2023-01-01から1年間の記事一覧

春愁や焼香のごと塵つまみ

(しゅんしゅうや しょうこうのごと ちりつまみ) ふらんす堂通信 176号花実集 雑詠 髙田正子先生 選 ほら、我が家は障子の桟とか、埃が結構たまっているから😅

澄ましたる女雛に髪の乱れかな

(すましたる めびなのかみに みだれかな) ふらんす堂通信 176号花実集 兼題『雛』 髙田正子先生 選 久しぶりにお雛様を出して飾ったら、前回仕舞ったときの薄紙の巻き方が悪かったみたいで、女雛の頭が寝癖みたいになっていました😅

星きれいなんまらきれい冬至の湯

(ほしきれい なんまらきれい とうじのゆ) 『蒼海』19号 堀本裕樹主宰 選 ドキュメント番組で耳にした「星なまらきれい」という言葉が心に残り、作った句です。私にとってはチャレンジ句でした。「なまら」は北海道弁で「とても」。「なまら」を強調すると…

栗飯を膝に離郷の夜行バス

(くりめしを ひざにりきょうの やこうバス) 『蒼海』19号 堀本裕樹主宰 選 秋はどうしても郷愁の句になってしまう。

ハモニカを秋の渚にでたらめに

(ハモニカを あきのなぎさに でたらめに) 『蒼海』19号 堀本裕樹主宰 選 なぜ「でたらめに」なのか。なんとなくです。

大南瓜転がす父の忌が近し

(おおかぼちゃころがす ちちのきがちかし) 『蒼海』19号 堀本裕樹主宰 選 父は農業を営んでいたわけではなく、私も南瓜を転がした経験はないのですが、父の命日が秋なので詠んでみました。

聖書閉ぢ小さき秋灯のみ点す

(せいしょとじ ちさきしゅうとう のみともす) 『蒼海』19号 堀本裕樹主宰 選 聖書を読み終えて天井灯を消し、手元、枕元の小さな灯りのみを点ける。そして心にぽっと灯るもの。そんなイメージの句です。

奥の間の僧の亡骸雨月なる

(おくのまの そうのなきがら うげつなる) 『蒼海』19号 堀本裕樹主宰 選 お盆の法要でお寺にいったとき、前日に前住職(私が通っていた保育園の当時の園長先生)が亡くなられたと聞き、帰り際にご遺体の安置されている部屋に案内していただき、お別れをさ…

螇蚸とぶトラックの荷の瓦礫より

(ばったとぶ トラックのにの がれきより) 『蒼海』19号 堀本裕樹主宰 選 この年の台風の強風で、我が家の差し掛けの波板屋根が飛び、大工さんに修理してもらったときの句です。ちょうど新しい火災保険に入り直したところで、大きな額ではなかったのですが…

跪き墓拭き上ぐる終戦日

(ひざまずき はかふきあぐる しゅうせんび) 『蒼海』19号 堀本裕樹主宰 選 真夏の炎天下、半袖開襟スクールシャツの男子がアスファルトの道端にひざまずき、道路工事の迂回図の看板をしげしげと見ていたのです。そこから地面に直接ひざまずくことって日常…

春の日の象のお尻に小さき椅子

(はるのひの ぞうのおしりに ちさきいす) 第24回 NHK全国俳句大会入選(第一次選考入選) 佳作以上に残れず残念。賞状なし!でも年末ジャンボ宝くじ的な楽しみで投句しているからいいの♡ 今年は35,088句から第一選考通過が7,007句。 ---------------------…

春の夢覚むる間際のサランヘヨ

(はるのゆめ さむるまぎわの サランヘヨ) 句具ネプリ-2023春分- この頃、韓国ドラマにはまっていたのだと思う。トッケビとか。

冠脱ぎし女王の肩へ冬の蝶

(かんぬぎし じょおうのかたへ ふゆのちょう) 句具ネプリ-2022冬至- エリザベス女王の逝去を受けて。

椎茸にちりりと醤油かけてやる

(しいたけに ちりりとしょうゆ かけてやる) 句具ネプリ-秋分- 既発表句で初めて参加させていただきました。

雨の香の残る大根引きにけり

(あめのかの のこるだいこん ひきにけり) 角川俳句2023年5月号掲載句令和俳壇 雑詠 星野高士先生 秀逸 五十嵐秀彦先生 佳作 白岩敏秀先生 佳作 櫂未知子先生 佳作 類想がありそうといわれた句でしたが、久しぶりの共選!嬉しいです!

ぴんと張る聖夜の白き卓布かな

(ぴんとはる せいやのしろき たくふかな) 角川俳句2023年4月号掲載句令和俳壇 雑詠 櫂未知子先生 佳作 久しぶりに櫂先生に採っていただいて嬉しいです!

