冬 植物

寒林の日暮や言葉こぼれくる

(かんりんの ひぐれやことば こぼれくる) 『蒼海』16号 堀本裕樹主宰 選 寒林という季語で句を作りたく、近所の公園のメタセコイア並木を寒林に見立てて詠んだ句です。樹間からこぼれる陽のひかりや鳥の鳴き声が美しい夕暮れ時でした。

人参に土の匂ひや朝清し

(にんじんに つちのにおいや あさすがし) NHK俳句さく咲く!令和2年11月放送応募句兼題:人参櫂未知子先生 選 佳作 投句の際、句のふりがなを「あさきよし」としており、あわてて再投句しました。

冬桜暮光に汝の顔見えず

(ふゆざくら ぼこうになれの かおみえず) 『蒼海』8号 堀本裕樹主宰 選 ふゆざくら息がこんなにさみしいとは 津久井紀代 この句が大好きで、自分でも冬桜の句を作ってみました。

雨粒に磨かれてをり大枯木

(あまつぶに みがかれており おおかれき) 『蒼海』8号 堀本裕樹主宰 選 雨上がりの買い物道、雨だれをたくさんつけた枝がきらきらとしていました。

日溜に蜜を吸ふもの石蕗の花

(ひだまりに みつをすうもの つわのはな) 俳句界2019年10月号応募句雑詠茨木和生先生 選 佳作 このあとに別の石蕗の花の句を記事にしておりますが、同じ日に作った句です(プチプチ一人吟行句)。

水底へ銀杏落葉のほの明り

(みなそこへ いちょうおちばの ほのあかり) 俳句界2019年10月号応募句雑詠稲畑廣太郎先生 選 佳作辻桃子先生 選 佳作 2016年7月から始めた俳句界への投句も今回が終わりです。やめるとなると少しさみしいものがあります。ブログの更新も減りますしね。また…

飛ぶものの大きくみえて枯木立

(とぶものの おおきくみえて かれこだち) NHKラジオ 文芸選評 令和元年12月放送応募句 兼題:枯木西村和子先生 選 佳作 久しぶりの佳作入選です!嬉しい。 三句投句したうち、この句はなんとかオリジナリティがあったかなと思いました。

図書館の窓枯れふかし名画めく

(としょかんの まどかれふかし めいがめく) ふらんす堂通信 163号花実集 兼題「枯る」 髙田正子先生 添削 初めて添削をいただきました。嬉しい!原句 図書館の窓枯れふかし名画めく添削例 枯ふかし図書館の窓名画めく 「図書館の中から外を見ていて、窓枠…

硝子戸を放てば石蕗の花日和

(がらすどを はなてば つわのはなびより) ふらんす堂通信 163号花実集 雑詠 髙田正子先生 選 美術館のカフェで食事をしたあと、とても気持ちのよい小春日和でしたので中庭に出てみました。庭に出るとき、大きなガラスのドアを押し開けるのです。プチプチ一…

木の葉降る写真のなかの父へ降る

(このはふる しゃしんのなかの ちちへふる) NHK俳句さく咲く!令和元年11月放送応募句兼題:木の葉堀本裕樹先生 選 佳作 母のことを詠んだ句と亡き父を詠んだ句を一句ずつ投句しました。自分では出来は母句のほうがよいかなと思っておりましたが、結果は父…

めづらしと海老芋買うて帰りけり

(めずらしと えびいもこうて かえりけり) 俳句界2019年1月号応募句雑詠鈴木しげを先生 選 佳作行方克巳先生 選 佳作 海老芋。ねっとりとして美味しくておでんに入れるのが大好きなのですが、このあたりでは売っていないことも多くて。櫂未知子先生に採って…

花八ツ手咲かせて喫茶マルセイユ

(はなやつで さかせてきっさ マルセイユ) あるふぁ俳壇2019年春号掲載句 その前の冬号を初めて購入し、初めて投句してみました。あるふぁ俳壇の選句ルールをよくわかっていないのですが、選者の入選◎、佳作〇、予備選に入った作品*というマークがあり、今…

東天の白白として葱畑

(とうてんの しらじらとして ねぎばたけ) NHK俳句さく咲く!平成30年11月放送応募句兼題:葱櫂未知子先生 選 佳作 葱の句。いろいろと考えたのですが。一番シンプルな句を選んでいただきました。嬉しいです。景が立つ句を心がけたいと思います。この兼題か…

見なれたるはずの団地を枇杷咲けり

(みなれたる はずのだんちを びわさけり)俳句ポスト365(第208回 2018年11月1日週の兼題:枇杷の花)夏井いつき先生 選 人選 枇杷の花。木に実がなっているのはよくみかけますが、そう言われてみれば花をじっくりと見たことはありません。そんなところを句…

薄皮の薄き蜜柑を好みけり

(うすかわの うすきみかんを このみけり) 俳句界2017年12月号応募句雑詠佐藤麻績先生 選 佳作

島蜜柑耳の中まで酸つぱさが

(しまみかん みみのなかまで すっぱさが) 俳句界2017年12月号応募句兼題:「中」高橋将夫先生 選 佳作名和未知男先生 選 佳作

室咲や待合室の消灯す

(むろざきや まちあいしつの しょうとうす) NHK俳句さく咲く!平成30年1月放送応募句兼題:室咲櫂未知子先生 選 佳作 室咲とは、春に咲く花を温室の中で促成栽培をして咲かせたもの。シクラメンが代表的である。室咲と聞いてもピンときませんでした。兼題…

寒梅や夫の御守選びをり

(かんばいや つまのおまもり えらびおり)俳句界12月号応募句雑詠原和子先生 選 佳作

山茶花の二輪うつむきあふてをり

(さざんかの にりん うつむきあうており)俳句界11月号応募句雑詠西池冬扇先生 選 佳作

山茶花の白より先に散りにけり

(さざんかの しろよりさきに ちりにけり)伊吹嶺会 渡辺慢房 先生 【添削句】山茶花の白き花より散り初めぬ

我がこころ艶やかなるや実万両

(わがこころ つややかなるや みまんりょう)

行く先の青空透かす冬木立

(ゆくさきの あおぞらすかす ふゆこだち)

人知れず母屋守るや臘梅香

(ひとしれず おもやまもるや ろうばいか)