2019-01-01から1年間の記事一覧

横たはる人骨やはらかい干潟

(よこたわるじんこつ やわらかいひがた) 角川俳句2019年8月号掲載句令和俳壇 雑詠 対馬康子先生選 推薦 まさかまさかの『推薦』です。しかも対馬先生!「過去全没の今井聖先生の選に入るのが当面の目標」と前回書きましたが、対馬先生も(地味句の)私にと…

シャンパンを冷やす女ら夏の川

(シャンパンを ひやすおんなら なつのかげ) 角川俳句2019年8月号掲載句令和俳壇 題詠「川」 夏井いつき先生選 秀逸 こちらもまさかまさかの夏井先生選の秀逸でした。角川俳句は今年から定期購読しているのですが、届くのは早くても発売日の午後、今号に至…

短夜や北欧製の父の椅子

(みじかよや ほくおうせいの ちちのいす) 俳句界2019年4月号応募句目からウロコの!俳句添削教室長嶺千晶先生 選 合格句 久しぶりの、3回目の添削教室合格句です。嬉しい♪ 昨年、『デーンマーク・デザイン展 ヒュゲのかたち』で素敵な椅子たちを観て以来、…

朧夜の改札口を出れば海

(おぼろよの かいさつぐちを でればうみ) 俳句界2019年4月号応募句雑詠古賀雪江先生 選 佳作夏石番矢先生 選 佳作 一駅だけですが、地元のローカル線に海の見える駅があります。句友の鶏侍さんのお話では、神戸の塩谷駅が拙句のような駅だとか...。素敵で…

いつも来る魚商の女春セーター

(いつもくる ぎょしょうのおんな はるセーター) 俳句界2019年4月号応募句雑詠櫂未知子先生 選 佳作 地元はほぼシャッター街ですが、先日商店街を歩いていたときに、魚売りの女性をみかけました。通りに魚をならべ、小さな折りたたみ椅子に腰掛けてうつむき…

春分のふくらんでゐる地球かな

(しゅんぶんの ふくらんでいる ちきゅうかな) 俳句界2019年4月号応募句雑詠茨木和生先生 選 佳作 『もしかしたら類想句があるかも?』と思いつつ作りましたが、自分では気に入っています。

花合歓の糸電話より妻の声 

(はなねむの いとでんわより つまのこえ) 俳句界2019年4月号応募句兼題:「声」岸本マチ子先生 選 佳作 今号は苦手な兼題が二句とも佳作選で嬉しい。奇しくも、どちらの句も中七~下五にかけて「より○の声」という措辞になりました。 合歓の花はこんな花で…

喜雨来る空深きより神の声

(きうきたる そらふかきより かみのこえ) 俳句界2019年4月号応募句兼題:「声」大高霧海先生 選 佳作 単純に季語のイメージから作句しました。 喜雨 晩夏の季語。夏の日照りが続いたあとの、待ちに待った雨である。人はもちろん、作物や植物にも喜びを与え…

玉葱や高層階に軒のなし

(たまねぎや こうそうかいに のきのなし) NHK俳句 平成31年6月放送応募句兼題:玉葱長嶋有先生 選 佳作 長嶋有選は初めてです。最終回までご縁がないのではないかと思っていました。嬉しいです。 『玉葱』は難しかった(『玉葱』も、ですね)。類句に陥る…

虹立ちて青空磨く仕事して

(にじたちて あおぞらみがく しごとして)俳句新聞いつき組 19号 虹の座決定戦(2019年7月掲載分 )夏井いつき先生 選 秀逸 1年間だけ購読することにした『俳句新聞』。今回は秀逸でした。一歩前進が嬉しいです(^^)

左岸なる神社の森へ残り鷺

(さがんなる じんじゃのもりへ のこりさぎ) 『蒼海』4号 堀本裕樹主宰 選 句材を探しに市街地を流れる川沿いを散策。そこの船溜まりは小学生のときの写生大会のお約束の場所でした。課外授業は楽しかったけど船の絵を描くのは難しくて。散歩中実際に居たの…

冬ざれに小栴檀草火花爆ず

(ふゆざれに こせんだんぐさ ひばなはず) 『蒼海』4号 堀本裕樹主宰 選 近くの空き家に咲いていた小栴檀草の花後の痩果を詠んでみました。いわゆるひっつき虫です。当初「花火」を比喩として使っていたのですが、「火花」のほうが勢いがあってよいかなと作…

白鳥の胸へ盬投ぐ告知の日

(はくちょうの むねへしおなぐ こくちのひ) 『蒼海』4号 堀本裕樹主宰 選 自分の経験から詠んだ句ではなく、亡き同級生のことを思い出して...。鹽は塩の旧字体、繁体字。

煮凝や熱の子の目のうるみゐて

(にこごりや ねつのこのめの うるみいて) 『蒼海』4号 堀本裕樹主宰 選 結社誌に食の句を入れるのは楽しみのひとつです。拙句は食の季語「煮凝」との単純な取り合わせですが。「『煮凝や』と詠嘆してよかったのかな...」と投句後に考えてしまいましたが、…

オリオンの和音のやうな星の粒 

(オリオンの わおんのような ほしのつぶ) 『蒼海』4号 堀本裕樹主宰 選 可愛らしい句になったでしょうか♪ちなみに「和音のやうな」という比喩は以前に別の投句で使いましたが、そちらは没でした(涙)

