洗面の朝の湖畔や霧走る

(せんめんの あさのこはんや きりはしる)
NHK松山放送局 ラジオまどんな句会 2019.9.5(木)
兼題:霧
神野紗希さん選

秋の季語『霧』。今年の俳句甲子園の決勝リーグの兼題でした。
紗希先生からのメッセージは、「世界をおおいかくしてしまう霧。その不安を、あるいは雄大な自然の姿を、いかに言語化するか」
そして、霧で詠むときは、「霧は象徴的な意味があって、『霧の中』とか『五里霧中』とか、イメージの中で先が見えないというふうに使われがちなのですが、だからこそいかに現実の霧を感じさせるように詠むかというところが重要なポイント」だそうです。

以下、いただいた選評の文字起こしです。

紗希先生)これは今度は「霧走る」ですね。そうすると、立ちこめている印象なんだけど、走るということで湖の上をサーッと渡ってゆく霧の姿が見えてきて、洗面で使っている水も立ちこめる霧も湖も全部水ですよね、いろんな水の形が気配として立ちこめている、動いている句でした。
岡田さん)へぇ~。

霧は二音しかないので、霧がどんなふうに立ちこめているのかいろんな言葉で表現できる。霧匂ふ、霧走る、霧這ひぬ、など。

今月は欠句するつもりでしたが、句友のみなさんがお忙しいなか作句を頑張っておられるので二句のみ作ってみました。先月から放送直前に作句し投句する流れになっており、それはそれで(放送中読み上げられなくても)少し気楽というか、そんな楽しみ方もしております。

紗希先生、今月も素敵な鑑賞をありがとうございました。