夏 生活

氷菓売る夜の東京タワー背に

(ひょうかうる よるのとうきょうタワー せに) 『蒼海』22号 堀本裕樹主宰 選 東京スカイツリーのライティングがアイスキャンディーのような色合いだったのを見て。音数の都合で東京タワーに変えました。

夕風に帰省の兄の寝まりをり

(ゆうかぜに きせいのあにの ねまりおり) 『蒼海』22号 堀本裕樹主宰 選 コロナ禍の規制が緩和されたGW明けに「久しぶりにお袋の顔を見たい」と兄が帰ってきました。普段は都会暮らしの兄。夕方、気持ちよさそうに昼寝をしておりました。

噴水に街の歳月ありにけり

(ふんすいに まちのさいげつ ありにけり) ふらんす堂通信 177号うづら集 雑詠 西村麒麟先生 選 今号は5句中3句掲載でした。実景を通して実感を詠んだ句で、シンプルな作りが自分でも気に入っています。クローズドの句会で割と評価をいただけたのですが、な…

学会やカンカン帽の師が来たる

(がっかいや カンカンぼうの しがきたる) ふらんす堂通信 177号うづら集 雑詠 西村麒麟先生 選 学会風景。実際は「ハンチング帽」の師でした! カンカン帽は夏帽子の傍題です。

夏休間近に来たる転校生

(なつやすみ まぢかにきたる てんこうせい) 『蒼海』18号 堀本裕樹主宰 選 中学時代の思い出から。中途半端な季節に転校してきていつの間にかまたどこかへ転校していった同級生のことを詠んでみました。 18号は8句掲載でした。そして巻頭4席でした\(^o^)/…

遅れ来て扇子せつせと使ひをる

(おくれきて せんすせっせと つかいおる) 『蒼海』18号 堀本裕樹主宰 選 私が超暑がり💦で、どこに行っても扇子をぱたぱたしているので、そんなところから作ってみた句でした。

船降りて祭の団扇すぐもらふ

(ふねおりて まつりのうちわ すぐもらう) 『蒼海』18号 堀本裕樹主宰 選 初案は「渡船降り祭の団扇もらひけり」。「上五が若干説明的。下五の"けり"で格調の高い句にしても悪くはないが、この句は滑稽味が欲しい」と主宰よりアドバイスをいただきました。…

どん底を生き抜くための冷蔵庫

(どんぞこを いきぬくための れいぞうこ) ふらんす堂通信 173号花実集 兼題『冷蔵庫』 髙田正子先生 選 今号は5句中3句掲載でした。季節を後戻りしておりますが、ブログにアップするのをすっかり忘れておりました。しかも次号の花実集は投句すら忘れている…

猫の尻ぽんぽんしをる浴衣かな

(ねこのしり ぽんぽんしをる ゆかたかな) NHK俳句 令和4年5月放送応募句テーマ:ファッションまたは自由題堀本裕樹先生 選 佳作 「れっちも」のペンネームで掲載されました。夏の季語が指定されていたことを知らず、当初春の季語で作ってしまい、締切30分…

風鈴の音に始まる夕べかな

(ふうりんの おとにはじまる ゆうべかな) NHK俳句 令和3年7月放送応募句兼題:風鈴櫂未知子先生 選 佳作 風鈴は考えれば考えるほど類想になってしまいました。

蜜豆や走り書きして追悼句

(みつまめや はしりがきして ついとうく) 『蒼海』10号 堀本裕樹主宰 選

ホスチアをいただく列に日焼の子

(ホスチアを いただくれつに ひやけのこ) 『蒼海』10号 堀本裕樹主宰 選 学生時代の礼拝の時間を思い出して...。

船よぎる青き網戸となりにけり

(ふねよぎる あおきあみどと なりにけり) 『蒼海』10号 堀本裕樹主宰 選 俳句を始めた頃に作った句のリメイクでした。

あしらひの銀の鶴美し夏料理

(あしらいの ぎんのつるはし なつりょうり) あるふぁ俳壇2020年秋号掲載句予選通過句 ブログ更新をサボっていて(アップする句がなく)自分でも忘れていた句でした(汗)成績振るわず。

愛慕濃くチェロを抱きゐる白シャツよ

(あいぼこく チェロをだきいる しろシャツよ) 『蒼海』9号 堀本裕樹主宰 選 9号は10句中6句掲載でした。相変わらずの成績です(笑) 来世はチェロ弾きになりたい檸檬でございます。

ソフトクリーム輝く思ひ出の中で

(ソフトクリームかがやく おもいでのなかで) NHK俳句さく咲く!令和2年7月放送応募句兼題:氷菓櫂未知子先生 選 佳作 前年度までのように多作して投句する余力のないなか、毎号一句でもテキストに掲載されると本当に嬉しいです(涙)

