夏 時候

三伏や鳥居残れる廃漁港

(さんぷくや とりいのこれる はいぎょこう) 『蒼海』22号 堀本裕樹主宰 選 散歩中にみつけた漁港近くの小さな神社からの創作句。寂れたひなびた港ですが健在で、廃漁港は言い過ぎです(汗)

初夏の岬大きく回るバス

(はつなつの みさきおおきく まわるバス) 『蒼海』22号 堀本裕樹主宰 選 近所の小さな漁港の手前がバスの終着地。

草の上に五月の新譜聴いてをり

(くさのうえに ごがつのしんぷ きいており) 『蒼海』17号 堀本裕樹主宰 選 句会で主宰特選をいただいた句でした。 17号は8句掲載でした。 春から初夏の句を掲載しましたが、風の一段と強い冬の朝です。ベランダの洗濯物が飛ばされるのではないかとはらはら…

夕涼の天ゆ落ちくる尾羽かな

(ゆうすずの てんゆおちくる おばねかな) 『蒼海』14号 堀本裕樹主宰 選 天ゆの「ゆ」は古語の格助詞で「・・・から」という意味。空から鳥の尾羽が舞い落ちてきたところを詠みました。

夕涼の大樹に父の匂ひせり

(ゆうすずの たいじゅにちちの においせり) ふらんす堂通信 169号花実集 兼題「涼し」 髙田正子先生 選

夏至の夜の白きソファーに白き猫

(げしのよの しろきソファーに しろきねこ) 『蒼海』10号 堀本裕樹主宰 選 藤田嗣治『白い猫』のイメージです。

五月来る賛美歌集をめくるとき

(ごがつくる さんびかしゅうを めくるとき) 『蒼海』10号 堀本裕樹主宰 選 学生時代を思い出して詠みました。

乾ききる食器真白き聖五月

(かわききる しょっきましろき せいごがつ) 『蒼海』10号 堀本裕樹主宰 選 初夏の季語。「聖五月」、「五月来る」がとくに好きです。

ファインダーいつぱいの風麦の秋

(ファインダー いっぱいのかぜ むぎのあき) ふらんす堂通信 165号花実集 雑詠 髙田正子先生 特選 ふらんす堂通信で初めて特選をいただきました(涙)いつか麦の秋/麦秋で句を作ってみたいと思っていたのです。以下、髙田先生からいただいた選評です。ありが…

胸元にカメオの天使五月来る

(むなもとに カメオのてんし ごがつくる) ふらんす堂通信 165号花実集 雑詠 髙田正子先生 選 この句をほめてくださった方がいて...。幸せな句です。

俯せの骸の鴉灼かれたり

(うつぶせの むくろのからす やかれたり) 『蒼海』6号 堀本裕樹主宰 選 実景です。炎天下、道端に動かぬ一羽の鴉が居て、近寄るとそれはすでに亡骸(なきがら)でした。その姿は両腕を広げた黒いキリストが真夏の太陽にじりじりと灼かれているかのようでし…

一杯の水飲み干して翌は秋

(いっぱいの みずのみほして あすはあき) 俳句界2019年7月号応募句ここを直せば入選有馬朗人先生 2回目の「ここを直せば入選」でした。 一杯の水飲み干して明日は秋(添削句) 「翌は」を「明日は」に直していただきました。拙句への直接のコメントはなく…

生きたしと手術前夜の暑さかな

(いきたしと しゅじゅつぜんやの あつさかな) NHK俳句さく咲く!令和元年7月放送応募句兼題:暑さ堀本裕樹先生 選 佳作 こんな句もありでしょうか。母の手術の2日前が『暑さ』の投句締切日でした。元気になるための手術とはいえ、高齢の母にはそれなりの覚…

短夜や北欧製の父の椅子

(みじかよや ほくおうせいの ちちのいす) 俳句界2019年4月号応募句目からウロコの!俳句添削教室長嶺千晶先生 選 合格句 久しぶりの、3回目の添削教室合格句です。嬉しい♪ 昨年、『デーンマーク・デザイン展 ヒュゲのかたち』で素敵な椅子たちを観て以来、…

