2019-01-01から1年間の記事一覧

ちりちりとフィルムを巻いて夕芒

(ちりちりと フィルムをまいて ゆうすすき) NHK俳句さく咲く!令和元年9月放送応募句兼題:芒堀本裕樹先生 選 佳作 母の退院に備えて急遽一部屋整理しました。自分一人の手には負えなかったのであっさり業者に依頼しましたが...。そのときに父の古いカメラ…

諸事終へて二百十日の夕餉かな

(しょじおえて にひゃくとうかの ゆうげかな) NHK俳句 令和元年9月放送応募句兼題:厄日宇多喜代子先生 選 佳作 季語は二百十日、厄日、二百二十日。立春から数えて二百十日めの意で、九月一日ごろ。「二百二十日」とともに台風が襲来することが多い時期で…

秋の夜の裸婦の油絵古びゆく

(あきのよの らふの あぶらえ ふるびゆく) まのあたり句会 2019.9.1(日)野口る理さん 並選 少し前になりますが、久しぶりに東京の句会に参加してきました。8月31日に「いるか句会」、9月1日に「まのあたり句会」です。この回のまのあたり句会の講師が、…

仙人掌の花冠や西に土星

(さぼてんの はなかんむりや にしにどせい) 『蒼海』5号 堀本裕樹主宰 選 夏の夜空に土星がみえるとしたら、深夜3時頃でしょうか。 5号は10句中7句掲載という成績でした。6句、7句をうろうろという感じです。改めてみると植物の季語ばかりで反省。自分で…

あぢさゐや往復書簡てふ形

(あじさいや おうふくしょかんちょう かたち) 『蒼海』5号 堀本裕樹主宰 選 当初、この句はあじさい以外の季語でした。春の季語の「鳥の恋」だったかな。投句時期が5月15日頃で、季節先取りで夏の季語を少し増やしたいなと、季語をチェンジしたように思い…

馥郁と白薔薇の風マリア像

(ふくいくと しろばらのかぜ マリアぞう) 『蒼海』5号 堀本裕樹主宰 選 「馥郁と」という措辞を使ってみたくて...からの作句です。そうしましたら、蒼海5号の対談が主宰×日下野由季さん×堀切克洋さんでびっくり!日下野さんの第二句集のタイトルが『馥郁』…

百合ひらく洗礼式の朝が来て

(ゆりひらく せんれいしきの あさがきて) 『蒼海』5号 堀本裕樹主宰 選 植えた覚えのないものが庭に咲くことって結構ありますよね。わが家も植えた覚えのない百合が勝手口のコンクリートの隙間に毎年咲いてくれます。

葉桜や菩提寺の風ふくらみぬ

(はざくらや ぼだいじのかぜ ふくらみぬ) 『蒼海』5号 堀本裕樹主宰 選葉桜の中の無数の空騒ぐ 篠原梵この頃、小澤實さん著の『名句の所以』を読んでおりました。俳句あるふぁ2019年春号に小澤さんと堀本主宰の対談記事があり、篠原梵の葉桜の句についての…

虻騒ぐ五重塔の高みかな

(あぶさわぐ ごじゅうのとうの たかみかな) 『蒼海』5号 堀本裕樹主宰 選 5月の大型連休に唯一出かけたのが山口市の瑠璃光寺。句材を求めてです。結局この一句しかできませんでした。一人蕎麦屋に入り、盛りと冷や酒をいただいて帰りました。そのことも詠…

夏蜜柑剥くのが好きで世話焼きで

(なつみかん むくのがすきで せわずきで) 『蒼海』5号 堀本裕樹主宰 選 母の療養に絡めての句作が続いて恐縮ですが、去年から食が細くなってしまった母。何か少しでも口にできるものはないかと、好物の果物を買ってきてはせっせと剥いてあげる日々が続きま…

林檎もて心室の孔塞がうか

(りんごもて しんしつのあな ふさごうか) 角川俳句2019年10月号掲載句令和俳壇 題詠「心」 夏井いつき先生選 特選 まさかまさかまさかの特選でした。しかも一席なのだそうです。こんなに素晴らしい鑑賞文をいただいて身に余る光栄です。6月末の応募句なの…

いつせいにバタ足進む初プール

(いっせいに バタあしすすむ はつプール) 俳句界2019年6月号応募句目からウロコの!俳句添削教室長嶺千晶先生 選 添削 初めて添削をいただきました。嬉しいです\(^o^)/《添削》いつせいにバタ足進みプール燦 「燦」なんて自分では絶対に思いつきません✨…

青鷺やひとりぼつちの下校どき

(あおさぎや ひとりぼっちの げこうどき) 俳句界2019年6月号応募句俳句トーナメント堀本裕樹先生 選 佳作 久しぶりのトーナメント選でした。近所を散歩中、よく鷺に出会います。いきなり出くわしてお互いに吃驚します。

ほたる手にはにかんでゐる転校生

(ほたるてにはにかんでいる てんこうせい) 俳句界2019年6月号応募句雑詠山尾玉藻先生 選 秀逸茨木和生先生 選 佳作 ラジオまどんなの兼題「蛍」の没句を作り直しました。没句供養できました。

病床の母残し来てソーダ水

(びょうしょうの ははのこしきて ソーダすい) 俳句界2019年6月号応募句雑詠今瀬剛一先生選 佳作西池冬扇先生 選 佳作 母入院中の句です。母がリハビリ室や検査室に行っている間、ドトールでカフェオレを飲んで一息つくのが日課でした。

