令和3年5月放送応募句兼題:罌粟の花鴇田智哉先生 選 佳作 鴇田さんに初めて佳作をいただきました。嬉しい🦒

柳川に船頭うたふ草の餅

(やながわに せんどううたう くさのもち) NHK俳句 令和3年4月放送応募句兼題:草餅櫂未知子先生 選 佳作 4週目は、今年度から『俳句さく咲く!』ではなくなりました。拙句は数年前に福岡県柳川で川下りをしたときのことを思い出し、兼題の草餅と合わせてみ…

入学子はづかしさうに笑みこぼす

(にゅうがくし はずかしそうに えみこぼす) NHK俳句 令和3年4月放送応募句兼題:入学片山由美子先生の添削コーナー 添削句 入学の子は恥ぢらいの笑みこぼし 原句は「はづかしさうに」が散文的になっている最後を連用形にして余韻をもたせる下五が同士の場…

入学の朝の予報は晴れとなり

(にゅうがくの あさのよほうは はれとなり) NHK俳句 令和3年4月放送応募句兼題:入学片山由美子先生 選 佳作 今年度は全没スタートだと思っていたのでほっとしました。

狼の傷の癒えたる夜なりけり

(おおかみの きずのいえたる よなりけり) 角川俳句2021年5月号掲載句令和俳壇 雑詠 対馬康子先生選 秀逸 久しぶりの投句で秀逸に選んでいただいてとても嬉しいです!別の句会での『狼』の兼題で作り、投句しなかった句でした。そのとき投句した句は凡句で…