薫風や写生の筆を休めたり

(くんぷうや しゃせいのふでを やすめたり)

俳句界2018年5月号応募句
兼題:「生」
名和未知男先生 選 佳作

兼題は二句投句して全没のことが多いので
一句のみでも選入りは嬉しいです。
ただ他の方の句を拝見すると、私は俳句界の漢字一文字兼題を
少し難しく考えすぎているような気がします。

薫風 風薫るの傍題。

湖の翡翠色して余花明かり

(みずうみの ひすいいろして よかあかり)

俳句界2018年5月号応募句
俳句トーナメント
石井いさお先生 選 佳作
堀本裕樹先生 選 佳作
4ヵ月連続のトーナメント出場にはなりませんでしたが、満足。
ここで採っていただけるのなら、結社誌に投句すればよかったかも(汗)

余花 夏の季語。初夏になってまだ咲く桜。山国や北国で、青葉若葉の頃にまだちらほらと咲く花の風情を詠む(角川書店編 俳句歳時記 夏)。

踝のたしかに蛇とすれ違ふ

(くるぶしの たしかにへびと すれちがう)

NHK松山放送局 ラジオまどんな句会 2018.8.20(月)
兼題:蛇
神野紗希さん選

今回は、ことしの俳句甲子園(去る8月19日開催)の兼題にもなっていた、「草笛」、「蛇」、「胡瓜」、「滴り」からの俳句募集でした。このうち、「蛇」と「胡瓜」に投句し、蛇の句を番組内で読み上げていただきました。
神野さん曰く、『蛇は怖い物というイメージもあるし、神の使いとして畏怖の対象にもなる生き物なので、その恐怖とか畏怖をどのように具体的に表現するかがポイントです』だそうです。

以下、放送中にいただいた選評の文字起こしです(黄色が神野さん、灰色がパーソナリティの岡田さん)

これもねぇ、ま、もちろん直接当たったとまでは言わないですけど、なんとなく歩いているところにサーッと過ぎていった感じがした。踝という、あの足の一部をいうことで、そこがすれ違う。私が蛇とすれ違うのではなくて、踝といったことで、蛇の這う低さとか、肉体感覚として蛇を感じたところとかがリアルにみえてくる一句でしたね。

清清檸檬さん、蛇苦手ということで、『蛇の句だけは一生詠むまいと決めていましたが...』ということですが、今回挑戦してくださいました。ありがとうございます(二人笑)

俳句は苦手を克服させてくれるかもしれない。

あ~ほんとですね(笑)

 お盆で投句数が少なかったかな(笑)今月も読んでもらえて嬉しいです。

泣きやまぬ裸子に犬大きかり

(なきやまぬ はだかごに いぬおおきかり)

NHK俳句 平成30年7月放送応募句

兼題:裸
岸本尚毅先生 選 佳作

現時点で年間全没を恐れていた岸本尚毅選。はじめての佳作です。
テキストに掲載されている入選句をみる限り、「裸子」で詠んだ句が多かったような気がします。類想句になりがち。

千枚の踊浴衣をどんと置く

千枚の踊浴衣をどんと置く
(せんまいの おどりゆかたを どんとおく)
俳句ポスト365(第199回 2018年6月28日週の兼題:踊)
夏井いつき先生 選 人選

投句後、「どんと」は「どかと」のほうがよかったかなと...。

踊 秋の季語。盆踊のことなので、バレエやフラダンス、フラメンコなどを題材にして詠むことはできない。

夏草は夜に育ちて星に濡る

(なつくさは よるにそだちて ほしにぬる)
俳句ポスト365(第198回 2018年6月14日週の兼題:夏草)
夏井いつき先生 選 人選

シェイクスピア劇、ヘンリー五世の台詞、「Grew like the summer grass, fastest by night」からイメージして作りました。

この句も同時に採っていただいた「馬券」の句も、自分でも気に入っていた句なので嬉しいです。

夏草や馬券かつたりはづれたり

(なつくさや ばけんかったり はづれたり)
俳句ポスト365(第198回 2018年6月14日週の兼題:夏草)
夏井いつき先生 選 人選

競馬経験ゼロですが、馬券という言葉で、兼題「風邪」以来二度目の人選でした。
今回は嬉しいことに2句入選でした。