句会ライブと岸田劉生展

土曜日は山口市で開催された夏井いつきさんの句会ライブに参加してきました。
夏井先生のブログに写真付きで記事がアップされておりましたのでお借りします(→こちら)。ステージ左側の階段のところに黒い頭がぼこっと写っているのが私かな。5月の周南句会ライブに続き、今回も最前列です。
参加者全員が5分で即興で作った句から決勝七句が選ばれます。七句をここにアップするのは控えますが、挙手で私が選んだ句は『ふくらはぎ』という身体の一部を入れた句。「あわてて『ふくらはぎ』と書いてしまったが、本当は別の部位でした」と作者は仰っていましたが、『ふくらはぎ』としたことで俗っぽさが薄れ、とても素晴らしい句に仕上がっておりました。お上手だなと思ったらやはり句歴のある方でした。

句会ライブの前には、山口県立美術館で開催されている「没後90年記念 岸田劉生展」を観てきました(→こちら)。
『麗子微笑』が有名ですが、《道路と土手と塀(切通之写生)》などのこちらに迫り来るような迫力ある筆致の風景画や、《壺の上に林檎が載って在る》などの静物画に特に魅了されました。いずれもシンプルな題材ですが、単なる写実にとどまるものではありません。自然物象の美に媒介されながらそこに何かを見出し表現することは、俳句に大いに通ずるものだと鑑賞しながら触発されました。

 「僕の絵はクラシツクの模倣ではない。僕の自己がクラシツクの求めたものと同じものを求めるのだ」(岸田劉生

野外彫刻が並ぶ中庭を眺めながら、美術館併設のカフェで昼食をとりました。春は桜、初夏は青葉が美しい庭です。次は雪の庭をみてみたいです。

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美しき冬木。群生する石蕗と蝶と花虻

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恒例のサイン会。麗子和三宝は繊細な口どけ。