俯せの骸の鴉灼かれたり

(うつぶせの むくろのからす やかれたり)

『蒼海』6号 堀本裕樹主宰 選

実景です。炎天下、道端に動かぬ一羽の鴉が居て、近寄るとそれはすでに亡骸(なきがら)でした。その姿は両腕を広げた黒いキリストが真夏の太陽にじりじりと灼かれているかのようでした。

この句で初めて主宰の推薦三十句に入りました。ありがとうございました。