連翹や庭に光の集まり来

(れんぎょうや にわにひかりの あつまりく)

俳句界2019年3月号応募句
雑詠
角川春樹先生 選 佳作
古賀雪江先生 選 佳作

桜の頃、桜の少し前かな、散歩で通りがかるお宅の庭に連翹がありまして、見るたびにその黄の眩しさを愛でていたのでした。

そして、山口青邨の句にも触発されたのでした。
 連翹の縄をほどけば八方に  山口青邨

一瞬にして連翹の華やぎが目に浮かんでくるようです。

薄紙に蝶の骸の美しく

(うすがみに ちょうのむくろの うつくしく)

俳句界2019年3月号応募句
雑詠
櫂未知子先生 選 佳作
佐藤麻績先生 選 佳作

ふらりと立ち寄った地元の博物館で蝶の標本展示を見て一句作りたいなと思い、出来た句です。採取された蝶が三角紙に包まれている、標本前の状態を想像して。

今回投句したなかで一番好きな句でしたが、このレベルの出来ではなかなか特選・秀逸までゆけません(涙)

美術展窓いつぱいの木の芽晴 

(びじゅつてん まどいっぱいの このめばれ)

俳句界2019年3月号応募句
兼題:「美」
岸本マチ子先生 選 佳作
名和未知男先生 選 佳作

珍しくわたくしが兼題で複数の選者の選に入るとは!感激です。

木の芽晴 さまざまな木が芽吹く頃のこと。微妙な遅速はありながらも、いっせいに木々の芽吹くこの頃は、一年中でいちばん自然の生命力を感じるとき。木の芽の形も色とりどりで、その頃の雑木山は、秋の紅葉とはまた違った美しさである(講談社 新日本大歳時記「春」より)。

そのときは桜の季節でしたが、以前に美術館に行ったときの窓の風景から発想を拡げて詠んでみました。窓も一枚の大きな絵画のようです。

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藤房のひとつひとつの影ゆるる

(ふじふさの ひとつひとつの かげゆるる)

角川俳句2019年7月号掲載句
令和俳壇 雑詠 嶋田麻紀先生選 佳作
        岩岡中正先生選 佳作
        星野髙士先生選 佳作

以前に岸本尚毅先生の埋字で採っていただいたことはあるのですが、題詠/雑詠は令和俳壇になってから投句し始めました。幸運にも2回目の投句で佳作に採っていただきました。

NHKラジオ文芸選評の兼題『藤』で四句作ったうちの投句しなかった一句です(ちなみに文選は全没)。写生に徹するのみの非常にシンプルな句で、先行句との類想類句が心配だったのですが、三名もの選者に評価していただけて嬉しいです。

ビギナーズラックで来月号からはどうなるかわかりませんが、またいろいろと詠んでいきたいです。私の場合、過去全没の今井聖先生の選に入るのが当面の目標かな(笑)

風吹けり農業女子に乙鳥に

(かぜふけり のうぎょうじょしに つばくろに)

あるふぁ俳壇2019年夏号掲載句

前回に続き予備選に入りました。
俳句ポストの兼題『菠薐草』で没になった句を作り替えたものです。

旅僧の触るる牡丹に月の色

(たびそうの ふるるぼたんに つきのいろ)

NHK俳句さく咲く!令和元年5月放送応募句
兼題:牡丹
堀本裕樹先生 選 佳作

それなりに考えたのですが。はい、古臭い句です(汗) いつの時代の句かな(笑)
堀本先生ありがとうございました。

罌粟坊主尻ポケットに日刊競馬

(けしぼうず しりポケットに にっかんけいば)
俳句ポスト365(第219回 2019年4月18日週の兼題:罌粟坊主)
夏井いつき先生 選 人選

罌粟坊主。罌粟の花の散ったあとの球形の実で、風に揺れる様がユーモラスであることから、罌粟坊主と親しみをこめて呼ぶ(俳句歳時記 第五版 角川書店編)。今回の兼題で『ああ、あれが罌粟坊主なのか」と初めて認識しました。長細いタイプの坊主(?)は玄関先などでも見かけますね。

2016年4月の第145回兼題『蜜柑の花』から投句を開始し、この『罌粟坊主』が75兼題目。ここまで皆勤賞でしたが、今回をもって俳句ポストへの投句をいったん休むことにしました。最高成績は『鰯雲』の地選。天選は投句再開後のチャレンジにとっておきたいと思います。
俳句ポストでは自分ではおそらく詠むことのないような季語をはじめ、さまざまな兼題と出逢うことができました。時に「数打ちゃあたる方式」で駄句を大量投句したこともありましたが、組長には心から感謝しております。

ハイポニストの皆さま、また会う日まで!ご健吟をお祈りいたします。

<追記>
珍しくツイッターに句をアップしたのですが、日刊競馬さんがいいねをしてくださったのが嬉しかったです(^^)