秋 動物

眼鏡てふ明るき窓よ小鳥来る

(めがねちょう あかるきまどよ ことりくる) ふらんす堂通信 178号うづら集 雑詠 西村麒麟先生 選 ずっと以前に作った句を作り直しました。リメイクその1

螇蚸とぶトラックの荷の瓦礫より

(ばったとぶ トラックのにの がれきより) 『蒼海』19号 堀本裕樹主宰 選 この年の台風の強風で、我が家の差し掛けの波板屋根が飛び、大工さんに修理してもらったときの句です。ちょうど新しい火災保険に入り直したところで、大きな額ではなかったのですが…

鳥渡る岬に小さき鉄工所 

(とりわたる みさきにちさき てっこうしょ) 『蒼海』15号 堀本裕樹主宰 選 結社誌15号の推薦三十句に入れていただき、主宰の選後評もいただきました(嬉)

紙皿の焼そばふたつ小鳥くる

(かみざらの やきそばふたつ ことりくる) 『蒼海』15号 堀本裕樹主宰 選

朝鵙や経典の字のくきやかに

(あさもずや きょうてんのじの くきやかに) 『蒼海』15号 堀本裕樹主宰 選

夕暮の市民球場ばつた飛ぶ

(ゆうぐれの しみんきゅうじょう ばったとぶ) ふらんす堂通信 170号花実集 雑詠 髙田正子先生 選

虫の声胸に反戦缶バッジ

(むしのこえ むねにはんせん かんバッジ) ふらんす堂通信 170号花実集 兼題「虫」 髙田正子先生 選

罫薄き便箋みつめ秋の蝶

(けいうすき びんせんみつめ あきのちょうな) 『蒼海』11号 堀本裕樹主宰 選 初案は<罫薄き白き便箋秋の蝶>。中七が詰まり気味と句会で指導を受け、このようになりました。お悔やみの手紙。

潮風に褪せし看板鳥渡る

(あきかぜに あせしかんばん とりわたる) 『蒼海』11号 堀本裕樹主宰 選 このころにちょうど大きな台風が来て、海からの塩害で庭木の枯れたお宅が多く、そんなところから発想を膨らませました。

蹲の水面の空や小鳥来る 

(つくばいの みなものそらや ことりくる) ふらんす堂通信 166号花実集 兼題「小鳥」 髙田正子先生 選 玄関先にめだかを入れた大鉢を置いていらっしゃるお宅が近所にあり、鉢の水に空が映っていたところからの着想でした。

秋蝶の濃き影われに触れゆきし

(あきちょうの こきかげわれに ふれゆきし) あるふぁ俳壇2020年冬号掲載句高野ムツオ先生 佳作 初めての高野先生選が嬉しいです。 まだ夏の日差しが残る9月、一人、坂をのぼっていたときに出逢った蝶のことです。実際には蝶の影が私の脚の影をふわふわと横…

蜩にちちははの声とほくなる

(ひぐらしに ちちははのこえ とおくなる) 角川俳句2019年9月号掲載句令和俳壇 雑詠 朝妻力先生選 佳作 過去の没句(ちなみに、『遠ざかる和音のやうに蜩は』)を作り直しました。同じ視点から作句しているわけですが、推敲の大切さを改めて実感しました。

四分休符下から書いて秋蝶来

(しぶきゅうふ したからかいて あきちょうく) 俳句界2018年9月号応募句俳句トーナメント堀本裕樹先生 選 佳作 少し作為のみえる句だったかも...。 蒼海の主宰であり、私には俳句の師にあたる堀本裕樹さん。出来の悪いときも選に採っていただいて本当に有り…

朝刊のひんやりとして鵙のこゑ

(ちょうかんの ひんやりとして もずのこえ) NHK俳句 平成30年11月放送応募句 兼題:鵙宇多喜代子先生 選 特選・三席 今年2回目のNHK俳句入選でした。『夏料理』に続き、三席にも選んでいただいて驚いています。「縦書きしたときの字の美しさがよかった」と…

はららごの一粒づつの光かな

(はららごの ひとつぶずつの ひかりかな) NHK俳句さく咲く!平成30年10月放送応募句兼題:鮭櫂未知子先生 選 佳作 表現が簡単すぎるのできっとこの句はダメだろう...と思っていました。そこが反省点です。はららごは鮭の傍題。すじこのこと。ばらせば、い…

口笛のやうに鳴き出す法師蝉

口笛のやうに鳴き出す法師蝉(くちぶえの ようになきだす せみほうし) 俳句界2018年7月号応募句俳句トーナメント堀本裕樹先生 選 佳作 全然句ができなくて投句直前にひねりだした句。おまけかな?なんとか採っていただきました。

付箋紙に明日のことなど色鳥来

(ふせんしに あすのことなど いろどりく)俳句ポスト365(第204回 2018年9月6日週の兼題:色鳥)夏井いつき先生 選 人選 複数句投句して、自分でもこの句かなと思っておりました。ちょうど投句の締切が安室奈美恵ちゃんの引退のころで、そんな句も詠んでみ…

旅客機の点滅ゆるく虫時雨

(りょかっきの てんめつゆるく むししぐれ) 俳句界2017年9月号応募句雑詠稲畑廣太郎先生 選 佳作櫂未知子先生 選 佳作西池冬扇先生 選 佳作選に入ったのは7句中2句でした。9月は忙しくて俳句に集中できなかったのもありますが、そんなことは言い訳にはなり…

船を出す鰯の青き時の海

(ふねをだす いわしのあおきときのうみ) 俳句ポスト365(第177回 2017年7月27日週の兼題:鰯)夏井いつき先生 選 人選 計6句を投句。

かなかなや四十路の恋の終の事

(かなかなや よそじのこいの ついのこと) 俳句ポスト365(第175回 2017年6月29日週の兼題:蜩)夏井いつき先生 選 人選 計7句を投句。初の恋句が選に入りました。しかし終わった恋といふ...。

つうとゆく朝の風なり赤とんぼ

(つうとゆく あさのかぜなり あかとんぼ)

啄木鳥の鳴き声近し森深し

(きつつきの なきごえちかし もりふかし) 俳句ポスト365(第152回 2016年7月21日週の兼題:啄木鳥)に投句し、人選にとっていただきました。人選の62番目でした。計6句を投句。

鵙の贄まつたき空の青きこと

(もずのにえ まったきそらの あおきこと)俳句ポスト365(第151回 2016年7月7日週の兼題:鵙の贄)に投句し、人選にとっていただきました。人選の33番目でした。計6句を投句。

柿色の雲のあたりや鳥渡る

(かきいろの くものあたりや とりわたる)