奥の間の僧の亡骸雨月なる

(おくのまの そうのなきがら うげつなる)

『蒼海』19号 堀本裕樹主宰 選

お盆の法要でお寺にいったとき、前日に前住職(私が通っていた保育園の当時の園長先生)が亡くなられたと聞き、帰り際にご遺体の安置されている部屋に案内していただき、お別れをさせていただいたときのことです。

切れを入れていない句の形が、僧が見えない月に変転するような感じ。下五の「雨月なる」は見えない月の丸さ、魂の丸さが感じられると主宰より評をいただきました。 「一円相」を想起させるとのこと。