五つ六つ黄の実の転ぶ春落葉

(いつつむつ きのみのまろぶ はるおちば)

伊吹嶺会 矢野孝子 先生
【添削句】黄色の実乗せて吹かるる春落葉

黄色の実がイメージできない。5、6個の必然性もわからない。
春落葉らしさが描けていない。

自分としては、金柑の実が木の根元に散らばる古葉の上に転がっているのを詠んだつもりでした。

ポケットに神籤しのばせ春来る

(ぽけっとに みくじしのばせ はるきたる)

伊吹嶺会 矢野孝子 先生
【添削句】ポケットに吉の神籤や春を待つ

このままでも良いが、なぜ<しのばせ>ているのかがわかりづらいとのこと。
「春が来る」で大吉の神籤と暗示させている?
添削句のほうが締まりの良い句になる。

「春来る」は立春の傍題。

土砂降りの雨音のごと山火爆ず

(どしゃぶりのあまおとのごとやまびはず)

俳句ポスト365(第162回 2016年12月15日週の兼題:山焼)
夏井いつき先生 選 並選

同じ並選に似た句があり、「スコール」と表現されていました。「爆」の字を使った句は4句でした。

計2句を投句。山火は山焼くの傍題。

裏道の猫の目細し冬ぬくし

(うらみちの ねこのめほそし ふゆぬくし)

第10回いるか通信句会

 堀本裕樹先生 選 佳作

「冬ぬくし」という季語の他にも、まだよい季語があるかもしれない。

「猫の目細し」はきっちりと描写できている。

「細し」、「ぬくし」と脚韻を踏むとよいかなと思いましたが、別の季語を考えてみます。

 

次回の第11回をもって、いるか通信句会は休止となりました。

残念を通り越して「ショック」ですが、お忙しい堀本先生のことを考えると仕方ないですね。

お弟子さんや会の別の方に添削させるという方法もあったかもしれない。だから、スパッと休止されたことに誠実さを感じます。

句会再開の暁には、ぜひまた参加したいと思います。

口笛を吹くふりをして黒マント

(くちぶえを ふくふりをして くろまんと)

第10回いるか通信句会

 堀本裕樹先生

どうして「口笛を吹くふり」をしたのか、その辺の心理が掴みきれない。

少し古色を帯びた風姿。

自分の中では 少しチャレンジした句。黒マントを着て、空口笛(っていうのかな、音を出さない口笛のこと)を吹いて気取っている姿を詠んだつもりでした(汗)
要再考!