長き夜のタイプライター詩をこぼす

(ながきよの タイプライター しをこぼす) 角川俳句2023年12月号掲載句令和俳壇 雑詠 櫂未知子先生 秀逸 星野高士先生 佳作 前回投句締切に間に合わなかったので🙌🙌次号掲載分(但し、載らない確率が高い!)で一旦投句をお休みしました。

長き夜の切り胡麻香る即席麺

(ながきよの きりごまかおる そくせきめん) ふらんす堂通信 178号うづら集 雑詠 西村麒麟先生 選 サッポロ一番 塩らーめんです!袋に「切り胡麻つき」と書いてありますよ。比較的最近作った句を手直ししました。 今号は5句中3句掲載でした。以前に句会で秀…

眼鏡てふ明るき窓よ小鳥来る

(めがねちょう あかるきまどよ ことりくる) ふらんす堂通信 178号うづら集 雑詠 西村麒麟先生 選 ずっと以前に作った句を作り直しました。リメイクその1

菊香る道を神馬の曳かれゆく

(きくかおる みちをしんめの ひかれゆく) ふらんす堂通信 178号うづら集 雑詠 西村麒麟先生 選 ずっと以前に作った句を作り直しました。リメイクその2

第四回蒼海賞発表

蒼海21号では第四回蒼海賞の発表もありました。今回は正賞該当作なし。準賞3名、奨励賞4名で、私も応募した三十句連作から、奨励賞として主宰選の五句抄を掲載していただきました。一応、過去4回すべてに応募し、第2回が予選通過でした。私にとって奨励賞は…

か弱きを残し猫の子譲りけり

(かよわきを のこしねこのこ ゆずりけり) 『蒼海』21号 堀本裕樹主宰 選 叔父宅で保護猫が子どもを4匹産み、3匹は新しい飼い主さんのもとへ、残る1匹と母猫は叔父のもとで飼われることになりました。子猫が産まれたときに私も見せてもらいました。 21号は…

父の背を起こし窓辺の飛花落花

(ちちのせを おこしまどべの ひからっか) 『蒼海』21号 堀本裕樹主宰 選 初案は<背を起こし病窓の飛花落花かな>でしたが、句会に出した際、「自分で背を起こしたのか人に起こしてもらったのかが曖昧」と主宰からご指摘をいただき、再考した句です。なの…

囀の窓より介護ベッド入れ

(さえずりの まどよりかいご ベッドいれ) 『蒼海』21号 堀本裕樹主宰 選 母の退院に備え、ベッドを購入したときのこと。玄関より窓から搬入する方が簡単だったので...。

花時の肩の触れあふ立ち飲み屋

(はなどきの かたのふれあう たちのみや) 『蒼海』21号 堀本裕樹主宰 選 空港にほど近い場所に住んでおり、空港内にある角打ちがお気に入りで、時々平日昼間からふらっと立ち寄ることがありました。コロナ禍以降は行けておらず、再訪したいです!花時は桜…

豆の花娘夫婦と暮らし初む

(まめのはな むすめふうふと くらしそむ) 『蒼海』21号 堀本裕樹主宰 選 ご近所の方が昨年から娘さん夫婦と同居されることになり、一緒に家庭菜園などされている姿を見て作った句です。以前にスナップエンドウをいただいたことがあり、それがとても美味し…

うららかや花の形に手巻き寿司

(うららかや はなのかたちに てまきずし) 『蒼海』21号 堀本裕樹主宰 選 主宰の句<麗かや丘のかたちのカンパーニュ>が好きで、ちょっと似た句を作ってしまいました。

フライパンにバター泡立つ春子かな

(フライパンに バターあわだつ はるごかな) 『蒼海』21号 堀本裕樹主宰 選 春子(はるご)は春の椎茸。新版 角川大歳時記 春によると、「秋椎茸は色・香りが強いのに対し、春椎茸は色も香りもほのかで肉質がやわらかい」のだそうです。

蕗味噌を背の鞄に入れくれし

(ふきみそを せなのかばんに いれくれし) 『蒼海』21号 堀本裕樹主宰 選 Netflixでドラマ版『舞妓さんちのまかないさん』を観て。主人公のキヨちゃん(森七菜)が舞妓修行で京都へ出発する朝、おばあちゃんが背中のリュックにキヨちゃん愛用の「湯たんぽ」…

葬送の校歌青田の風となり

(そうそうのこうか あおたのかぜとなり) 角川俳句2023年10月号掲載句令和俳壇 雑詠 白岩敏秀先生 佳作 令和俳壇はいろんな選者がいるので、選の結果に一喜一憂したらだめ🙅と言われました( ̄^ ̄*)

