冬眠の蛇ゐる藪に青き日矢

(とうみんの へびいるやぶに あおきひや)
NHK松山放送局 ラジオまどんな句会 2020.12.7(月)
兼題:冬眠
神野紗希さん選

作句にあたっての紗希先生からのメッセージは、「蛇やとかげ、栗鼠(りす)や熊など、それぞれの動物にフォーカスすることもできますし、冬眠という命の循環のありかた自体を捉えて詠むのも一手です。時間のスパンの長い季語だからこそ、句そのものは間延びしないよう、具体性や格調を意識してまとめるとよいかもしれません。」でした。

以下、紗希先生からいただいた選評の文字起こしです。

日矢というのは、雲を割ってまっすぐ射してくる日差しのことですね。矢のような日差しを日矢というのですが、冬眠の蛇がこの藪にいるだろう、その藪に日矢が射している。それが青いということで冬の冷たさ、鋭さ、寒さの中を生き抜こうとする命の厳しさを思わせる一句です。

放送のトップバッターで紹介していただきました(嬉)
近所に藪を見下ろせる場所があり、そこに日の光がきらきらと差し込んでいるのを飽かずに眺めていたことがありました。藪のほの暗さ、青さが伝わったようで嬉しいです。

<ラジオまどんなblog>
12月7日(月)「冬眠」で紹介した俳句