夏 天文

青梅雨やキリン舎前の献花台

(あおつゆや キリンしゃまえの けんかだい) 『蒼海』18号 堀本裕樹主宰 選 県内の動物園でキリンが亡くなり、献花台が設けられていたのを見て作った句です。句会で主宰から「青、キリンの黄色、献花の花束の色」の複雑な色彩感覚を評していただいた句でし…

妊孕の火照りなるもの夏の月

(にんようの ほてりなるもの なつのつき) 角川俳句2022年11月号掲載句令和俳壇 雑詠 成田一子先生選 佳作 今年二回目の投句。来年は令和俳壇への投句も再開できればいいなと思います。

薫風や言の葉紡ぐ青きペン

(くんぷうや ことのはつむぐ あおきペン) ふらんす堂通信 173号花実集 雑詠 髙田正子先生 選

青嵐見たる防弾ガラスより

(あおあらしみたる ぼうだんガラスより) NHKラジオ 文芸選評 令和4年6月11日放送応募句 兼題:青嵐藤井あかりさん 選 憧れのあかりさんの放送回でした(嬉) 以下、放送中の選評の書き起こしです。 日本で防弾ガラスと言いますと要人を乗せる特別車両ですと…

梅雨闇の白磁の壺のほの青し

(つゆやみの はくじのつぼの ほのあおし) 『蒼海』14号 堀本裕樹主宰 選 NHKの「美の壺」を観ながら作った句です。

煎餅の甘塩つぱさや夕焼坂

(せんべいの あまじょっぱさや ゆやけざか)NHK松山放送局 ラジオまどんな句会 2020.7.2(木)兼題:夕焼神野紗希さん選 作句にあたっての紗希先生からのメッセージは、「燃えるような一日の終わりに訪れる夏の夕焼は、心身にしみとおってゆく、圧倒的な印…

夏の月主治医に脈をとられゐて

(なつのつき しゅじいにみゃくを とられいて)NHK松山放送局 ラジオまどんな句会 2019.8.20(月)兼題:夏の月/冷蔵庫/毛虫神野紗希さん選 今月の放送は俳句甲子園スペシャル!ということで、今年度の俳句甲子園の兼題であった『夏の月』、『冷蔵庫』、『毛…

喜雨来る空深きより神の声

(きうきたる そらふかきより かみのこえ) 俳句界2019年4月号応募句兼題:「声」大高霧海先生 選 佳作 単純に季語のイメージから作句しました。 喜雨 晩夏の季語。夏の日照りが続いたあとの、待ちに待った雨である。人はもちろん、作物や植物にも喜びを与え…

虹立ちて青空磨く仕事して

(にじたちて あおぞらみがく しごとして)俳句新聞いつき組 19号 虹の座決定戦(2019年7月掲載分 )夏井いつき先生 選 秀逸 1年間だけ購読することにした『俳句新聞』。今回は秀逸でした。一歩前進が嬉しいです(^^)

天窓の小さき空より星涼し

(てんまどの ちさきそらより ほしすずし) 俳句界2018年6月号応募句雑詠稲畑廣太郎先生 選 秀逸能村研三先生 選 佳作 今号は7句中4句掲載。うち一句が秀逸。自分でもあまり出来の良くない投句内容だったと思うので上出来です。秀逸選では中七が『小さき窓よ…

梅雨晴の砂場にできる山いくつ

(つゆばれの すなばにできる やまいくつ) 俳句界2018年6月号応募句兼題:「砂」高橋将夫先生 選 佳作 NHK俳句で岸本尚毅先生が下五を「〇〇いくつ」に添削されたのを見て以来、いつか自分も使ってみようと思っていたのでした。 梅雨晴は五月晴、梅雨晴間と…

薫風や写生の筆を休めたり

(くんぷうや しゃせいのふでを やすめたり) 俳句界2018年5月号応募句兼題:「生」名和未知男先生 選 佳作 兼題は二句投句して全没のことが多いので一句のみでも選入りは嬉しいです。ただ他の方の句を拝見すると、私は俳句界の漢字一文字兼題を少し難しく考…

老い猫のしつぽを立てり虹立てり

(おいねこの しっぽをたてり にじたてり) NHK松山放送局 ラジオまどんな句会 2018.7.2(月)兼題:虹神野紗希さん選 投句したものの、この日は大阪で夕方までセミナーに参加し、ラジオを聴けないだろうと諦めていました。でも帰りの新幹線の中で放送を聴く…

消えかけし虹の再生ボタン押す

(きえかけし にじのさいせい ボタンおす) 俳句ポスト365(第195回 2018年5月3日週の兼題:虹) 夏井いつき先生 選 人選 虹は二音で、句形の自由度は高いはずなのですが、発想もそれほど飛ばなくて難しかった。没句は少し作り替えて他所に投句してみようと…

胎の子の五十日目の月涼し

(はらのこの ごじゅうにちめの つきすずし)一句一遊 兼題:五十 夏井いつき先生 選 2018.6.1(金) 山口から参加清々レモンの一句。◇鯛の子の五十日目の月涼し 山口・清々レモン「五十日目」という感慨ですね。「月涼し」とこの見上げる月のね、何と美しい…

夕立の赤く弾けて今日の暮

(ゆうだちの あかくはじけて きょうのくれ) 俳句界2017年8月号で選外になった句。推敲の甘いまま投句した結果、夕立と暮れで時間の描写が重複していますね。 愛読している笹下蟷螂子さんの句集『忘れ雪』のなかに次の句を見つけました。 火の音を立てて降…

ひまはりてふ巨船南へ夏の雨

(ひまわりという きょせんみなみへ なつのあめ) 俳句界2017年6月号応募句雑詠今瀬剛一先生 選 佳作鈴木しげを先生 選 佳作

夕立や社務所の猫の眠り顔

(ゆうだちや しゃむしょのねこの ねむりがお)俳句界8月号応募句。雑詠角川春樹先生 選 佳作

五月雨やココアの湯気の伸びゐたり

(さみだれや ここあのゆげの のびいたり) 俳句ポスト365の兼題「五月雨」 七句投句しましたが全滅。 俳句ポスト365(第150回 2016年6月23日週の兼題:五月雨)に投句し、並選にとっていただきました。 午前中、HPで検索したときには、自分の句を見つけられ…

五月雨のやみまに遠く猫のこゑ

(さみだれの やみまにとおく ねこのこえ)

日覆をつかまんとする蔓一本

(ひおおいを つかまんとする つるいっぽん) 散歩途中にみかけた、剪定されたばかりの垣根から一本にょきっと顔を出していた草の蔓が面白くて...。

雷霆に大樹の芯の震ひけり

(らいていに たいじゅのしんの ふるいけり)

虹立ちて浜へ駆け出す腓かな

(にじたちて はまへかけだす こむらかな)

朝焼けに生くると死ぬる鴉あり

(あさやけに いくるとしぬる からすあり) 早朝散歩中、車の往来が途絶えた交差点でバサバサッと音がするので振り返ると、烏が雀に襲いかかり、そのまま咥えていきました。そして散歩道を進むと、道路の脇に一羽の烏の亡骸がありました。生と死の連鎖を感じ…

夕立の鼻腔くすぐる冷気かな

(ゆうだちの びくうくすぐる れいきかな) 写真はフリー素材をお借りしました。

色づけど鞠になれずや早梅雨

(いろづけど まりになれずや ひでりづゆ) 二年越しに一輪のみ咲きました。手入れが悪いせいか、花の付き方が長細く妙なのです。