晩春

か弱きを残し猫の子譲りけり

(かよわきを のこしねこのこ ゆずりけり) 『蒼海』21号 堀本裕樹主宰 選 叔父宅で保護猫が子どもを4匹産み、3匹は新しい飼い主さんのもとへ、残る1匹と母猫は叔父のもとで飼われることになりました。子猫が産まれたときに私も見せてもらいました。 21号は…

父の背を起こし窓辺の飛花落花

(ちちのせを おこしまどべの ひからっか) 『蒼海』21号 堀本裕樹主宰 選 初案は<背を起こし病窓の飛花落花かな>でしたが、句会に出した際、「自分で背を起こしたのか人に起こしてもらったのかが曖昧」と主宰からご指摘をいただき、再考した句です。なの…

花時の肩の触れあふ立ち飲み屋

(はなどきの かたのふれあう たちのみや) 『蒼海』21号 堀本裕樹主宰 選 空港にほど近い場所に住んでおり、空港内にある角打ちがお気に入りで、時々平日昼間からふらっと立ち寄ることがありました。コロナ禍以降は行けておらず、再訪したいです!花時は桜…

豆の花娘夫婦と暮らし初む

(まめのはな むすめふうふと くらしそむ) 『蒼海』21号 堀本裕樹主宰 選 ご近所の方が昨年から娘さん夫婦と同居されることになり、一緒に家庭菜園などされている姿を見て作った句です。以前にスナップエンドウをいただいたことがあり、それがとても美味し…

風はらむシーツ憲法記念の日

(かぜはらむシーツ けんぽうきねんのひ) 角川俳句2023年9月号掲載句令和俳壇 雑詠 星野高士先生 佳作 櫂未知子先生 佳作 巨船まだ白し憲法記念の日 櫂未知子櫂先生の句の、白いものとの取り合わせに惹かれ、句のリズムも参考にして作った句です。

よくしやべる鍵つ子同士蝌蚪の国

(よくしゃべる かぎっこどうし かとのくに) 角川俳句2023年8月号掲載句令和俳壇 雑詠 井上康明先生 秀逸 私は鍵っ子ではありませんでしたが、とても気の合う鍵っ子の同級生がいて、下校時に二人だけでおたまじゃくしのいる池などに行った思い出を詠んでみ…

ほろほろと花ひとひらのとこしなへ

(ほろほろと はなひとひらの とこしなえ) 『蒼海』17号 堀本裕樹主宰 選 俳句をはじめ詩歌で花といえば桜の花。 「とこしなえ」は、ながく変わらないさま。永久不変であるさま。いつまでも同じ状態で続くさま。永久。