ヘリ轟音薄氷朝日ごと割るる

(ヘリごうおん うすらいあさひごと わるる)

『蒼海』9号 堀本裕樹主宰 選

十句投句中の一番初めの句。どうしても言葉が定まらず、提出直前まで投句用紙を何度も書き直した句でした。
海光集(六句欄以降推薦句)で曲風彦さんに身に余る素敵な鑑賞文をいただきました。軍用機のヘリコプターの景と捉えて「希望に満ちた朝日が割れるとき、そこはかとなく戦争の足音が聞こえてくるようだ」と読んでくださり、作者の意図以上に深みのある句となりました。作者自身の気づかない点に気づかせてくださった優れた読みに感謝しております。途中で作句を諦めかけた句でしたので嬉しさはひとしおです。ありがとうございました。

曲風彦さん、栄えある第一回蒼海賞のご受賞おめでとうございました。心よりお祝いを申し上げます。