ハンガーの服くたびれて愛の羽根 

(ハンガーの ふくくたびれて あいのはね) 『蒼海』15号 堀本裕樹主宰 選 15号は8句掲載。そして、巻頭6席でした\(^o^)/

台風の匂ひ来る夜をカミュひらく 

(たいふうの においくるよを カミュひらく) 『蒼海』15号 堀本裕樹主宰 選

鳥渡る岬に小さき鉄工所 

(とりわたる みさきにちさき てっこうしょ) 『蒼海』15号 堀本裕樹主宰 選 結社誌15号の推薦三十句に入れていただき、主宰の選後評もいただきました(嬉)

紙皿の焼そばふたつ小鳥くる

(かみざらの やきそばふたつ ことりくる) 『蒼海』15号 堀本裕樹主宰 選

夕月やシュートの手首やはらかく

(ゆうづきや シュートのてくび やはらかく) 『蒼海』15号 堀本裕樹主宰 選 向かいの家の高校生が帰宅後、庭に設置されたバスケットゴールに向かって毎日シュート練習をしている姿を詠みました。

朝鵙や経典の字のくきやかに

(あさもずや きょうてんのじの くきやかに) 『蒼海』15号 堀本裕樹主宰 選

母のものたたみ一葉よ又一葉

(ははのもの たたみひとはよ またひとは) 『蒼海』15号 堀本裕樹主宰 選 一葉は桐の葉のこと。

新涼や風に目つむる盲導犬

(しんりょうや かぜにめつむる もうどうけん) 『蒼海』15号 堀本裕樹主宰 選母の通院に付き添った際、待合室で私のとなりにやってきた盲導犬。エアコンの効いた涼しい部屋でときおりうとうととする姿が愛らしく詠んでみた句です。

絵筆より光さらさらたんぽぽ黄

(えふでより ひかりさらさら たんぽぽき) ふらんす堂通信 172号花実集 雑詠 髙田正子先生 選 今号は5句中2句掲載でした。

単身の朝桜夕桜かな

(たんしんの あさざくら ゆうざくらかな) ふらんす堂通信 172号花実集 兼題「桜」 髙田正子先生 選

着膨れてきりんにじつと見つめられ

(きぶくれて きりんにじっと みつめられ) ふらんす堂通信 171号花実集 雑詠 髙田正子先生 選 すっかり忘れていて今頃冬の句をUPしました。5句中3句掲載でした。

誰かれも聖夜を歌ふスタアかな

(だれかれも せいやをうたう スタアかな) ふらんす堂通信 171号花実集 雑詠 髙田正子先生 選

報恩講御御足どうかお大事に

(ほうおんこう おみあしどうか おだいじに) ふらんす堂通信 171号花実集 雑詠 髙田正子先生 選 報恩講とは、浄土真宗諸寺で行われる開祖親鸞の忌日法要のことです。私にとっては馴染みのない季語ですが、選者の髙田先生が毎日新聞の俳句コラムでこの季語を…

渡船いま時雨の門司へ入りにけり

(とせんいま しぐれのもじへ いりにけり) 角川俳句2022年4月号掲載句令和俳壇 雑詠 櫂未知子先生選 佳作 最近は、令和俳壇へは、1年に1回、年末ジャンボ宝くじ的に投句しています。雨の門司の町並みに思い入れがあり、作った句でした。

寒の雨庭を眺むるための椅子

(かんのあめ にわをながむる ためのいす) NHKラジオ 文芸選評 令和4年1月8日放送応募句 兼題:寒藤井あかりさん 選 憧れのあかりさんの回でしたので、久しぶりに投句しました(嬉) 以下、放送中の選評の書き起こしです。 家の中に食事をするための椅子とか…

暮れてなほラグビーボール蹴り上ぐる

(くれてなお ラグビーボール けりあぐる) NHK俳句 令和4年1月放送応募句兼題:ラグビー阪西敦子先生 選 佳作 初めていただいた阪西選でした。

気に入りの絵本ひらけば雪蛍

(きにいりの えほんひらけば ゆきぼたる) NHK俳句 令和3年12月放送応募句兼題:綿虫片山由美子先生 選 佳作

神木の祭の風にざわめきぬ

(しんぼくの まつりのかぜに ざわめきぬ) 『蒼海』14号 堀本裕樹主宰 選 「祭」という季語を句中にいれる形で作りました。 14号は8句掲載でした!