暁のインドの風に髪洗ふ

暁のインドの風に髪洗ふ(あかつきの インドのかぜに かみあらう) NHK俳句 令和2年7月放送応募句兼題:髪洗ふ対馬康子先生 選 佳作 NHK俳句で初めての対馬先生選でした。以前に角川『俳句』令和俳壇で推薦をいただいたときの句と少し近いイメージで作句しま…

甘酒や隣で猫がふんと言ひ

(あまざけや となりでねこが ふんといい) NHK俳句さく咲く!令和2年6月放送応募句兼題:甘酒櫂未知子先生 選 佳作 困ったときの猫句。このごろは雑誌投句等が減り、ブログを更新する機会がないのが寂しいです。

海の砂払へば素足あらはなり

(うみのすな はらえば すあしあらわなり) NHK俳句 令和2年5月放送応募句兼題:素足小澤 實先生 選 佳作 NHK俳句の第1~3週で佳作に入るのはいつ以来でしょうか(汗)生涯初めての小澤先生選が嬉しいです。

新しい机を入れて貝風鈴

(あたらしい つくえをいれて かいふうりん) 『蒼海』6号 堀本裕樹主宰 選 退院後の母を迎え入れるために一部屋片付け、新しくしました。夏らしい貝風鈴の音色とともに。

薔薇の香の泡たて母の髪洗ふ

(ばらのかの あわたてははの かみあらう) 『蒼海』6号 堀本裕樹主宰 選 退院後しばらく母の髪を洗ってあげていました。病院のベッドの上で父の髪を洗い、そして今度は母の髪を洗い、そんな日が自分にも来るものなのですね。

一人みる花火の空の遠かりき

(ひとりみる はなみのそらの とおかりき) 俳句界2019年7月号応募句雑詠櫂未知子先生 選 秀逸今瀬剛一先生 選 佳作 海の日にちなんで地元の港で毎年花火大会が開催されます。早めに食事を済ませてビールやジュース、アイスやフルーツなどを銘々がもち、自宅…

いつせいにバタ足進む初プール

(いっせいに バタあしすすむ はつプール) 俳句界2019年6月号応募句目からウロコの!俳句添削教室長嶺千晶先生 選 添削 初めて添削をいただきました。嬉しいです\(^o^)/《添削》いつせいにバタ足進みプール燦 「燦」なんて自分では絶対に思いつきません✨…

病床の母残し来てソーダ水

(びょうしょうの ははのこしきて ソーダすい) 俳句界2019年6月号応募句雑詠今瀬剛一先生選 佳作西池冬扇先生 選 佳作 母入院中の句です。母がリハビリ室や検査室に行っている間、ドトールでカフェオレを飲んで一息つくのが日課でした。

片恋の子の縫ひあげし浴衣かな

(かたこいの このぬいあげし ゆかたかな) NHKラジオ 文芸選評 令和元年7月放送応募句 兼題:浴衣西村和子先生 選 佳作 文選は投句できていない月もあるのですが、3月の兼題「雛あられ」に続いて二度目の佳作!嬉しいです。 被服学科卒で現在家庭科の教員を…

銀匙の光を添へてシャーベット

(ぎんさじの ひかりをそえて シャーベット) あるふぁ俳壇2019年秋号掲載句井上弘美先生 入選 今年の春号から三度目の投句。井上先生は今号からの選者で、思いがけず入選をいただきました。この句は6月12日の、母が手術室から戻ってくるまでの待機時間に作…

羽根のない扇風機居間他人めく

(はねのないせんぷうき いまたにんめく) 角川俳句2019年9月号掲載句令和俳壇 雑詠 小林貴子先生選 佳作 三句投句のうち残り一句がなかなか思いつかず、苦し紛れに作った句ではあったのですが、評価していただけて本当に嬉しいです。小林先生の選は初めてで…

醤油屋の軒先揺るる蛍籠

(しょうゆやの のきさきゆるる ほたるかご) ふらんす堂通信 161号花実集 雑詠 髙田正子先生 選 県内に蛍籠飾りで町おこしをしている蛍の観賞地があり、そこからの作句です。投句したあとで、『単に蛍籠という季語の説明になっているかも...』と思いました…

水鉄砲潜んでゐたる角曲がる

(みずでっぽう ひそんでいたる かどまがる)俳句ポスト365(第217回 2019年3月21日週の兼題:水鉄砲)夏井いつき先生 選 人選 水鉄砲。例句を読めば読むほど難しかったです。類想から逃れられませんでした。採っていただいた句は多少景のみえる句でしょうか…

洗濯に耐えしハンカチ婚十年

(せんたくにたえし ハンカチ こんじゅうねん)NHK松山放送局 ラジオまどんな句会 2019.5.7(火)兼題:ハンカチ神野紗希さん選 ハンカチは夏の季語で、傍題にハンカチーフ、ハンケチ、汗拭い、汗ふきがあります。暑さ、涼しさ、又そこに織りなす人間模様を…