冬 人事

着ぶくれて車窓に続く海岸線

(きぶくれて しゃそうにつづく かいがんせん) 『蒼海』16号 堀本裕樹主宰 選 地元ローカル線の一風景。

空箱に猫の眠れる聖夜かな

(からばこに ねこのねむれる せいやかな) 『蒼海』16号 堀本裕樹主宰 選 「箱」または「函」または四角い入れ物というお題をいただいて作った句。

冬帽の写生の子の目まつすぐに

(ふゆぼうの しゃせいのこのめ まっすぐに) 『蒼海』16号 堀本裕樹主宰 選

鍋焼の沸き立つ音もいただきぬ

(なべやきの わきたつおとも いただきぬ) NHK俳句さく咲く!令和2年12月放送応募句兼題:人参櫂未知子先生 選 佳作 『食べ物の句は美味しく詠む!』を心がけたいと思います。

煮魚の白身のほろり年の宿

(にざかなの しろみのほろり としのやど) 俳句界2018年12月号応募句目からウロコの!俳句添削教室長嶺千晶先生 選 合格句 この頃、食の細くなった母に白身のお魚を煮付けてあげていたのでした。 年の宿。年越しの夜を過ごす家、あるいは宿のこと。