ねぎらひのやうな日差しや秋祭

(ねぎらいの ようなひざしや あきまつり)
NHK松山放送局 ラジオまどんな句会 2018.10.1(月)
兼題:秋祭
神野紗希さん選 特選

詠むときのポイントは、『秋祭といえば、みこしやはっぴなどお祭りらしいもののイメージが浮かぶので、そこにいかに自分なりのイメージを加えるかがポイントです。全国各地の地域性が出るのも秋祭の季語の醍醐味です』だそうです。

単純に祭というと夏の季語。
夏の祭は都市の神社の夏祭という感じ。夏に疫病が流行ることが多かったので怨霊退散が目的。浴衣で夜店のイメージ。
秋祭は収穫の行事で、収穫に感謝して稲刈りのあとに皆で集まってにぎやかに行う。つまり村祭や里祭。朝の暗いうちから出て、昼間にお神輿を担いでまわり、夜にはお酒を飲んだりと一日を使うイメージ。地域性に根ざしたものが多い。農業だけでなく、豊漁に感謝する浦祭もあります。
ちなみに春祭は豊作を願うお祭りです。

その意味を踏まえた上で作句するのは本当に難しかった。

以下、放送中にいただいた選評です。

このねぎらいというのがいいですね。日差しが私たちをねぎらってくれているようだ。秋祭ってどうしてもその一日に焦点が置かれがちですが、ねぎらいという言葉が入るだけで一日だけでなく、これまでの一年の苦労が偲ばれることになって、とても大きな句になりました。


この投句から俳号が平林檸檬になりました。