口中に蕃茄日向の雨思ふ

(こうちゅうにとまと ひなたのあめおもう) 『蒼海』14号 堀本裕樹主宰 選 トマトの瑞々しさ。

巴里祭のシェフ挨拶に来たまへり

(パリさいの シェフあいさつに きたまえり) 『蒼海』14号 堀本裕樹主宰 選 実際の巴里祭ではなく、上京の折によく連れていってもらうレストランの有名シェフが席まで挨拶にきてくださったときのことを詠みました。

枝の鳥跳ねて石火の百日紅

(えだのとり はねてせっかの さるすべり) 『蒼海』14号 堀本裕樹主宰 選 百日紅の木の傍を通りかかったとき、私の気配に鳥が驚いて飛び立ち、枝が揺れ、百日紅の赤い花びらがばらばらと散ったところを詠みました。14号の主宰推薦30句に選んでいただきまし…

夕涼の天ゆ落ちくる尾羽かな

(ゆうすずの てんゆおちくる おばねかな) 『蒼海』14号 堀本裕樹主宰 選 天ゆの「ゆ」は古語の格助詞で「・・・から」という意味。空から鳥の尾羽が舞い落ちてきたところを詠みました。

梅雨闇の白磁の壺のほの青し

(つゆやみの はくじのつぼの ほのあおし) 『蒼海』14号 堀本裕樹主宰 選 NHKの「美の壺」を観ながら作った句です。

生命線窪ませ小蜘蛛放ちけり

(せいめいせん くぼませこぐも はなちけり) 『蒼海』14号 堀本裕樹主宰 選 家の座敷に小さい蜘蛛がよく出没するのですが、殺すには忍びなく、そっと掌に包んで玄関先に逃がしてやります。

産院の通用口の蔦青し

(さんいんの つうようぐちの つたあおし) 『蒼海』14号 堀本裕樹主宰 選 通院している産婦人科にて。

賽銭の硬き音して秋の暮

(さいせんの かたきおとして あきのくれ) NHK俳句 令和3年10月放送応募句兼題:秋の暮岸本尚毅先生 選 入選 本当に久しぶりのNHK俳句入選で、番組の放送にて紹介していただきました。 選者の講評を引用します。 賽銭箱に硬貨が落ちる音を「硬き音」と詠ん…

野遊やポテトサラダに干ぶだう

(のあそびや ポテトサラダに ほしぶどう) 『蒼海』13号 堀本裕樹主宰 選 野遊(のあそび)は今で言うピクニック? 8句掲載。そして初めて結社誌巻頭に掲載していただきました。四席です。また第二回蒼海賞の発表もあり、拙作品「家族かな」は予選通過とい…

街に雨ふれば水針魚のここちして

(まちにあめ ふればさよりの ここちして) 『蒼海』13号 堀本裕樹主宰 選 季語は水針魚(さより)ですが、比喩として使っているので水針魚の実体がなく、そういう点で自分の中では冒険した句でした。 家々や菜の花いろの灯をともし 木下夕爾 菜の花が季語で…

数Ⅰと表紙に書くやスイートピー

(すういちと ひょうしにかくや スイートピー) 『蒼海』13号 堀本裕樹主宰 選 これも昔を思い出して...。

アネモネの風に折れしを飾りたり

(アネモネの かぜにおれしを かざりたり) 『蒼海』13号 堀本裕樹主宰 選 自分でも気に入っている句です。