若水を米の芯まで吸はしめむ

(わかみずを こめのしんまで すわしめむ) 『蒼海』20号 堀本裕樹主宰 選 新年最初の句会に投句した句です。新年の季語で気持ちよく詠みたいと思いました。

花殻を庭に焚く香や小晦日

(はながらを にわにたくかや こつごもり) 『蒼海』20号 堀本裕樹主宰 選 句会で主宰特選をいただいた句。昔は仏壇のお花が枯れたら両親が庭で焚いて処分していたように記憶しています。小晦日(こつごもり)は一年の最後の日にあたる大晦日に対して、その…

一人嗅ぎ皆が嗅ぎ出す柚子湯かな

(ひとりかぎ みながかぎだす ゆずゆかな) 『蒼海』20号 堀本裕樹主宰 選 冬至の日に地元の入浴施設で「ゆず湯」のサービスをしているのをニュースで見て作った句です。

極月や小さき祠の小さき神

(ごくげつや ちさきほこらの ちさきかみ) 『蒼海』20号 堀本裕樹主宰 選 雪の日の実景を詠んだ句で、当初、上五は「雪かむる」でした。「雪を降らすとベタ。上五を『や切り』にした方がよい」と主宰から助言をいただきました。

園丁に手渡すホットレモンかな

(えんていに てわたす ホットレモンかな) 『蒼海』20号 堀本裕樹主宰 選 庭木の剪定に来てくださった方に休憩時間のお茶をお出ししたときのことを詠みました。午前中が珈琲だったので午後はホットレモンにしました。

尼三人腕捲りして大根引く

(あまみたり うでまくりして だいこひく) 『蒼海』20号 堀本裕樹主宰 選 NHKで放送されていた『やまと尼寺 精進日記』の尼僧のイメージで。主宰もそのように鑑賞してくださいました!

少女らのまぶしき声よ蝶生る

(しょうじょらの まぶしきこえよ ちょううまる) 角川俳句2023年7月号掲載句令和俳壇 雑詠 櫂未知子先生 佳作 もう一工夫必要かなと思いつつも、これくらいシンプルな句の方が自分らしく好きなので櫂先生にとっていただけて嬉しいです。

マカロンをぱくと一口木の芽時

(マカロンを ぱくとひとくち このめどき) ふらんす堂通信 176号花実集 雑詠 髙田正子先生 選 今号は5句中3句掲載でした。寂しいですが、今回で髙田正子先生の選は終了です。次回からは西村麒麟さんの「うづら集」。また楽しんでまいりましょう。 今度こそ…

春愁や焼香のごと塵つまみ

(しゅんしゅうや しょうこうのごと ちりつまみ) ふらんす堂通信 176号花実集 雑詠 髙田正子先生 選 ほら、我が家は障子の桟とか、埃が結構たまっているから😅

澄ましたる女雛に髪の乱れかな

(すましたる めびなのかみに みだれかな) ふらんす堂通信 176号花実集 兼題『雛』 髙田正子先生 選 久しぶりにお雛様を出して飾ったら、前回仕舞ったときの薄紙の巻き方が悪かったみたいで、女雛の頭が寝癖みたいになっていました😅

星きれいなんまらきれい冬至の湯

(ほしきれい なんまらきれい とうじのゆ) 『蒼海』19号 堀本裕樹主宰 選 ドキュメント番組で耳にした「星なまらきれい」という言葉が心に残り、作った句です。私にとってはチャレンジ句でした。「なまら」は北海道弁で「とても」。「なまら」を強調すると…

栗飯を膝に離郷の夜行バス

(くりめしを ひざにりきょうの やこうバス) 『蒼海』19号 堀本裕樹主宰 選 秋はどうしても郷愁の句になってしまう。

ハモニカを秋の渚にでたらめに

(ハモニカを あきのなぎさに でたらめに) 『蒼海』19号 堀本裕樹主宰 選 なぜ「でたらめに」なのか。なんとなくです。

大南瓜転がす父の忌が近し

(おおかぼちゃころがす ちちのきがちかし) 『蒼海』19号 堀本裕樹主宰 選 父は農業を営んでいたわけではなく、私も南瓜を転がした経験はないのですが、父の命日が秋なので詠んでみました。

聖書閉ぢ小さき秋灯のみ点す

(せいしょとじ ちさきしゅうとう のみともす) 『蒼海』19号 堀本裕樹主宰 選 聖書を読み終えて天井灯を消し、手元、枕元の小さな灯りのみを点ける。そして心にぽっと灯るもの。そんなイメージの句です。

