陽だまりを猫と分け合ひ古日記

(ひだまりを ねことわけあい ふるにっき)

NHK俳句さく咲く!平成29年12月放送応募句
兼題:日記買ふ
櫂未知子先生 選 佳作

最近、困ったときの「猫俳句」になってしまっています。
この次の次の兼題でも猫をいれたような...。
櫂先生は猫がお好きなので選んでくださったのかもしれません。
しばらく「猫」は禁止ワードにしなければならないかも。

探梅へスイッチバック賑はひぬ

探梅へスイッチバック賑はひぬ
(たんばいへ すいっちばっく にぎわいぬ)

俳句ポスト365(第184回 2017年11月16日週の兼題:探梅)
夏井いつき先生 選 人選

探梅とは 早梅を探って山野を歩き回るのが探梅または探梅行である。名所とされる梅林の花が咲き満ちているのを観るのとは趣を異にする(角川学芸出版 合本俳句歳時記より)。

俳句ポストの季語検討によれば、
 ・ 早咲きの梅を求め、探すこころ
 ・ たとえ野に出なくても梅を尋ねるこころ、梅・春を待つこころ
 ・ 早咲きの梅を見つける場合も見つからない場合もある

ほころび始めた梅の花の光景を詠んだ句もありますが、梅を眺める行為よりも、「春待つ心」が探梅という季語の本意なのでしょうね。
「梅」、「寒梅」、「早梅」、「梅見」など、梅が付く季語は多く、その違いは難しいです。

2017年を振り返って2018年へ

俳句を始めて2年。年が明ければ俳句3年生になります。

今年の作句数は422句。厳密には今年作った句の数ではなく、今年どちらかへ投句した数です。
内訳は、俳句ポスト161句、NHK俳句161句、俳句界84句、いるか句会(通信を含む)7句、伊吹嶺会添削9句。
そのうち、選者に採っていただいた句は53句でした。

新版20週俳句入門(藤田湘子著 角川学芸出版)に次のようにあります。

「初学のころは<たくさん作る>ほうがよろしい。たくさん作句しているうちに、俳句という形式のあれこれが、薄皮を剥ぐように感得されるということがある。言い換えれば<実作で鍛える>ということになる。

俳句は一千句ぐらい作ると、どうやら身についた感じになる。早く一千句作ることです」(中略)たとえば、一日一句ずつ作る。これは一つの勉強法として作句歴の長い人にもかなり普及している。しかし、一日一句がムリならば一ヵ月三十句作る。(中略)まあ、このへんが標準作句数と言っていいだろう。一ヵ月三十句とすれば一年では三百六十句。一千句までは三年足らずで達成できる。

一年目の作句数は240句でした。二年間で662句。このペースを守れば、三年間で一千句になります。果たして来年の今頃、わたしは何かしらの手応えをつかめているでしょうか。

それからもう一つ。入選を目的に投句することで気がかりなことがあり、それがまさに同書で藤田湘子さんのおっしゃっていることです。

(前略)投句する人の側に、自分を忘れた俳句作りが見られるようになってくる。裏をかえせば、入選したいがために、選者の好むような素材や表現をしようとする邪念がはたらいて、「自分の俳句」でなくなってくる。つまり「自分のために」ではなく、選者の傾向に合わせるための俳句作りになってしまうわけですね。こうなったらもう一巻の終り。十年やろうが二十年やろうがなんの稔りもない作句生活になってしまう。(後略)

「自分のために」
「自分の俳句を作る」
という言葉を忘れずに、来年も自分らしく俳句を続けていきたいと思います。
まだ3年生だもんね。焦らず、素直にね。

旅客機の点滅ゆるく虫時雨

(りょかっきの てんめつゆるく むししぐれ)

俳句界2017年9月号応募句
雑詠
稲畑廣太郎先生 選 佳作
櫂未知子先生 選 佳作
西池冬扇先生 選 佳作

選に入ったのは7句中2句でした。
9月は忙しくて俳句に集中できなかったのもありますが、
そんなことは言い訳にはなりません。壁にぶち当たっているような気もします。

櫂未知子さんは2018年の新選者のお一人。
NHKの「俳句さく咲く!」の選者も務められています。
俳句界でも目に留まって嬉しいです。

「入選はグリコのおまけのようなもの」とみなさんよく言われます。
来年も俳句を楽しみながら、文字どおり「佳作どまり」の句からを抜け出したいものです🔥

炭爆ぜて酪農学部の夜空かな

(すみはぜて らくのうがくぶの よぞらかな)

俳句ポスト365(第183回 2017年11月2日週の兼題:炭)
夏井いつき先生 選 人選

計8句投句。
一句でも採ってもらえるならこの句かな...と思っていました。

「炭」という季語は歳時記によって項目立てが異なり、先生の見解は次のようなものでした。

季語「炭」とは、焼きあがってから火を熾されるまでの間の状態(熱のない状態。炭をつぐまで)」を指すのが基本。つまり、火を熾すことのできる「炭」という黒い物体です。それが赤い火となれば、「炭火」という季語に変化するということなのでしょう。
大判の歳時記と小さな季寄せでは、季語の扱いが微妙に違いますので、今回の選は「炭」「炭火」を許容しつつ、進めていこうと考えています。