神前へ鮎運ばるる日照雨かな

(しんぜんへ あゆはこばるる そばえかな) 角川俳句2023年10月号掲載句令和俳壇 雑詠 成田一子先生 佳作防府天満宮の金鮎祭をイメージしました。

噴水に街の歳月ありにけり

(ふんすいに まちのさいげつ ありにけり) ふらんす堂通信 177号うづら集 雑詠 西村麒麟先生 選 今号は5句中3句掲載でした。実景を通して実感を詠んだ句で、シンプルな作りが自分でも気に入っています。クローズドの句会で割と評価をいただけたのですが、な…

学会やカンカン帽の師が来たる

(がっかいや カンカンぼうの しがきたる) ふらんす堂通信 177号うづら集 雑詠 西村麒麟先生 選 学会風景。実際は「ハンチング帽」の師でした! カンカン帽は夏帽子の傍題です。

火取虫流しの水を拭き取りぬ

(ひとりむし ながしのみずを ふきとりぬ) ふらんす堂通信 177号うづら集 兼題「水」 西村麒麟先生 選 今号から西村麒麟さんが選者です🦒

風はらむシーツ憲法記念の日

(かぜはらむシーツ けんぽうきねんのひ) 角川俳句2023年9月号掲載句令和俳壇 雑詠 星野高士先生 佳作 櫂未知子先生 佳作 巨船まだ白し憲法記念の日 櫂未知子櫂先生の句の、白いものとの取り合わせに惹かれ、句のリズムも参考にして作った句です。

よくしやべる鍵つ子同士蝌蚪の国

(よくしゃべる かぎっこどうし かとのくに) 角川俳句2023年8月号掲載句令和俳壇 雑詠 井上康明先生 秀逸 私は鍵っ子ではありませんでしたが、とても気の合う鍵っ子の同級生がいて、下校時に二人だけでおたまじゃくしのいる池などに行った思い出を詠んでみ…

白波を腿に繁吹かせ寒禊

(しらなみを ももにしぶかせ かんみそぎ) 『蒼海』20号 堀本裕樹主宰 選 地元海岸で行われた寒中禊の様子を句にしました。20号は8句掲載でした。そして今号では蒼海鼎談に🍋も呼んでいただきました。 相変わらずの「溜めてアップ」の悪しき習慣を改めねばと…

四等は都こんぶや初観音

(よんとうは みやここんぶや はつさんか) 『蒼海』20号 堀本裕樹主宰 選 お正月明けに地区のどんど焼き会場でくじ引きをやっており、そこから発想した句でした。上五は当初、「景品の」でしたが、句会で改案をいただきました。初観音も新年の季語です。

若水を米の芯まで吸はしめむ

(わかみずを こめのしんまで すわしめむ) 『蒼海』20号 堀本裕樹主宰 選 新年最初の句会に投句した句です。新年の季語で気持ちよく詠みたいと思いました。

花殻を庭に焚く香や小晦日

(はながらを にわにたくかや こつごもり) 『蒼海』20号 堀本裕樹主宰 選 句会で主宰特選をいただいた句。昔は仏壇のお花が枯れたら両親が庭で焚いて処分していたように記憶しています。小晦日(こつごもり)は一年の最後の日にあたる大晦日に対して、その…

一人嗅ぎ皆が嗅ぎ出す柚子湯かな

(ひとりかぎ みながかぎだす ゆずゆかな) 『蒼海』20号 堀本裕樹主宰 選 冬至の日に地元の入浴施設で「ゆず湯」のサービスをしているのをニュースで見て作った句です。

極月や小さき祠の小さき神

(ごくげつや ちさきほこらの ちさきかみ) 『蒼海』20号 堀本裕樹主宰 選 雪の日の実景を詠んだ句で、当初、上五は「雪かむる」でした。「雪を降らすとベタ。上五を『や切り』にした方がよい」と主宰から助言をいただきました。

園丁に手渡すホットレモンかな

(えんていに てわたす ホットレモンかな) 『蒼海』20号 堀本裕樹主宰 選 庭木の剪定に来てくださった方に休憩時間のお茶をお出ししたときのことを詠みました。午前中が珈琲だったので午後はホットレモンにしました。

尼三人腕捲りして大根引く

(あまみたり うでまくりして だいこひく) 『蒼海』20号 堀本裕樹主宰 選 NHKで放送されていた『やまと尼寺 精進日記』の尼僧のイメージで。主宰もそのように鑑賞してくださいました!

少女らのまぶしき声よ蝶生る

(しょうじょらの まぶしきこえよ ちょううまる) 角川俳句2023年7月号掲載句令和俳壇 雑詠 櫂未知子先生 佳作 もう一工夫必要かなと思いつつも、これくらいシンプルな句の方が自分らしく好きなので櫂先生にとっていただけて嬉しいです。

マカロンをぱくと一口木の芽時

(マカロンを ぱくとひとくち このめどき) ふらんす堂通信 176号花実集 雑詠 髙田正子先生 選 今号は5句中3句掲載でした。寂しいですが、今回で髙田正子先生の選は終了です。次回からは西村麒麟さんの「うづら集」。また楽しんでまいりましょう。 今度こそ…