直進車のひつきりなしに街路炎ゆ

(ちょくしんしゃの ひっきりなしに がいろもゆ)

『蒼海』2号 堀本裕樹主宰 選

夏から母の通院の付き添いが始まりました。
交差点で右折したいのに直進車がなかなか途切れず、
真夏の日差しがぎらぎらと照りつける、そんな街を詠んだ実景句でした。

炎ゆは「灼く」の傍題。
真夏の太陽の直射によってまさに焼け付くような暑さとなること。
海岸の砂浜などは裸足で歩くことができないほどの熱さとなり、
アスファルトの道路は足がめりこむほどに熱せられる(角川書店編 俳句歳時記 夏)。