冬 時候

白波を腿に繁吹かせ寒禊

(しらなみを ももにしぶかせ かんみそぎ) 『蒼海』20号 堀本裕樹主宰 選 地元海岸で行われた寒中禊の様子を句にしました。20号は8句掲載でした。そして今号では蒼海鼎談に🍋も呼んでいただきました。 相変わらずの「溜めてアップ」の悪しき習慣を改めねばと…

花殻を庭に焚く香や小晦日

(はながらを にわにたくかや こつごもり) 『蒼海』20号 堀本裕樹主宰 選 句会で主宰特選をいただいた句。昔は仏壇のお花が枯れたら両親が庭で焚いて処分していたように記憶しています。小晦日(こつごもり)は一年の最後の日にあたる大晦日に対して、その…

極月や小さき祠の小さき神

(ごくげつや ちさきほこらの ちさきかみ) 『蒼海』20号 堀本裕樹主宰 選 雪の日の実景を詠んだ句で、当初、上五は「雪かむる」でした。「雪を降らすとベタ。上五を『や切り』にした方がよい」と主宰から助言をいただきました。

立冬の酒に神の名ありにけり

(りっとうの さけにかみのな ありにけり) ふらんす堂通信 175号花実集 雑詠 髙田正子先生 選

小春日や色とりどりのジャムの棚

(こはるびや いろとりどりの ジャムのたな) NHK俳句 令和4年5月放送応募句テーマ:屋内または自由題堀本裕樹先生 選 佳作 「れも助」のペンネームで掲載されました。今年度ようやく2回目の掲載~(^_^;

教室の冬日膨らむチェロの音に

(きょうしつの ふゆひふくらむ チェロのねに) 『蒼海』16号 堀本裕樹主宰 選

寒の雨庭を眺むるための椅子

(かんのあめ にわをながむる ためのいす) NHKラジオ 文芸選評 令和4年1月8日放送応募句 兼題:寒藤井あかりさん 選 憧れのあかりさんの回でしたので、久しぶりに投句しました(嬉) 以下、放送中の選評の書き起こしです。 家の中に食事をするための椅子とか…

燐寸擦る音冴ゆるなり星なき夜

(まっちする おとさゆるなり ほしなきよ) 『蒼海』11号 堀本裕樹主宰 選 2017年にいるか通信句会(懐かしい!)に投句した句のリメイクでした。 結社誌到着後、ブログにアップするのを忘れていました(汗)前号に続き11号も8句掲載していただきました(嬉)

待春や猫小説の第一話

(たいしゅんや ねこしょうせつの だいいちわ) NHK俳句 令和3年1月放送応募句兼題:春待つ小澤 實先生 選 佳作 ようやく2回目の小澤先生佳作でした(嬉)

年送る粥の小鍋を洗ひつつ

(としおくる かゆのこなべを あらいつつ) ふらんす堂通信 167号花実集 雑詠 髙田正子先生 選 年送るは「行く年」の傍題。

蓋かたく閉ぢて冷たきピアノかな

(ふたかたく とじてつめたき ピアノかな) 『蒼海』8号 堀本裕樹主宰 選 何度か作り替え、最終的にシンプルな句(?)になりました。

夢占のごと冬暁の聖書引く

(ゆめうらのごと とうぎょうのせいしょひく) 角川俳句2020年5月号掲載句令和俳壇 題詠「夢」 夏井いつき先生選 秀逸 投句したときには「どうだろう~?意味不明の句かも...」と我ながら自信のない句でしたが、いま見直すとなかなかの名句です! というのは…

チェロ深く冬の宇宙の朗読会

(チェロふかく ふゆのうちゅうの ろうどくかい) 『蒼海』7号 堀本裕樹主宰 選浅田真央さんのプログラム『チェロ・スイート~バッハ無伴奏チェロ組曲第3番』からの構想で、『バッハ無伴奏』、『無伴奏チェロ組曲』と詠み込んでみたかったのですが、先行句が…

小春日の消し忘れゐるラジオかな 

(こはるびの けしわすれいる ラジオかな) 『蒼海』7号 堀本裕樹主宰 選

元彼と小春のバッティングセンター

(もとかれと こはるの バッティングセンター) 俳句界2019年11月号 恋する俳句 掲載句編集部選 優秀作品 このコーナーの作品募集が10月で終了ということで投句してみました。こういうのも楽しいですね。

冬ざれに小栴檀草火花爆ず

(ふゆざれに こせんだんぐさ ひばなはず) 『蒼海』4号 堀本裕樹主宰 選 近くの空き家に咲いていた小栴檀草の花後の痩果を詠んでみました。いわゆるひっつき虫です。当初「花火」を比喩として使っていたのですが、「火花」のほうが勢いがあってよいかなと作…

猿の脇伸びきつてをり冬の園

(さるのわき のびきっており ふゆのえん) 『蒼海』3号 堀本裕樹主宰 選 句材を探しに動物園へ。色々な種類の猿がいて、「オープン・コンセプト」の展示法で、基本的に檻のない島に住んでいます。大きな動物はいない動物園です。

朝が来てプラネタリウムのはつ冬

(あさがきて プラネタリウムの はつふゆ) 『蒼海』3号 堀本裕樹主宰 選 句材を探しにプラネタリウムへ出かけました。我が家からは徒歩圏内。国産最古参の投影機だそうです。ちょうど来月から冬の星座の投影に変わるときでした。

大寒や銀の薬缶に酒いれて

(だいかんや ぎんのやかんに さけいれて) 俳句界2018年12月号応募句雑詠角川春樹先生 選 秀逸鈴木しげを先生 選 佳作西池冬扇先生 選 佳作 純銀製の薬缶を直火にかけて燗をつけるお店がありますよね。お酒の味がまろやかになるそうです。 選に採ってくださ…

大小の船の過ぎゆく日短

(だいしょうの ふねのすぎゆく ひみじか) NHK俳句 平成30年12月放送応募句 兼題:短日宇多喜代子先生 選 佳作 下五の日短(ひみじか)は四音で字足らずになりますが、「ひ」と「み」のあいだに「い」に近い音を入れて、「ひぃみじか」と五音で読むことがで…

あやとりの箒作る子春まぢか 

(あやとりの ほうきつくるこ はるまじか) 俳句界2018年1月号応募句雑詠田島和生先生 選 佳作西池冬扇先生 選 佳作原 和子先生 選 佳作「春まぢか」の主季語が「春近し」です。冬の終わり、春の近い訪れを待つ心。「あやとり」も冬の季語とされることがある…

裏道の猫の目細し冬ぬくし

(うらみちの ねこのめほそし ふゆぬくし)第10回いるか通信句会 堀本裕樹先生 選 佳作 「冬ぬくし」という季語の他にも、まだよい季語があるかもしれない。 「猫の目細し」はきっちりと描写できている。 「細し」、「ぬくし」と脚韻を踏むとよいかなと思い…

氷る夜や古びたインク壺の肌

(こおるよや ふるびたいんく つぼのはだ)伊吹嶺会 矢野孝子 先生【添削句】凍つる夜や父の遺愛のインク壺添削句は思いの伝わってきそうな景。凍つ(いつ)は凍る(氷る)の傍題。 今月の添削では、「三句共に完成された句ですので、このままでもよいと思い…

緩やかな笹原の道小春かな

(ゆるやかな ささはらのみち こはるかな)伊吹嶺会 渡辺慢房 先生 【添削句】笹原の尾根路辿る小春かな山の笹原を辿る気持ちよさを詠むとよい。