グラウンドいつぱいに守備揚雲雀

(グラウンド いっぱいにしゅび あげひばり) 『蒼海』4号 堀本裕樹主宰 選 わが家の裏手にある小学校。土日は少年野球チームが校庭で練習をしています。そんなのどかな風景からの作句です。 4号は10句中6句掲載という成績でした。一歩後退です。採られなか…

産直の野菜や春を追ひかける

(さんちょくの やさいや はるをおいかける) 俳句界2019年3月号応募句ここを直せば入選能村研三先生 3年間俳句界への投句を続け、この欄に掲載していただくのは初めてです。貴重な添削をいただき、お得感たっぷりです(笑) 春が近づくにつれ色とりどりの季節…

連翹や庭に光の集まり来

(れんぎょうや にわにひかりの あつまりく) 俳句界2019年3月号応募句雑詠角川春樹先生 選 佳作古賀雪江先生 選 佳作 桜の頃、桜の少し前かな、散歩で通りがかるお宅の庭に連翹がありまして、見るたびにその黄の眩しさを愛でていたのでした。 そして、山口…

薄紙に蝶の骸の美しく

(うすがみに ちょうのむくろの うつくしく) 俳句界2019年3月号応募句雑詠櫂未知子先生 選 佳作佐藤麻績先生 選 佳作 ふらりと立ち寄った地元の博物館で蝶の標本展示を見て一句作りたいなと思い、出来た句です。採取された蝶が三角紙に包まれている、標本前…

美術展窓いつぱいの木の芽晴 

(びじゅつてん まどいっぱいの このめばれ) 俳句界2019年3月号応募句兼題:「美」岸本マチ子先生 選 佳作名和未知男先生 選 佳作 珍しくわたくしが兼題で複数の選者の選に入るとは!感激です。 木の芽晴 さまざまな木が芽吹く頃のこと。微妙な遅速はありな…

藤房のひとつひとつの影ゆるる

(ふじふさの ひとつひとつの かげゆるる) 角川俳句2019年7月号掲載句令和俳壇 雑詠 嶋田麻紀先生選 佳作 岩岡中正先生選 佳作 星野髙士先生選 佳作 以前に岸本尚毅先生の埋字で採っていただいたことはあるのですが、題詠/雑詠は令和俳壇になってから投句し…

風吹けり農業女子に乙鳥に

(かぜふけり のうぎょうじょしに つばくろに) あるふぁ俳壇2019年夏号掲載句 前回に続き予備選に入りました。俳句ポストの兼題『菠薐草』で没になった句を作り替えたものです。

旅僧の触るる牡丹に月の色

(たびそうの ふるるぼたんに つきのいろ) NHK俳句さく咲く!令和元年5月放送応募句兼題:牡丹堀本裕樹先生 選 佳作 それなりに考えたのですが。はい、古臭い句です(汗) いつの時代の句かな(笑)堀本先生ありがとうございました。

罌粟坊主尻ポケットに日刊競馬

(けしぼうず しりポケットに にっかんけいば)俳句ポスト365(第219回 2019年4月18日週の兼題:罌粟坊主)夏井いつき先生 選 人選 罌粟坊主。罌粟の花の散ったあとの球形の実で、風に揺れる様がユーモラスであることから、罌粟坊主と親しみをこめて呼ぶ(俳…

湯屋のまえ星のゆあんとひきがへる

(ゆやのまえ ほしのゆあんと ひきがえる)俳句ポスト365(第218回 2019年4月4日週の兼題:蟇)夏井いつき先生 選 人選 ひきがへるは漢字でもよかったかな。少し前から『湯屋』という言葉が気に入っていて時々使ってしまいます。二句人選に採ってもらえて嬉…

臍の緒を岸辺につなぐ蟇

(へそのおを きしべにつなぐ ひきがえる)俳句ポスト365(第218回 2019年4月4日週の兼題:蟇)夏井いつき先生 選 人選 『トノサマガエル アマガエル カエルにいろいろあるけれど...♪』ということで、蛙という季語も春の蛙、夏の雨蛙・青蛙、河鹿(かじか)…

星々の賑はひめける火の用心

(ほしぼしの にぎわいめける ひのようじん) 第二十回 虚子・こもろ全国俳句大会 選外 三句一組・雑詠で今年の1月10日が投句締切でした。5月下旬に作品集が送付されるとのことで昨日6月7日に届きました。入選の場合は事前通知があるので拙句が選外であるこ…

蛍火を一粒もらふ真珠婚

(ほたるびを ひとつぶもらう しんじゅこん)NHK松山放送局 ラジオまどんな句会 2019.6.3(月)兼題:蛍神野紗希さん選 紗希先生からの蛍を詠むときのポイントは、 蛍は、はかない命や恋の象徴として和歌に詠み継がれてきた、伝統的な季語です。蛍の背負う重…

マドレーヌしつとり焼けて春の雨

(マドレーヌ しっとりやけて はるのあめ) 俳句界2019年2月号応募句俳句トーナメント佐久間慧子先生 選 2回戦敗退堀本裕樹先生 選 佳作 久しぶりのトーナメント進出\(^o^)/でも相変わらずの2回戦敗退\(^o^)/今月も主宰の選をいただくことができ、幸せで…

菜箸の左右のぴたりと木の芽和

(さいばしの さうのぴたりと きのめあえ) 俳句界2019年2月号応募句雑詠今瀬剛一先生 選 佳作櫂未知子先生 選 佳作 左右を「さう」と読むのがポイントです(^_^)b(大げさか?)