秋 時候

長き夜のタイプライター詩をこぼす

(ながきよの タイプライター しをこぼす) 角川俳句2023年12月号掲載句令和俳壇 雑詠 櫂未知子先生 秀逸 星野高士先生 佳作 前回投句締切に間に合わなかったので🙌🙌次号掲載分(但し、載らない確率が高い!)で一旦投句をお休みしました。

長き夜の切り胡麻香る即席麺

(ながきよの きりごまかおる そくせきめん) ふらんす堂通信 178号うづら集 雑詠 西村麒麟先生 選 サッポロ一番 塩らーめんです!袋に「切り胡麻つき」と書いてありますよ。比較的最近作った句を手直ししました。 今号は5句中3句掲載でした。以前に句会で秀…

蟋蟀戸に在り魂よ帰り来よ

(きりぎりすとにあり たまよ かえりこよ) 角川俳句2023年2月号掲載句令和俳壇 雑詠 五十嵐秀彦 佳作 「蟋蟀戸に在り」は七十二候の季語。珍しい季語で、角川俳句大歳時記<秋>にも例句がありません。蟋蟀(秋に鳴く虫の総称)が戸口で鳴くという意味で、…

新涼や風に目つむる盲導犬

(しんりょうや かぜにめつむる もうどうけん) 『蒼海』15号 堀本裕樹主宰 選母の通院に付き添った際、待合室で私のとなりにやってきた盲導犬。エアコンの効いた涼しい部屋でときおりうとうととする姿が愛らしく詠んでみた句です。

賽銭の硬き音して秋の暮

(さいせんの かたきおとして あきのくれ) NHK俳句 令和3年10月放送応募句兼題:秋の暮岸本尚毅先生 選 入選 本当に久しぶりのNHK俳句入選で、番組の放送にて紹介していただきました。 選者の講評を引用します。 賽銭箱に硬貨が落ちる音を「硬き音」と詠ん…

師の訃報遅れて聞きぬ冬隣

(しのふほう おくれてききぬ ふゆどなり) あるふぁ俳壇2021年冬号掲載句小川軽舟先生 佳作 初めての小川先生選。嬉しいです!もう少し別の表現もあったかな...と投句後に思いましたが、佳作にとっていただけてよかった。

文束のかさと音せり秋の卓

(ふみたばの かさとおとせり あきのたく) 俳句界2019年10月号応募句雑詠今瀬剛一先生 選 佳作 今月の掲載句はこの句のみでした。今瀬先生に採っていただくことが多かった俳句界でした。ありがとうございました。

かに玉を織部に盛つて秋はじめ

(かにたまを おりべにもって あきはじめ) 『蒼海』6号 堀本裕樹主宰 選 美しい暗緑色の織部焼の丸皿。蟹玉の黄をのせて秋らしく。

父の忌の秋の葉山の夕日かな

(ちちのきの あきのはやまの ゆうひかな) 俳句界2019年9月号応募句兼題:「葉」名和未知男先生 選 佳作 俳句界3月号掲載予定分まで投句しておりますが、定期購読が終了することもあり、先月の投句分をもって本誌への投句をいったん終えることにしました。…

ビスケットの英字ならべて夜の長し

(ビスケットの えいじならべて よのながし) 俳句界2019年8月号応募句雑詠茨木和生先生 選 佳作櫂未知子先生 選 佳作 小川洋子さんの小説『人質の朗読会』から発想を広げました。小川さん大好きなのです。

夜長より墨絵の龍の放たれり

(よながより すみえのりゅうの はなたれり)NHK松山放送局 ラジオまどんな句会 2019.11.5(火)兼題:夜長神野紗希さん選 作句にあたっての紗希先生からのメッセージは、「日が暮れるのが早くなり、長くなった夜の時間を、みなさんはどう過ごしていますか。…

諸事終へて二百十日の夕餉かな

(しょじおえて にひゃくとうかの ゆうげかな) NHK俳句 令和元年9月放送応募句兼題:厄日宇多喜代子先生 選 佳作 季語は二百十日、厄日、二百二十日。立春から数えて二百十日めの意で、九月一日ごろ。「二百二十日」とともに台風が襲来することが多い時期で…

秋の夜の裸婦の油絵古びゆく

(あきのよの らふの あぶらえ ふるびゆく) まのあたり句会 2019.9.1(日)野口る理さん 並選 少し前になりますが、久しぶりに東京の句会に参加してきました。8月31日に「いるか句会」、9月1日に「まのあたり句会」です。この回のまのあたり句会の講師が、…

爽やかにももいろの杖歌舞伎座へ

(さわやかに ももいろのつえ かぶきざへ) 『蒼海』3号 堀本裕樹主宰 選 この頃、母にピンクの杖を買ってあげたのでした。少しでも気持ちも活動の範囲も広がるといいなと思って。 爽やか。傍題は爽涼、さやけし、さやか。秋の清々しさをいう。大気が澄み、…

清掃を終へたる処暑の外野席

(せいそうを おえたるしょしょの がいやせき) 俳句界2018年8月号応募句雑詠大串章先生 選 佳作高校野球が終わった頃の野球場の雰囲気を読んだつもりです。 処暑は新暦8月23日ごろにあたる。このころ暑さが一段落する。

海峡の風吹きわたり涼新た

(かいきょうの かぜふきわたり りょうあらた)俳句界9月号応募句俳句トーナメント堀本裕樹先生 選

さはやかにカノン流るる新校舎

(さわやかに かのんながるる しんこうしゃ)俳句界9月号応募句俳句トーナメント石井ひさお先生 選佐久間慧子先生 選

秋澄みて海の蒼さの戻りけり

(あきすみて うみのあおさの もどりけり) 第9回いるか通信句会 堀本裕樹先生 秋になると、さまざまなものが澄んできますね。海もさらに澄み、蒼を取り戻したのですね。この句も美しいですね。 自分でも気に入っている十二音だったので、先生に添削してもら…

秋の夜や妻の名借りて試し書き

(あきのよや つまのなかりて ためしがき) 俳句界8月号応募句。兼題:「書」大高霧海先生 選 佳作

白露や笹の葉末に朝日照る

(しらつゆや ささのはずえに あさひてる)伊吹嶺会 坪野洋子 先生 【添削句】日を宿す笹の葉先の露の玉 白露に朝日が当たっている景を詠みたいのだから、上五で切ってしまうと句意が曖昧になってしまう。原句は朝日に主点があるが、添削句は露に焦点をあて…

空笛の追い越してゆく秋の昼

(くうてきの おいこしてゆく あきのひる)伊吹嶺会 渡辺慢房 先生 【添削句】空笛の川面に響く秋日和