横たはる人骨やはらかい干潟

(よこたわるじんこつ やわらかいひがた)

角川俳句2019年8月号掲載句
令和俳壇 雑詠 対馬康子先生選 推薦

まさかまさかの『推薦』です。しかも対馬先生!
「過去全没の今井聖先生の選に入るのが当面の目標」と前回書きましたが、対馬先生も(地味句の)私にとっては高く厚き壁なのです。その対馬先生に採っていただけるなんて...。神様からのご褒美としか思えません(涙)

家のことでなかなか俳句に集中できず、このあたりの投句から『しばらく俳句を休もうかな』と思うようになりました。でもそのたびに、句友に励まされ、「句を思いつかないなら、普段作らないような冒険句を作って出しちゃえば?」と言われて作った句がこの句だったのです。なので句友の鶏侍さん、瑠璃甫さんには心から感謝しております。ありがとう(涙)

ちなみにこの頃、思うところあって、藤原新也さんの『メメント・モリ』を読み直していて、そんなときにできた句でした。
選者の対馬先生からはもったいない選評をいただきました。本人はここまで考えて作句できていません。俳句は「読む人がいてはじめて成立する文芸」ということを改めて実感しました。一生の記念になりました。ありがとうございました。

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