直進車のひつきりなしに街路炎ゆ

(ちょくしんしゃの ひっきりなしに がいろもゆ) 『蒼海』2号 堀本裕樹主宰 選 夏から母の通院の付き添いが始まりました。交差点で右折したいのに直進車がなかなか途切れず、真夏の日差しがぎらぎらと照りつける、そんな街を詠んだ実景句でした。 炎ゆは「…

窓口の花の替はりし大暑かな

(まどぐちの はなのかわりし たいしょかな) 俳句界2018年7月号応募句雑詠茨木和生先生 選 佳作 今月はまことに出来が悪く...。ちなみに兼題は二句とも没。ま、それもデフォルトではありますが。

月桂冠かぶつたままの夏カレー

(げっけいかん かぶったままの 夏カレー) 『蒼海』創刊号 堀本裕樹主宰 選

新宿の夏の夕べの酒場かな

(しんじゅくの なつのゆうべの さかばかな) 俳句界2018年6月号応募句雑詠大串 章先生 選 佳作田島和生先生 選 佳作 5月下旬に仕事のイベントと句会で東京に行った際、夕方から新宿に繰り出したときのことを詠みました。新宿三丁目『池林房』

風あたりほどよき場所に初夏の猫

(かぜあたり ほどよきばしょに しょかのねこ) 俳句界2018年4月号応募句俳句トーナメント佐久間慧子先生 選 佳作 猫俳句を採っていただいて嬉しいです♪

七月の美術館いま通り雨

(しちがつの びじゅつかんいま とおりあめ) 俳句界2017年7月号応募句雑詠今瀬剛一先生 選 佳作坂口緑志先生 選 佳作

ビル街の無表情なる熱帯夜

(ビルがいの むひょうじょうなる ねったいや) 俳句界2017年7月号応募句兼題:「無」田中 陽先生 選 佳作

六月の青きポストへ雨便

(ろくがつの あおきポストへ あまだより) 俳句界2017年6月号応募句雑詠佐藤麻績先生 選 佳作

この窓のこの空が好き夏来たり

(このまどの このそらがすき なつきたり) 俳句界2017年5月号応募句俳句トーナメント堀本裕樹先生 選佐久間慧子先生 選 自分でもお気に入りの句でした。季語は「夏来る」で「なつくる」とも「なつきたる」とも。ということは、送り仮名は「夏来り」だったか…

浮かびたる芒種の夜の天守かな

(うかびたる ぼうしゅのよるの てんしゅかな)俳句ポスト365(第170回 2017年4月20日週の兼題:芒種)夏井いつき先生 選 人選計4句を投句。

ハッカ味のドロップ残る缶に夏

(ハッカあじの ドロップのこる かんになつ)堀本裕樹先生 第78回いるか句会 兼題:自由題 平成29年5月20日(土)開催 於:NATULUCK四ツ谷 3F 堀本裕樹先生 選 佳作4点初めて句会というものに参加しました。しかも「東京」での句会です。大変緊張しましたが…

分譲の看板眩し街薄暑

(ぶんじょうの かんばんまぶし まちはくしょ)俳句ポスト365(第168回 2017年3月23日週の兼題:薄暑)夏井いつき先生 選 人選計5句を投句。

バスを待つ空に晩夏の始まれり

(バスをまつ そらにばんかの はじまれり)俳句界8月号応募句。雑詠古賀雪江先生 選 秀逸雑詠、兼題、トーナメントで計7句投句。4句とって戴き、1句がまさかの秀逸でした。ビギナーズラックが続きます。

夏果ての水沫に触るる浜辺かな

(なつはての みなわにふるる はまべかな) 第8回いるか通信句会 堀本先生に添削していただきました。 「水沫に触るる」をもう少し具体的に鮮明な光景として見せたかったかなと思いました。

通過するホームの灯り晩夏かな

(つうかする ほーむのあかり ばんかかな)伊吹嶺会 渡辺慢房 先生 【添削句】行く夏や灯り滲める夜のホーム

番犬の押し黙りゐる溽暑かな

(ばんけんの おしだまりいる じょくしょかな)いつも通る道でいつも吠えやがる白い犬。今日はじっとこちらを見てるだけ。カメラを向けると吠えそうなのでやめました。