2016-01-01から1年間の記事一覧

色づけど鞠になれずや早梅雨

(いろづけど まりになれずや ひでりづゆ) 二年越しに一輪のみ咲きました。手入れが悪いせいか、花の付き方が長細く妙なのです。

残りたる去年の空蝉揺れもせず

(のこりたる こぞのうつせみ ゆれもせず) 昨年から我が家の外壁で飼っている空蝉さんです。

オルガンに面影恋ふや花みかん

(おるがんに おもかげこうや はなみかん) 俳句ポスト365(2016年4月14日週の兼題:蜜柑の花)に初投句。並選にとっていただきました。 ☆没句(落選句)花嫁のにほひたつごと花蜜柑 「ごと」は花蜜柑という名詞にかかるので「ごとき」が正しいのでしょうか。…

君皐月蕾の大人しやかなり

(きみさつき つぼみの おとなしやかなり) 一週間前に通りかかったとき、今にも咲き出しそうな蕾だったサツキ。少し大人びた中学生とすれ違った朝のことです。たぶん駄句。だけど残しておきます。

雨後の葉のポンと跳ねるや雀の子

(うごのはの ぽんとはねるや すずめのこ) 雀が2羽でかくれんぼをしていましたが、スマホを取りに行っている間にどこかへ行ってしまいました。残念。

斜光受けやをら起き出すつつじかな

(しゃこううけ やおらおきだす つつじかな) 大阪でセミナーに参加した翌日、早朝のビル街を散歩してみました。人や街が動き出す前の時間帯。街頭のつつじに朝日が低く差し込んでいました。

げんげ田やおひたしにしておままごと

(げんげだや おひたしにして おままごと) 坂を下って左に折れると一面のれんげ畑。今はもうありません。ままごとよりも、男子と田んぼで遊んでいたほうで、ヒルが足にくっついて大騒ぎしたり、苦手なウシガエルもよくみかけました。 写真はフリー素材をお…

春暑し鏡面ごしのわれとわれ

(はるあつし きょうめんごしの われとわれ) 街の中に設置されている現代彫刻。暑くけだるい一日でした。

風にのる始業サイレン春コート

(かぜにのる しぎょうさいれん はるこーと) 工場付近を散歩。出勤タイムで車の往来が多く、在宅勤務の私には新鮮な光景でした。春の風が時に強く吹きました。

夏近し息吹溢るゝ遊休地

(なつちかし いぶきあふるる いうきうち) 散歩の途中、鮮やかな黄色と緑に彩られた空き地が目に飛び込んできました。黄色い小花はポテンティラ・ベルナ?ふかふかに生い茂っています。

行く春や命乞ひするひよこ菓子

(ゆくはるや いのちごいする ひよこがし) 二つほどお裾分けいただき、バッグの中に直接入れて帰ったら、頭が潰れてしまい、なんだか愛嬌のある顔になりました。春限定の「桜ひよこ」はほんのり桜風味の餡入り。

春まつり川面をのぞく人ありて

(はるまつり かわもをのぞく ひとありて) 花笑みに華やぐ季節ですが、今朝はぐっと冷え込みました。 「春まつり深淵のぞく人ありて」から改句。

一輪車漕ぎてまとふや花吹雪

(いちりんしゃ こぎてまとうや はなふぶき) 桜満開。明日はおそらく花散らしの雨が降るでしょう。公園でお祖父さんがお孫さんの一輪車の練習に付き合っておられました。春休みも終わりです。

春燈や誘われくぐる石鳥居

(しゅんとうや さそわれくぐる いしどりい) 残念ながら早朝の風景です。

春風や恋の曾根崎絵馬ゆらす

(しゅんぷうや こいのそねざき えまゆらす) * 旅行マガジンの写真をお借りしました

黒猫に欠伸もらひて春の夢

(くろねこに あくびもらいて はるのゆめ)

囀りやかへりみすれど誰もなし

(さえずりや かえりみすれど だれもなし)

旅立ちの友の背中や揚雲雀

(たびたちの とものせなかや あげひばり) * ひばりの写真なし。道路の矢印が鳥っぽい?

指おどる雲のワルツや春ごころ

(ゆびおどる くものわるつや はるごころ)

凍て月の密やかなるは音なき時

(いてづきの ひそやかなるは おとなきとき)

のら猫の強きまなざし冴えかえる

(のらねこの つよきまなざし さえかえる)

明の雪蜜をかけたらうまかろう

(あけのゆき みつをかけたら うまかろう)

我がこころ艶やかなるや実万両

(わがこころ つややかなるや みまんりょう)

行く先の青空透かす冬木立

(ゆくさきの あおぞらすかす ふゆこだち)

人知れず母屋守るや臘梅香

(ひとしれず おもやまもるや ろうばいか)