秋の夜の裸婦の油絵古びゆく

(あきのよの らふの あぶらえ ふるびゆく)

まのあたり句会 2019.9.1(日)
野口る理さん 並選

少し前になりますが、久しぶりに東京の句会に参加してきました。8月31日に「いるか句会」、9月1日に「まのあたり句会」です。

この回のまのあたり句会の講師が、岸本尚毅さん、長嶋有さん、堀本裕樹さん、そして野口る理さん♡ 申込みの開始が母の術後間もなくで少々フライング気味ではありましたが、句友の後押しもあり、「エイヤッ!」と申し込んでしまいました(汗) ちなみに所属結社の主宰に2日連続でお目にかかるという僥倖。

まのあたり句会(NHK文化センター青山)は、第1部が俳人4名による公開句会、第2部が受講生が投句した句への選評という二部構成です。あまりの楽しさに興奮しすぎてあっという間の3時間でした。いまだ気持ちの整理がついていない感じです。なので、今日は拙句の備忘録にとどめ、しっかり消化してからまた改めて記録に残したいなと思っています。

事前投句でひとり一句投句でき、このときの兼題が「秋」。85句の投句があり、講師おひとり十句選(うち一句が特選)でした。私は幸運にも野口る理さんに採っていただきました。「『秋の夜』と『古びゆく』が少し即き過ぎではあるが、油絵以外の建物なども古びてゆくのが感じられる」というような選評だったと思います。思いますというのは、嬉しすぎてドキドキして詳細を覚えていないから(汗)
そのうえですよ奥さん!しかもさらになんと奥さん!(笑)、あの岸本尚毅先生の添削を賜り、私のドキドキは最高潮へ!!

 岸本先生改案 秋の夜の油絵の裸婦古びゆく
 (原句の「裸婦の油絵」を「油絵の裸婦」にひっくり返すわけですね)

この添削のとき岸本先生、なんと仰ったと思います?

「少しキザになりますが」
「少しキザになりますが」
「少しキザになりますが」

パタリ_ノ乙(、ン、)_

実のところ投句直前まで迷っておりました。「秋の夜の絵画の女古びゆく」のようにして、「絵の中の女性自身」が古くなって(=老けて)ゆくとするのがよいのかなと。でもそのとき、天から岸本尚毅先生の声が聞こえたのです。「そこまでしなくてよい」と...。自分の作句の自信のなさから結局無難にまとめて投句してしまいましたが、でも当日、そのおかげで野口る理さんの選に入り、岸本先生の添削までいただくことになるわけです(涙)

句会後は各講師にご挨拶し、書籍にサインをいただきました。
野口る理さんは本当に本当に可愛らしい方でした。サインとともに入れていただいた句は図々しくも私が選んでお願いした句。「え~、なぜこの(私が)十代の頃の句なの?」と少し驚いておられましたが、以前に坪内稔典さんがこの句を紹介していらして、それ以来とても気に入っている句なのです。きつねうどんなんだけど、手袋をはめたきつねの子みたいな絵本のような愛らしさがあって...。

 悴めばきつねうどんのやさしさよ 野口る理

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またいつの日か、この講師陣とお目にかかれる日があるといいな。
ありがとうございました。