銀杏散るゲーテ詩集の一篇に

(いちょうちる ゲーテししゅうの いっぺんに)

『蒼海』11号 堀本裕樹主宰 選

ゲーテ詩集に「銀杏の葉」という詩があります。

 「銀杏の葉」

東洋からはるばると
わたしの庭にうつされたイチョウの葉は
賢い者のこころをよろこばせる深い意味をもっている
これはもともと一枚の葉が二つに分かれたのでしょうか?
それとも二枚の葉が互いに相手を見つけて
ひとつになったのでしょうか?

このようなことを思っているうち
わたしはこの葉の本当の意味が分かったと思いました。
あなたはわたしの歌をきくたびにお感じになりませんか
わたしが一枚でありながら
あなたと結ばれた二ひらの葉であることを・・・