冬 生活

一人嗅ぎ皆が嗅ぎ出す柚子湯かな

(ひとりかぎ みながかぎだす ゆずゆかな) 『蒼海』20号 堀本裕樹主宰 選 冬至の日に地元の入浴施設で「ゆず湯」のサービスをしているのをニュースで見て作った句です。

園丁に手渡すホットレモンかな

(えんていに てわたす ホットレモンかな) 『蒼海』20号 堀本裕樹主宰 選 庭木の剪定に来てくださった方に休憩時間のお茶をお出ししたときのことを詠みました。午前中が珈琲だったので午後はホットレモンにしました。

尼三人腕捲りして大根引く

(あまみたり うでまくりして だいこひく) 『蒼海』20号 堀本裕樹主宰 選 NHKで放送されていた『やまと尼寺 精進日記』の尼僧のイメージで。主宰もそのように鑑賞してくださいました!

星きれいなんまらきれい冬至の湯

(ほしきれい なんまらきれい とうじのゆ) 『蒼海』19号 堀本裕樹主宰 選 ドキュメント番組で耳にした「星なまらきれい」という言葉が心に残り、作った句です。私にとってはチャレンジ句でした。「なまら」は北海道弁で「とても」。「なまら」を強調すると…

雨の香の残る大根引きにけり

(あめのかの のこるだいこん ひきにけり) 角川俳句2023年5月号掲載句令和俳壇 雑詠 星野高士先生 秀逸 五十嵐秀彦先生 佳作 白岩敏秀先生 佳作 櫂未知子先生 佳作 類想がありそうといわれた句でしたが、久しぶりの共選!嬉しいです!

戯れに父上と呼ぶ榾の宿

(たわむれに ちちうえとよぶ ほたのやど) 角川俳句2023年3月号掲載句令和俳壇 雑詠 小林貴子先生 佳作 たぶん、『鎌倉殿の13人』を観ていて、「父上」って作りたくなったんだろうな(^_^;掲載されなかったら、季語を変えて作り直そうと思っていた句でした。

着膨れてきりんにじつと見つめられ

(きぶくれて きりんにじっと みつめられ) ふらんす堂通信 171号花実集 雑詠 髙田正子先生 選 すっかり忘れていて今頃冬の句をUPしました。5句中3句掲載でした。

暮れてなほラグビーボール蹴り上ぐる

(くれてなお ラグビーボール けりあぐる) NHK俳句 令和4年1月放送応募句兼題:ラグビー阪西敦子先生 選 佳作 初めていただいた阪西選でした。

シュプールの切れよき臨時教師かな

(シュプールの きれよき りんじきょうしかな) 『蒼海』12号 堀本裕樹主宰 選 中学時代、不祥事を起こした担任の代わりに赴任してきた若い先生のことを詠みました。お姉さん的な存在で仲良くしていただき、実際にはスケートに連れていってもらったのですが…

ぶかぶかのセーターの孤児よく笑ふ

(ぶかぶかの セーターのこじ よくわらう) 『蒼海』12号 堀本裕樹主宰 選

生家てふ終の住処よ寒卵

(せいかちょう ついのすみかよ かんたまご) NHK俳句さく咲く!令和3年1月放送応募句兼題:寒卵櫂未知子先生 選 佳作 寒卵は選を外したくない季語(笑) ほっとしました(笑)

罪かくすやうに手袋まるめけり

(つみかくすように てぶくろまるめけり) NHK俳句 令和2年11月放送応募句兼題:手袋対馬康子先生 選 佳作 破調・句またがりでも底辺に575のリズムが感じられると、響きが心地よく内容の詩情を高めるそう(と、どちらかで読みました)。

シスターの手籠にのぞく寒卵

(シスターの てかごにのぞく かんたまご) NHKラジオ 文芸選評 令和2年1月放送応募句 兼題:寒卵西村和子先生 選 入選 初めての入選でラジオの放送中に読み上げていただきました(涙)カトリックの学校に通っていてよかったです(涙)西村先生の選評を一部書き…

香箱の猫くづれゆく薪暖炉

(こうばこの ねこくずれゆく まきだんろ) 『蒼海』7号 堀本裕樹主宰 選

手袋のうさぎがいないいないばあ

(てぶくろの うさぎが いないいないばあ)NHK松山放送局 ラジオまどんな句会 2019.12.2(月)兼題:手袋神野紗希さん選 作句にあたっての紗希先生からのメッセージは、「手袋は、私たちの冬の日々に欠かせない存在です。どんな色や素材の手袋か、誰のどこに…

煮凝や熱の子の目のうるみゐて

(にこごりや ねつのこのめの うるみいて) 『蒼海』4号 堀本裕樹主宰 選 結社誌に食の句を入れるのは楽しみのひとつです。拙句は食の季語「煮凝」との単純な取り合わせですが。「『煮凝や』と詠嘆してよかったのかな...」と投句後に考えてしまいましたが、…

