朧夜の改札口を出れば海

(おぼろよの かいさつぐちを でればうみ)

俳句界2019年4月号応募句
雑詠
古賀雪江先生 選 佳作
夏石番矢先生 選 佳作

一駅だけですが、地元のローカル線に海の見える駅があります。
句友の鶏侍さんのお話では、神戸の塩谷駅が拙句のような駅だとか...。
素敵ですね。

いつも来る魚商の女春セーター

(いつもくる ぎょしょうのおんな はるセーター)

俳句界2019年4月号応募句
雑詠
櫂未知子先生 選 佳作

地元はほぼシャッター街ですが、先日商店街を歩いていたときに、魚売りの女性をみかけました。通りに魚をならべ、小さな折りたたみ椅子に腰掛けてうつむき加減の少し寂しげな女性でしたが、その隣では別の物売りの女性たちがなにやらお喋りに花を咲かせており、その風景にふと懐かしさを感じました。
昔はわが家の前でも自転車で魚を売りに来る女性をよくみかけました。
いまなら声をかけて呼びとめて買いたいところ。

櫂先生にこの句を選んでいただいたのが少し意外でした。ありがとうございました。

花合歓の糸電話より妻の声 

(はなねむの いとでんわより つまのこえ)

俳句界2019年4月号応募句
兼題:「声」
岸本マチ子先生 選 佳作

今号は苦手な兼題が二句とも佳作選で嬉しい。
奇しくも、どちらの句も中七~下五にかけて「より○の声」という措辞になりました。

合歓の花はこんな花です。
パラボラアンテナぽい花がなにかを受信しそう?

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喜雨来る空深きより神の声

(きうきたる そらふかきより かみのこえ)

俳句界2019年4月号応募句
兼題:「声」
大高霧海先生 選 佳作

単純に季語のイメージから作句しました。

喜雨 晩夏の季語。夏の日照りが続いたあとの、待ちに待った雨である。人はもちろん、作物や植物にも喜びを与える雨、といった心持ちがこめられている。ことに自然現象とともにある農家にとっては救いの雨でもある(講談社 新日本大歳時記「夏」より)。

玉葱や高層階に軒のなし

(たまねぎや こうそうかいに のきのなし)

NHK俳句 平成31年6月放送応募句
兼題:玉葱
長嶋有先生 選 佳作

長嶋有選は初めてです。
最終回までご縁がないのではないかと思っていました。嬉しいです。

『玉葱』は難しかった(『玉葱』も、ですね)。類句に陥るか発想を飛ばしすぎるかの両極端な作句になってしまった気がします。
毎年叔母から大量の玉葱をもらうのですが、保管場所に困り、「どこに吊す?軒に吊す?釘打っとく?」からの連想で作った句でした。

虹立ちて青空磨く仕事して

(にじたちて あおぞらみがく しごとして)
俳句新聞いつき組 19号 虹の座決定戦(2019年7月掲載分 )
夏井いつき先生 選 秀逸

1年間だけ購読することにした『俳句新聞』。
今回は秀逸でした。一歩前進が嬉しいです(^^)