春 動物

か弱きを残し猫の子譲りけり

(かよわきを のこしねこのこ ゆずりけり) 『蒼海』21号 堀本裕樹主宰 選 叔父宅で保護猫が子どもを4匹産み、3匹は新しい飼い主さんのもとへ、残る1匹と母猫は叔父のもとで飼われることになりました。子猫が産まれたときに私も見せてもらいました。 21号は…

囀の窓より介護ベッド入れ

(さえずりの まどよりかいご ベッドいれ) 『蒼海』21号 堀本裕樹主宰 選 母の退院に備え、ベッドを購入したときのこと。玄関より窓から搬入する方が簡単だったので...。

よくしやべる鍵つ子同士蝌蚪の国

(よくしゃべる かぎっこどうし かとのくに) 角川俳句2023年8月号掲載句令和俳壇 雑詠 井上康明先生 秀逸 私は鍵っ子ではありませんでしたが、とても気の合う鍵っ子の同級生がいて、下校時に二人だけでおたまじゃくしのいる池などに行った思い出を詠んでみ…

少女らのまぶしき声よ蝶生る

(しょうじょらの まぶしきこえよ ちょううまる) 角川俳句2023年7月号掲載句令和俳壇 雑詠 櫂未知子先生 佳作 もう一工夫必要かなと思いつつも、これくらいシンプルな句の方が自分らしく好きなので櫂先生にとっていただけて嬉しいです。

砂浜に描く線路や鳥雲に

(すなはまに えがくせんろや とりくもに) 『蒼海』17号 堀本裕樹主宰 選 初案は下五を「卒業す」としていました。青春性。

天神の裏門暮れて田螺鳴く

(てんじんの うらもんくれて たしになく) 『蒼海』17号 堀本裕樹主宰 選 頭の中のイメージだけの作句。 「田螺鳴く」が季語ですが、実際には鳴きません。

街に雨ふれば水針魚のここちして

(まちにあめ ふればさよりの ここちして) 『蒼海』13号 堀本裕樹主宰 選 季語は水針魚(さより)ですが、比喩として使っているので水針魚の実体がなく、そういう点で自分の中では冒険した句でした。 家々や菜の花いろの灯をともし 木下夕爾 菜の花が季語で…

球場は更地となりて鳥雲に

(きゅうじょうは さらちとなりて とりくもに) 『蒼海』13号 堀本裕樹主宰 選 旧広島市民球場跡地を偲んで。

虻騒ぐ五重塔の高みかな

(あぶさわぐ ごじゅうのとうの たかみかな) 『蒼海』5号 堀本裕樹主宰 選 5月の大型連休に唯一出かけたのが山口市の瑠璃光寺。句材を求めてです。結局この一句しかできませんでした。一人蕎麦屋に入り、盛りと冷や酒をいただいて帰りました。そのことも詠…

グラウンドいつぱいに守備揚雲雀

(グラウンド いっぱいにしゅび あげひばり) 『蒼海』4号 堀本裕樹主宰 選 わが家の裏手にある小学校。土日は少年野球チームが校庭で練習をしています。そんなのどかな風景からの作句です。 4号は10句中6句掲載という成績でした。一歩後退です。採られなか…

薄紙に蝶の骸の美しく

(うすがみに ちょうのむくろの うつくしく) 俳句界2019年3月号応募句雑詠櫂未知子先生 選 佳作佐藤麻績先生 選 佳作 ふらりと立ち寄った地元の博物館で蝶の標本展示を見て一句作りたいなと思い、出来た句です。採取された蝶が三角紙に包まれている、標本前…

風吹けり農業女子に乙鳥に

(かぜふけり のうぎょうじょしに つばくろに) あるふぁ俳壇2019年夏号掲載句 前回に続き予備選に入りました。俳句ポストの兼題『菠薐草』で没になった句を作り替えたものです。

