2019-03-29から1日間の記事一覧

冬天へ青銅の馬湖の鳥

(とうてんへ せいどうのうま うみのとり) 『蒼海』3号 堀本裕樹主宰 選 地元の動物園がある公園は野外彫刻と人工湖も有名です。そんな景から発展させた(つもりの)一句です。 結社誌3号も10句中7句掲載という成績でした。句材探しの散歩にも作句にも時間の…

猿の脇伸びきつてをり冬の園

(さるのわき のびきっており ふゆのえん) 『蒼海』3号 堀本裕樹主宰 選 句材を探しに動物園へ。色々な種類の猿がいて、「オープン・コンセプト」の展示法で、基本的に檻のない島に住んでいます。大きな動物はいない動物園です。

焼芋に大小ありて一重の子

(やきいもに だいしょうありて ひとえのこ) 『蒼海』3号 堀本裕樹主宰 選 「一重瞼の子」を「一重の子」としてよかったのか、投句後も悩みました。子供がじぃっと焼き芋を見ている感じ。

爪ほどの小さき十字架冬の雷

爪ほどの小さき十字架冬の雷(つめほどの ちさきじゅうじか ふゆのらい) 『蒼海』3号 堀本裕樹主宰 選 高校生のとき、若いシスターが小さな小さな十字架を私にくださいました。いまも大切にしています。

細棹の三味線買うて初時雨

(ほそざおの しゃみせんこうて はつしぐれ) 『蒼海』3号 堀本裕樹主宰 選 初時雨。その冬、はじめて降る時雨である。「初」には華やぎがある。ことしも生きていて会うことができたという喜びが含まれている。「時雨」には閑寂味がある。伝統的に生きること…

朝が来てプラネタリウムのはつ冬

(あさがきて プラネタリウムの はつふゆ) 『蒼海』3号 堀本裕樹主宰 選 句材を探しにプラネタリウムへ出かけました。我が家からは徒歩圏内。国産最古参の投影機だそうです。ちょうど来月から冬の星座の投影に変わるときでした。

爽やかにももいろの杖歌舞伎座へ

(さわやかに ももいろのつえ かぶきざへ) 『蒼海』3号 堀本裕樹主宰 選 この頃、母にピンクの杖を買ってあげたのでした。少しでも気持ちも活動の範囲も広がるといいなと思って。 爽やか。傍題は爽涼、さやけし、さやか。秋の清々しさをいう。大気が澄み、…

遅れ来る手紙のやうに柏散る

(おくれくる てがみのように かしわちる)俳句ポスト365(第214回 2019年2月7日週の兼題:柏落葉)夏井いつき先生 選 人選 最近は複数句投句して自分でも「この句かな?」と思う句を採っていただいています。二句人選でした。組長ありがとうございました。

かふかふと柏落葉の道ゆけり

(かふかふと かしわおちばの みちゆけり)俳句ポスト365(第214回 2019年2月7日週の兼題:柏落葉)夏井いつき先生 選 人選 「かふかふ」は自分でも気に入っています。ふかふかでなくてかふかふ。柏は枯れても枝についたたま冬を越し、翌年の仲春頃になって…

煮魚の白身のほろり年の宿

(にざかなの しろみのほろり としのやど) 俳句界2018年12月号応募句目からウロコの!俳句添削教室長嶺千晶先生 選 合格句 この頃、食の細くなった母に白身のお魚を煮付けてあげていたのでした。 年の宿。年越しの夜を過ごす家、あるいは宿のこと。

ザビエル祭母校の便り届くころ

(ザビエルさい ぼこうのたより とどくころ) 俳句界2018年12月号応募句俳句トーナメント堀本裕樹先生 選 佳作 我が母校のことそのままです(笑)我が主宰に採っていただいて嬉しいです。 季語は「聖ザビエルの日」。傍題に「聖フランシスコ=ザビエル司祭の祝…

大寒や銀の薬缶に酒いれて

(だいかんや ぎんのやかんに さけいれて) 俳句界2018年12月号応募句雑詠角川春樹先生 選 秀逸鈴木しげを先生 選 佳作西池冬扇先生 選 佳作 純銀製の薬缶を直火にかけて燗をつけるお店がありますよね。お酒の味がまろやかになるそうです。 選に採ってくださ…

雪晴の光に透けてガラスペン

(ゆきばれの ひかりにすけて ガラスペン) 俳句界2018年12月号応募句雑詠稲畑廣太郎先生 選 佳作櫂未知子先生 選 佳作山尾玉藻先生 選 佳作 「きれいなガラスペンが欲しいな...」と文具店のHPを見ていての作句です。

母子寮の厨にぎはひ初暦

(ぼしりょうの くりやにぎわい はつごよみ) 俳句界2018年12月号応募句兼題:「初」岸本マチ子先生 選 佳作 今ごろは母子寮とは呼ばないのでしょうか。(個人的には)全没率の高い俳句界兼題で今月も佳作に採っていただいて嬉しいです。