2019-12-28から1日間の記事一覧

2019年を振り返って2020年へ

2016年元日を私の「俳句始め」とし、まる4年が経ちました。今年の投句数は908句。主な投句先は、俳句ポスト、NHK俳句、所属結社蒼海(いるか句会を含む)、俳句界、角川俳句、あるふぁ俳壇、ラジオまどんな、ふらんす堂通信花実集などでした。来年は少し投句…

失恋の四十九日の良夜かな

(しつれんの しじゅうくにちの りょうやかな) 『蒼海』6号 堀本裕樹主宰 選 私のなかで結社誌に恋の句を投句するのは珍しいことかもしれません。まぁ失恋供養の句ですが(汗) 『失恋』という直接的な表現がどうかな?と自信なさげの句でしたが、採ってもら…

かに玉を織部に盛つて秋はじめ

(かにたまを おりべにもって あきはじめ) 『蒼海』6号 堀本裕樹主宰 選 美しい暗緑色の織部焼の丸皿。蟹玉の黄をのせて秋らしく。

殿は向日葵抱いて野辺送

(しんがりは ひまわりだいて のべおくり) 『蒼海』6号 堀本裕樹主宰 選 向日葵の花が好きだった、向日葵の花のようだった人を偲んで...。

俯せの骸の鴉灼かれたり

(うつぶせの むくろのからす やかれたり) 『蒼海』6号 堀本裕樹主宰 選 実景です。炎天下、道端に動かぬ一羽の鴉が居て、近寄るとそれはすでに亡骸(なきがら)でした。その姿は両腕を広げた黒いキリストが真夏の太陽にじりじりと灼かれているかのようでし…

夕暮れの鉄棒くるり草かげろふ

(ゆうぐれの てつぼうくるり くさかげろう) 『蒼海』6号 堀本裕樹主宰 選 夏の朝、窓を開けると網戸に見たことのない虫がとまっていました。レース模様のような透き通る羽をもつ緑色の虫。調べると草蜻蛉のようでした。その姿は儚げですが、意外に悪臭を放…

新しい机を入れて貝風鈴

(あたらしい つくえをいれて かいふうりん) 『蒼海』6号 堀本裕樹主宰 選 退院後の母を迎え入れるために一部屋片付け、新しくしました。夏らしい貝風鈴の音色とともに。

薔薇の香の泡たて母の髪洗ふ

(ばらのかの あわたてははの かみあらう) 『蒼海』6号 堀本裕樹主宰 選 退院後しばらく母の髪を洗ってあげていました。病院のベッドの上で父の髪を洗い、そして今度は母の髪を洗い、そんな日が自分にも来るものなのですね。