向かひあふストロー二本蝶の昼

(むかいあう ストローにほん ちょうのひる) ふらんす堂通信 160号花実集 雑詠 髙田正子先生 選 ふらんす堂友の会会員になってもうすぐ1年です。でも、ふらんす堂通信投句欄への投句はこれが初めて。髙田正子さんの毎日新聞の連載「出会いの季語」を楽しみ…

窓拭けば我にも客やつばくらめ

(まどふけば われにもきゃくや つばくらめ) 角川俳句2019年5月号掲載句埋字で学ぶ五・七・五 岸本尚毅先生 選2月号のお題 中級 どこへでも○○○○○○や○○○○○ 上級 ○○○○ば~も~や○○○○○角川俳句は投句はがきの付いていないKindleで読んでいたのですが、この埋字…

蛤のスウプのしづく神の子と

(はまぐりの スープのしずく かみのこと)俳句新聞いつき組 18号 蛤の座決定戦(2019年4月掲載分 )夏井いつき先生 選 佳作 1年間だけ『俳句新聞』を購読することにしました。2年前だったかな?『100年俳句計画』のほうを購読したことがあるのですが、結局…

桜鯛楷書の硬き詔

(さくらだい かいしょのかたき みことのり)俳句ポスト365(第216回 2019年3月7日週の兼題:桜鯛)夏井いつき先生 選 人選 魚の季語の兼題。苦手意識があって全く多作できず心配だったのですが、全没でなくて安心しました。姪の中学受験のお祝いに桜鯛を送…

夕暮れに溶け出してゐる蝶の翅

(ゆうぐれに とけだしている ちょうのはね)NHK松山放送局 ラジオまどんな句会 2019.3.4(月)兼題:蝶神野紗希さん選 蝶で詠むときのポイントは、『蝶はいろんなイメージのある季語で、はかない命というイメージもあれば、子供達が追いかける可愛いという…

まよひなく中華鍋振り巣立鳥

(まよいなく ちゅうかなべふり すだちどり) 俳句界2018年4月号応募句俳句トーナメント堀本裕樹先生 選 2回戦敗退3ヵ月連続で堀本先生のトーナメント選出でした。驚きました!来月以降のプレッシャーがかかります(゚▽゚*)(次回はまちがいなく選外...でもいい…

ある晴れた日のアリアの調べ蝶の翅

(あるはれたひの アリアのしらべ ちょうのはね) NHK俳句 平成30年3月放送応募句 兼題:蝶 高柳克弘先生 選 佳作 NHK俳句2017年度放送分はこれが最後です。俳句王子こと高柳克弘さんの兼題では、29年5月分『蛾』より2回目の佳作入選でした。(わたくしのこと…

蛤や水の仄かに紫に

(はまぐりや みずのほのかに むらさきに) NHK俳句さく咲く!平成29年4月放送応募句兼題:蛤櫂未知子先生 選 佳作久しぶりにNHK俳句で採っていただきました。でも、新年度になってからあまり投句できていないのです。

揚雲雀上へ上へと雲ひらく

(あげひばり うえへうえへと くもひらく)俳句ポスト365(第166回 2017年2月23日週の兼題:雲)夏井いつき先生 選 並選季語以外の語が兼題。計7句を投句。自選句は選ばれず。難しい。

蜂唸る袋小路の突き当たり

(はちうねる ふくろこうじの つきあたり)俳句ポスト365(第163回 2017年1月12日週の兼題:蜂)夏井いつき先生 選 人選計5句を投句。今回は、普段からブログを(一方的に)読ませていただいている俳ポニストさんのお句が地選に入選していて、私まで興奮しま…

雨後の葉のポンと跳ねるや雀の子

(うごのはの ぽんとはねるや すずめのこ) 雀が2羽でかくれんぼをしていましたが、スマホを取りに行っている間にどこかへ行ってしまいました。残念。

囀りやかへりみすれど誰もなし

(さえずりや かえりみすれど だれもなし)

旅立ちの友の背中や揚雲雀

(たびたちの とものせなかや あげひばり) * ひばりの写真なし。道路の矢印が鳥っぽい?