片恋の子の縫ひあげし浴衣かな

(かたこいの このぬいあげし ゆかたかな) NHKラジオ 文芸選評 令和元年7月放送応募句 兼題:浴衣西村和子先生 選 佳作 文選は投句できていない月もあるのですが、3月の兼題「雛あられ」に続いて二度目の佳作!嬉しいです。 被服学科卒で現在家庭科の教員を…

踊下駄カツンとひとつ鳴らしけり

(おどりげた カツンとひとつ ならしけり) NHK俳句さく咲く!令和元年8月放送応募句兼題:踊堀本裕樹先生 選 佳作 踊は毎年どこかで兼題として出され、私には苦手意識が強い兼題です。そのうえこのごろは投句数を減らし、「もしなんとか選んでいただけるの…

和草に濡るるくるぶし精霊舟

(にこぐさに ぬるるくるぶし しょうりょうぶね) NHK俳句 令和元年8月放送応募句兼題:灯籠流し井上弘美先生 選 佳作 和草(にこぐさ)は、「葉や茎の柔らかい草」のこと。一説には「箱根羊歯(はこねしだ)」の古名とも。和(にこ)が笑う、にっこりするこ…

銀匙の光を添へてシャーベット

(ぎんさじの ひかりをそえて シャーベット) あるふぁ俳壇2019年秋号掲載句井上弘美先生 入選 今年の春号から三度目の投句。井上先生は今号からの選者で、思いがけず入選をいただきました。この句は6月12日の、母が手術室から戻ってくるまでの待機時間に作…

洗面の朝の湖畔や霧走る

(せんめんの あさのこはんや きりはしる)NHK松山放送局 ラジオまどんな句会 2019.9.5(木)兼題:霧神野紗希さん選 秋の季語『霧』。今年の俳句甲子園の決勝リーグの兼題でした。紗希先生からのメッセージは、「世界をおおいかくしてしまう霧。その不安を…

羽根のない扇風機居間他人めく

(はねのないせんぷうき いまたにんめく) 角川俳句2019年9月号掲載句令和俳壇 雑詠 小林貴子先生選 佳作 三句投句のうち残り一句がなかなか思いつかず、苦し紛れに作った句ではあったのですが、評価していただけて本当に嬉しいです。小林先生の選は初めてで…

さくらんぼを食む子前髪みじかけれ

(さくらんぼを はむこまえがみ みじかけれ) 角川俳句2019年9月号掲載句令和俳壇 雑詠 対馬康子先生選 佳作 前号に続き対馬先生の選に入って感激です。チコちゃんを見て思いついた句でもないのですが(笑)、以前からさくらんぼで可愛い句を作ってみたいと思…

蜩にちちははの声とほくなる

(ひぐらしに ちちははのこえ とおくなる) 角川俳句2019年9月号掲載句令和俳壇 雑詠 朝妻力先生選 佳作 過去の没句(ちなみに、『遠ざかる和音のやうに蜩は』)を作り直しました。同じ視点から作句しているわけですが、推敲の大切さを改めて実感しました。

青胡桃古き詩集の話など

(あおくるみ ふるきししゅうの はなしなど) 俳句界2019年5月号応募句雑詠加古宗也先生 選 佳作佐藤麻績先生 選 佳作 季語を『青胡桃』にしようか『青林檎』にしようか悩みました。今月号は雑詠2句のみ。個人的に気に入っていた句はすべて没。相変わらずの…

広々と杜若ゆれ風生まる

(ひろびろと かきつばたゆれ かぜうまる) 俳句界2019年5月号応募句雑詠有馬朗人先生 選 佳作 地元のカキツバタ群生地。強い風雨に杜若が一枚の波のように揺れていました。

夏の月主治医に脈をとられゐて

(なつのつき しゅじいにみゃくを とられいて)NHK松山放送局 ラジオまどんな句会 2019.8.20(月)兼題:夏の月/冷蔵庫/毛虫神野紗希さん選 今月の放送は俳句甲子園スペシャル!ということで、今年度の俳句甲子園の兼題であった『夏の月』、『冷蔵庫』、『毛…

生きたしと手術前夜の暑さかな

(いきたしと しゅじゅつぜんやの あつさかな) NHK俳句さく咲く!令和元年7月放送応募句兼題:暑さ堀本裕樹先生 選 佳作 こんな句もありでしょうか。母の手術の2日前が『暑さ』の投句締切日でした。元気になるための手術とはいえ、高齢の母にはそれなりの覚…

竹筒の酒さらさらと鱧料理

(たけづつの さけさらさらと はもりょうり) NHK俳句 令和元年7月放送応募句兼題:鱧井上弘美先生 選 佳作 鱧。食べる機会は少ないですが、淡路島産の玉ねぎと一緒に煮こんだ鱧すき鍋をいただいたときの感動はいまだ忘れられません。アラの旨味と玉葱の甘み…

醤油屋の軒先揺るる蛍籠

(しょうゆやの のきさきゆるる ほたるかご) ふらんす堂通信 161号花実集 雑詠 髙田正子先生 選 県内に蛍籠飾りで町おこしをしている蛍の観賞地があり、そこからの作句です。投句したあとで、『単に蛍籠という季語の説明になっているかも...』と思いました…

夏野ゆく父子揃ひのスニーカー

(なつのゆく ちちこそろいの スニーカー) ふらんす堂通信 161号花実集 雑詠 髙田正子先生 選 花実集には兼題を含め五句投句できるのですが、そのうち一句は必ず掲載してもらえるそうです。今号は前回に続き二句掲載でした。次は前進できるといいな。 夏野…