秋 行事

跪き墓拭き上ぐる終戦日

(ひざまずき はかふきあぐる しゅうせんび) 『蒼海』19号 堀本裕樹主宰 選 真夏の炎天下、半袖開襟スクールシャツの男子がアスファルトの道端にひざまずき、道路工事の迂回図の看板をしげしげと見ていたのです。そこから地面に直接ひざまずくことって日常…

地球儀の海の明るき子規忌かな

(ちきゅうぎの うみのあかるき しききかな) 第23回 NHK全国俳句大会宇多喜代子先選 秀作神野紗希先生選 佳作 昨年は応募せず、今回が三度目の全国大会挑戦で第21回に続く秀作入賞(宇多喜代子選)でした!同時に神野紗希選佳作もいただきましたので、前回…

ハンガーの服くたびれて愛の羽根 

(ハンガーの ふくくたびれて あいのはね) 『蒼海』15号 堀本裕樹主宰 選 15号は8句掲載。そして、巻頭6席でした\(^o^)/

シガレットを美しく吸ふ敗戦忌

(シガレットを うつくしくすう はいせんき) 角川俳句2019年12月号掲載句令和俳壇 雑詠 五十嵐秀彦先生選 推薦 星野髙士先生選 佳作 まさかまさかの本年2回目の『推薦』です。しかも星野先生の佳作まで!驚きましたが、この句をとっていただけてほんとうに…

和草に濡るるくるぶし精霊舟

(にこぐさに ぬるるくるぶし しょうりょうぶね) NHK俳句 令和元年8月放送応募句兼題:灯籠流し井上弘美先生 選 佳作 和草(にこぐさ)は、「葉や茎の柔らかい草」のこと。一説には「箱根羊歯(はこねしだ)」の古名とも。和(にこ)が笑う、にっこりするこ…

アルマイトの蒸し器ほくほく天使祭

(アルマイトの むしきほくほく てんしさい) 俳句界2018年10月号応募句俳句トーナメント堀本裕樹先生 選 佳作 天使祭という季語には『守護の天使の記念日』という長い傍題もあります。10月2日。カトリックの記念日で、一人ひとりの天使を祝うのではなく、す…

満床の新生児室終戦日

(まんしょうの しんせいじしつ しゅうせんび) 『蒼海』2号 堀本裕樹主宰 選。 終戦記念日は8月15日ですが、秋の季語。その昔、大学病院の小児科に勤めておりましたので、そのころの記憶も詠み込んでみたり。

一卓の狭さ愉しき子規忌かな

(いったくの せまさたのしき しききかな) 俳句界2018年8月号応募句雑詠櫂未知子先生 選 秀逸辻桃子先生 選 秀逸 夏石番矢先生 選 佳作 山尾玉藻先生 選 佳作 子規忌という季語が即き過ぎだろうか...と迷った末投句したので、好成績に驚きました。ありがと…

ねぎらひのやうな日差しや秋祭

(ねぎらいの ようなひざしや あきまつり)NHK松山放送局 ラジオまどんな句会 2018.10.1(月)兼題:秋祭神野紗希さん選 特選 詠むときのポイントは、『秋祭といえば、みこしやはっぴなどお祭りらしいもののイメージが浮かぶので、そこにいかに自分なりのイ…

かたかたと地震ふる夜や温め酒

(かたかたと ないふるよるや ぬくめざけ) 俳句界2017年10月号応募句雑詠櫂未知子先生 選 佳作夏石番矢先生 選 佳作

曳き波に桟橋揺るる展墓かな

(ひきなみに さんばしゆるる てんぼかな)伊吹嶺会 渡辺慢房 先生 【添削句】手を借りて舟下り参る島の墓