夏休間近に来たる転校生

(なつやすみ まぢかにきたる てんこうせい) 『蒼海』18号 堀本裕樹主宰 選 中学時代の思い出から。中途半端な季節に転校してきていつの間にかまたどこかへ転校していった同級生のことを詠んでみました。 18号は8句掲載でした。そして巻頭4席でした\(^o^)/…

吾の前を猫またぎゆく茅の輪かな

(あのまえを ねこまたぎゆく ちのわかな) 『蒼海』18号 堀本裕樹主宰 選 近所の神社に立ち寄ったらまだ茅の輪が残っていて、ラッキー!と誰もいない神社で一人くぐりました♾️。野良猫が何匹も棲み着いている神社なので猫も詠んでみました。

集金の去りぎは金魚寄つて来し

(しゅうきんの さりぎわきんぎょ よってきし) 『蒼海』18号 堀本裕樹主宰 選 この句を作ったとき、自治会の班長をしておりまして。自治会費を集金しにとある家を訪ねた際、玄関先の鉢の金魚がぱくぱくと寄ってきたという実景句です。

遅れ来て扇子せつせと使ひをる

(おくれきて せんすせっせと つかいおる) 『蒼海』18号 堀本裕樹主宰 選 私が超暑がり💦で、どこに行っても扇子をぱたぱたしているので、そんなところから作ってみた句でした。

船降りて祭の団扇すぐもらふ

(ふねおりて まつりのうちわ すぐもらう) 『蒼海』18号 堀本裕樹主宰 選 初案は「渡船降り祭の団扇もらひけり」。「上五が若干説明的。下五の"けり"で格調の高い句にしても悪くはないが、この句は滑稽味が欲しい」と主宰よりアドバイスをいただきました。…

青梅雨やキリン舎前の献花台

(あおつゆや キリンしゃまえの けんかだい) 『蒼海』18号 堀本裕樹主宰 選 県内の動物園でキリンが亡くなり、献花台が設けられていたのを見て作った句です。句会で主宰から「青、キリンの黄色、献花の花束の色」の複雑な色彩感覚を評していただいた句でし…

はばからず父の日の父抱きしめむ

(はばからず ちちのひのちち だきしめん) 『蒼海』18号 堀本裕樹主宰 選 韓国ドラマで、認知症のために迷子になってしまった父親を息子が探し当て、泣きながら抱きしめるシーンがあり、そこから作句しました。自分の亡くなった父への想いも込めて...。

夏木立少女の手話に鳥応ふ

(なつこだち しょうじょのしゅわに とりこたう) 『蒼海』18号 堀本裕樹主宰 選 初案では季語を「夏木蔭」としていました。句会で主宰より「木蔭にすると暗くて手話がよく見えないのでは?もっと遠景で詠んだ方がよい」とアドバイスをいただき、下五を含め…

恐竜が尾を振りてゆく大枯野

(きょうりゅうが おをふりてゆく おおかれの) ふらんす堂通信 175号花実集 兼題『枯野』 髙田正子先生 選 今号は5句中3句掲載でした。前号は締切を失念して欠詠(涙)はぁぁぁぁ。ブログをまとめて更新するときつい...。ありがたいことにしばらく仕事が忙…

弁舌の刀の如し寒の水

(べんぜつの かたなのごとし かんのみず) ふらんす堂通信 175号花実集 雑詠 髙田正子先生 選

立冬の酒に神の名ありにけり

(りっとうの さけにかみのな ありにけり) ふらんす堂通信 175号花実集 雑詠 髙田正子先生 選

戯れに父上と呼ぶ榾の宿

(たわむれに ちちうえとよぶ ほたのやど) 角川俳句2023年3月号掲載句令和俳壇 雑詠 小林貴子先生 佳作 たぶん、『鎌倉殿の13人』を観ていて、「父上」って作りたくなったんだろうな(^_^;掲載されなかったら、季語を変えて作り直そうと思っていた句でした。

蟋蟀戸に在り魂よ帰り来よ

(きりぎりすとにあり たまよ かえりこよ) 角川俳句2023年2月号掲載句令和俳壇 雑詠 五十嵐秀彦 佳作 「蟋蟀戸に在り」は七十二候の季語。珍しい季語で、角川俳句大歳時記<秋>にも例句がありません。蟋蟀(秋に鳴く虫の総称)が戸口で鳴くという意味で、…

小春日や色とりどりのジャムの棚

(こはるびや いろとりどりの ジャムのたな) NHK俳句 令和4年5月放送応募句テーマ:屋内または自由題堀本裕樹先生 選 佳作 「れも助」のペンネームで掲載されました。今年度ようやく2回目の掲載~(^_^;