星々の賑はひめける火の用心

(ほしぼしの にぎわいめける ひのようじん) 第二十回 虚子・こもろ全国俳句大会 選外 三句一組・雑詠で今年の1月10日が投句締切でした。5月下旬に作品集が送付されるとのことで昨日6月7日に届きました。入選の場合は事前通知があるので拙句が選外であるこ…

焼芋に大小ありて一重の子

(やきいもに だいしょうありて ひとえのこ) 『蒼海』3号 堀本裕樹主宰 選 「一重瞼の子」を「一重の子」としてよかったのか、投句後も悩みました。子供がじぃっと焼き芋を見ている感じ。

湯屋を出て北の夜空へ大嚏

(ゆやをでて きたのよぞらへ おおくしゃみ) 俳句界2018年11月号応募句目からウロコの!俳句添削教室長嶺千晶先生 選 合格句 俳句界への投句は2016年の7月末が最初でしたが、俳句添削教室は今回が初めての投句です。「せっかくの投句葉書がもったいない!」…

着ぶくれて鬼となりたる鬼ごつこ

(きぶくれて おにとなりたる おにごっこ) 俳句界2018年11月号応募句俳句トーナメント堀本裕樹先生 選 佳作 今月も堀本先生の選に入ってひたすら嬉しいです。(お情けで採ってもらえてるのかも...)

さびしさをうちあけられず雪うさぎ

(さびしさを うちあけられず ゆきうさぎ)俳句ポスト365(第209回 2018年11月15日週の兼題:雪兎)夏井いつき先生 選 人選 相変わらず自選眼なしで投句しておりますが、雪兎からのりピーの『碧いうさぎ』を思い出したり。星の金貨。『あのころのたかおが好…

手のなかのひよこ眠りて厚着の子

(てのなかの ひよこねむりて あつぎのこ)俳句ポスト365(第207回 2018年10月18日週の兼題:重ね着)夏井いつき先生 選 人選 最後に投稿した句を少し修正して投句し直した句でした。ということは、あやうく全没になるところ(?)でした。自分では、可愛い…

初炬燵猫背の似合ふ男かな

(はつごたつ ねこぜのにあう おとこかな)俳句ポスト365(第206回 2018年10月4日週の兼題:炬燵)夏井いつき先生 選 人選 二句人選に採っていただきました。複数句投句し、詩的な句や冒険した句もあった(と思う)のですが、やはり選んでもらった句はパッと…

寸劇の炬燵ひっくり返りをり

(すんげきの こたつひっくり かえりおり)俳句ポスト365(第206回 2018年10月4日週の兼題:炬燵)夏井いつき先生 選 人選 ドリフのコントか、ちゃぶ台返しみたいですね。

便箋をゆつくり開き寒卵

(びんせんを ゆっくりひらき かんたまご) 俳句界2017年11月号応募句雑詠櫂未知子先生 選 特選今瀬剛一先生 選 佳作角川春樹先生 選 佳作 俳句界で初めての特選に!ありがとうございました。選評を引用します。 「寒卵」は何かと取り合わせるのが難しい季語…

瞬きもせずに乳飲む日向ぼこ

(まばたきも せずにちちのむ ひなたぼこ) 俳句界2017年11月号応募句兼題:「瞬」岸本マチ子先生 選 佳作高橋将夫先生 選 佳作

ひとりつきりのシャワールームのラガーかな

(ひとりっきりの シャワールームの ラガーかな) 俳句ポスト365(第185回 2017年11月30日週の兼題:ラグビー)夏井いつき先生 選 人選 今回一つの兼題で初めて2句採っていただきました。少しだけ自信のあった句は没。相変わらず自選眼がございません。

ラグビーやすは左足一閃す

(ラグビーや すわひだりあし いっせんす) 俳句ポスト365(第185回 2017年11月30日週の兼題:ラグビー)夏井いつき先生 選 人選

陽だまりを猫と分け合ひ古日記

(ひだまりを ねことわけあい ふるにっき) NHK俳句さく咲く!平成29年12月放送応募句兼題:日記買ふ櫂未知子先生 選 佳作 最近、困ったときの「猫俳句」になってしまっています。この次の次の兼題でも猫をいれたような...。櫂先生は猫がお好きなので選んで…

探梅へスイッチバック賑はひぬ

探梅へスイッチバック賑はひぬ(たんばいへ すいっちばっく にぎわいぬ) 俳句ポスト365(第184回 2017年11月16日週の兼題:探梅)夏井いつき先生 選 人選 探梅とは 早梅を探って山野を歩き回るのが探梅または探梅行である。名所とされる梅林の花が咲き満ち…