左岸なる神社の森へ残り鷺

(さがんなる じんじゃのもりへ のこりさぎ)

『蒼海』4号 堀本裕樹主宰 選

句材を探しに市街地を流れる川沿いを散策。そこの船溜まりは小学生のときの写生大会のお約束の場所でした。課外授業は楽しかったけど船の絵を描くのは難しくて。
散歩中実際に居たのは鴨で、鴨の句を作りましたがしっくり来ず。鷺になりました。
この頃、「○○なる」という表現を気に入って使っておりました。

残り鷺は「冬鷺」の傍題。(白鷺の)多くは南方に渡って越冬する。日本の冬に残っているのは、一部の渡りそびれたもので、それが「残る鷺」である(講談社 新日本大歳時記「冬」より)

冬ざれに小栴檀草火花爆ず

(ふゆざれに こせんだんぐさ ひばなはず)

『蒼海』4号 堀本裕樹主宰 選

近くの空き家に咲いていた小栴檀草の花後の痩果を詠んでみました。
いわゆるひっつき虫です。
当初「花火」を比喩として使っていたのですが、「火花」のほうが勢いがあってよいかなと作り替えました。

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(画像はこちらからお借りしました。ありがとうございました)

煮凝や熱の子の目のうるみゐて

(にこごりや ねつのこのめの うるみいて)

『蒼海』4号 堀本裕樹主宰 選

結社誌に食の句を入れるのは楽しみのひとつです。拙句は食の季語「煮凝」との単純な取り合わせですが。
「『煮凝や』と詠嘆してよかったのかな...」と投句後に考えてしまいましたが、採っていただけてよかった(^^)
(注:わたくしに子はおりません)

オリオンの和音のやうな星の粒 

(オリオンの わおんのような ほしのつぶ)

『蒼海』4号 堀本裕樹主宰 選

可愛らしい句になったでしょうか♪
ちなみに「和音のやうな」という比喩は以前に別の投句で使いましたが、そちらは没でした(涙)

グラウンドいつぱいに守備揚雲雀

(グラウンド いっぱいにしゅび あげひばり)

『蒼海』4号 堀本裕樹主宰 選

わが家の裏手にある小学校。土日は少年野球チームが校庭で練習をしています。そんなのどかな風景からの作句です。

4号は10句中6句掲載という成績でした。一歩後退です。
採られなかった4句は「観念句」で景の見えない句であったり、自分らしくない句であったりしたと思います。自分が目指したい、目指そうとしている句ではなかったとも言えるのかな。反省。
8句掲載、主宰の推薦・選評を目標に精進いたします。
(5号は諦めました。6号から頑張る!)

産直の野菜や春を追ひかける

(さんちょくの やさいや はるをおいかける)

俳句界2019年3月号応募句
ここを直せば入選
能村研三先生

3年間俳句界への投句を続け、この欄に掲載していただくのは初めてです。
貴重な添削をいただき、お得感たっぷりです(笑)

春が近づくにつれ色とりどりの季節の野菜が転倒に置かれ活気が出てきた。
「春兆す」と表現したい。

産直の野菜が並び春兆す(添削句)

写生に徹し、季語を信じることの大切さを改めて教えていただきました。
能村先生、ありがとうございました。