奥の間の僧の亡骸雨月なる

(おくのまの そうのなきがら うげつなる) 『蒼海』19号 堀本裕樹主宰 選 お盆の法要でお寺にいったとき、前日に前住職(私が通っていた保育園の当時の園長先生)が亡くなられたと聞き、帰り際にご遺体の安置されている部屋に案内していただき、お別れをさ…

螇蚸とぶトラックの荷の瓦礫より

(ばったとぶ トラックのにの がれきより) 『蒼海』19号 堀本裕樹主宰 選 この年の台風の強風で、我が家の差し掛けの波板屋根が飛び、大工さんに修理してもらったときの句です。ちょうど新しい火災保険に入り直したところで、大きな額ではなかったのですが…

跪き墓拭き上ぐる終戦日

(ひざまずき はかふきあぐる しゅうせんび) 『蒼海』19号 堀本裕樹主宰 選 真夏の炎天下、半袖開襟スクールシャツの男子がアスファルトの道端にひざまずき、道路工事の迂回図の看板をしげしげと見ていたのです。そこから地面に直接ひざまずくことって日常…

春の日の象のお尻に小さき椅子

(はるのひの ぞうのおしりに ちさきいす) 第24回 NHK全国俳句大会入選(第一次選考入選) 佳作以上に残れず残念。賞状なし!でも年末ジャンボ宝くじ的な楽しみで投句しているからいいの♡ 今年は35,088句から第一選考通過が7,007句。 ---------------------…

春の夢覚むる間際のサランヘヨ

(はるのゆめ さむるまぎわの サランヘヨ) 句具ネプリ-2023春分- この頃、韓国ドラマにはまっていたのだと思う。トッケビとか。

冠脱ぎし女王の肩へ冬の蝶

(かんぬぎし じょおうのかたへ ふゆのちょう) 句具ネプリ-2022冬至- エリザベス女王の逝去を受けて。

椎茸にちりりと醤油かけてやる

(しいたけに ちりりとしょうゆ かけてやる) 句具ネプリ-秋分- 既発表句で初めて参加させていただきました。

雨の香の残る大根引きにけり

(あめのかの のこるだいこん ひきにけり) 角川俳句2023年5月号掲載句令和俳壇 雑詠 星野高士先生 秀逸 五十嵐秀彦先生 佳作 白岩敏秀先生 佳作 櫂未知子先生 佳作 類想がありそうといわれた句でしたが、久しぶりの共選!嬉しいです!

ぴんと張る聖夜の白き卓布かな

(ぴんとはる せいやのしろき たくふかな) 角川俳句2023年4月号掲載句令和俳壇 雑詠 櫂未知子先生 佳作 久しぶりに櫂先生に採っていただいて嬉しいです!

夏休間近に来たる転校生

(なつやすみ まぢかにきたる てんこうせい) 『蒼海』18号 堀本裕樹主宰 選 中学時代の思い出から。中途半端な季節に転校してきていつの間にかまたどこかへ転校していった同級生のことを詠んでみました。 18号は8句掲載でした。そして巻頭4席でした\(^o^)/…

吾の前を猫またぎゆく茅の輪かな

(あのまえを ねこまたぎゆく ちのわかな) 『蒼海』18号 堀本裕樹主宰 選 近所の神社に立ち寄ったらまだ茅の輪が残っていて、ラッキー!と誰もいない神社で一人くぐりました♾️。野良猫が何匹も棲み着いている神社なので猫も詠んでみました。

集金の去りぎは金魚寄つて来し

(しゅうきんの さりぎわきんぎょ よってきし) 『蒼海』18号 堀本裕樹主宰 選 この句を作ったとき、自治会の班長をしておりまして。自治会費を集金しにとある家を訪ねた際、玄関先の鉢の金魚がぱくぱくと寄ってきたという実景句です。

遅れ来て扇子せつせと使ひをる

(おくれきて せんすせっせと つかいおる) 『蒼海』18号 堀本裕樹主宰 選 私が超暑がり💦で、どこに行っても扇子をぱたぱたしているので、そんなところから作ってみた句でした。

船降りて祭の団扇すぐもらふ

(ふねおりて まつりのうちわ すぐもらう) 『蒼海』18号 堀本裕樹主宰 選 初案は「渡船降り祭の団扇もらひけり」。「上五が若干説明的。下五の"けり"で格調の高い句にしても悪くはないが、この句は滑稽味が欲しい」と主宰よりアドバイスをいただきました。…

青梅雨やキリン舎前の献花台

(あおつゆや キリンしゃまえの けんかだい) 『蒼海』18号 堀本裕樹主宰 選 県内の動物園でキリンが亡くなり、献花台が設けられていたのを見て作った句です。句会で主宰から「青、キリンの黄色、献花の花束の色」の複雑な色彩感覚を評していただいた句でし…