2019-10-11から1日間の記事一覧

仙人掌の花冠や西に土星

(さぼてんの はなかんむりや にしにどせい) 『蒼海』5号 堀本裕樹主宰 選 夏の夜空に土星がみえるとしたら、深夜3時頃でしょうか。 5号は10句中7句掲載という成績でした。6句、7句をうろうろという感じです。改めてみると植物の季語ばかりで反省。自分で…

あぢさゐや往復書簡てふ形

(あじさいや おうふくしょかんちょう かたち) 『蒼海』5号 堀本裕樹主宰 選 当初、この句はあじさい以外の季語でした。春の季語の「鳥の恋」だったかな。投句時期が5月15日頃で、季節先取りで夏の季語を少し増やしたいなと、季語をチェンジしたように思い…

馥郁と白薔薇の風マリア像

(ふくいくと しろばらのかぜ マリアぞう) 『蒼海』5号 堀本裕樹主宰 選 「馥郁と」という措辞を使ってみたくて...からの作句です。そうしましたら、蒼海5号の対談が主宰×日下野由季さん×堀切克洋さんでびっくり!日下野さんの第二句集のタイトルが『馥郁』…

百合ひらく洗礼式の朝が来て

(ゆりひらく せんれいしきの あさがきて) 『蒼海』5号 堀本裕樹主宰 選 植えた覚えのないものが庭に咲くことって結構ありますよね。わが家も植えた覚えのない百合が勝手口のコンクリートの隙間に毎年咲いてくれます。

葉桜や菩提寺の風ふくらみぬ

(はざくらや ぼだいじのかぜ ふくらみぬ) 『蒼海』5号 堀本裕樹主宰 選葉桜の中の無数の空騒ぐ 篠原梵この頃、小澤實さん著の『名句の所以』を読んでおりました。俳句あるふぁ2019年春号に小澤さんと堀本主宰の対談記事があり、篠原梵の葉桜の句についての…

虻騒ぐ五重塔の高みかな

(あぶさわぐ ごじゅうのとうの たかみかな) 『蒼海』5号 堀本裕樹主宰 選 5月の大型連休に唯一出かけたのが山口市の瑠璃光寺。句材を求めてです。結局この一句しかできませんでした。一人蕎麦屋に入り、盛りと冷や酒をいただいて帰りました。そのことも詠…

夏蜜柑剥くのが好きで世話焼きで

(なつみかん むくのがすきで せわずきで) 『蒼海』5号 堀本裕樹主宰 選 母の療養に絡めての句作が続いて恐縮ですが、去年から食が細くなってしまった母。何か少しでも口にできるものはないかと、好物の果物を買ってきてはせっせと剥いてあげる日々が続きま…